【プレシーズンマッチ サンフレッチェ広島vsガンバ大阪】2回も接待してもらえると思ったら大間違いだ
記念試合クラッシャーと呼ばれていた頃もありました
2024年のガンバ初めは、サンフレッチェ広島の新スタジアムの杮落としから。
昨年の33節に行われたエディオンスタジアムのラストマッチで、
盛大にホームチームを接待してしまったからなのか、
晴れて(?)新スタジアムの杮落としの対戦相手に選ばれた我らがガンバ大阪。
とは言え、念願だった新しいスタジアムが完成して、
これからクラブの新たな歴史が始まるという高揚感は我々も経験しているので、
そんな広島のサポーターの記念すべき日に立ち会えるということは素直に名誉なことである。
また、昨季の16位という屈辱的な成績からの挽回を期す青黒にとっても、
この試合は新シーズンに臨むうえでの決意表明の場でもあると思うので、
ただの接待試合にはして欲しくないけどね。
期待値を大きく上回ってきた青黒
中央公園という広島の一等地に完成した新しいスタジアムの、
まっさらなピッチに立ったガンバ大阪のスタメン11人は以下の通り。
4-3-3で臨む試合が多かった昨季とは変わって、4-2-3-1へ布陣変更。
中谷、鈴木、岸本、山田といった今冬に加入した新戦力に加え、
ファジアーノ岡山での武者修行を終えて帰ってきた坂本や、
横浜F・マリノスという優勝を狙えるクラブで守護神の座を掴んでいたにも関わらず、
低迷するガンバを変えるために戻ってきた一森もスタメンに名を連ね、
大きく顔ぶれが変わったなという印象。
とは言え、新戦力が多いため噛み合うまでに時間がかかるのは覚悟していたのだけど、
昨季3位でシーズンを終えスキッベ体制3年目での優勝を期す広島を相手に、
敵陣で試合を進めるガンバ。
トップ下の山田は神出鬼没にピッチの至るところに顔を出してパスを受けに走れば、
坂本は常にポジションを取り直してパスを引き出そうとしているし、
タイミングが合わなくてオフサイドになる場面は何度かあったものの、
昨季の終盤とは見違えるような攻撃の推進力。
また、左CBとしてはどうなの?と言われていた中谷も、ビルドアップをソツなくこなしながら、
持ち前のインテンシティの高さでドウグラス・ヴィエイラを封じ込めていたし、
一森は、持ち前の足元の技術とキック精度の高さで攻撃の起点になるだけでなく、
失点を覚悟した柏のシュートも驚異的なセービングで防ぐなど、
昨季マリノスでJ1を1年間戦い抜いた成長の跡が見て取れたね。
ゴールネットを揺らすことが出来ずにスコアレスで前半を折り返すことになったけど、
ジェバリやネタ・ラヴィといった昨季の主力がベンチにいる状態で、
広島相手にこれだけの試合が出来るなんて、後半に向けて期待しか無かったわ。
あのガンバが逆転だと・・・?!
前半と同じ11人を後半のピッチに送り出したガンバに対し、広島は5人の選手を入れ替え。
すると、半田が中央で競り負けてサイドに流れたクロスを佐々木に拾われると、
佐々木のクロスに飛び込んだのは、その入ってきた5人のうちの1人であるソティリウ。
ガンバキラーのベン・カリファが福岡に移籍してホッとしていたのだけど、
まさか次はセレッソキラーのソティリウに決められてしまうとは・・・。
昨季までのガンバであれば、良い試合をしていても、
先に点を取られてしまうとチーム全体が気落ちしてしまって、
そこからズルズルと失点を重ねていくという展開が多かったけど、この日のガンバは違った。
鈴木徳真のCKをニアでフリックし(半田かな?)、
ファーサイドから飛び込んだ岸本がゴールネットを揺らしてタイスコアに戻すと、
坂本とダワンに代えてジェバリとネタ・ラヴィを投入し、さらに攻勢を強める。
一時、広島の反撃に遭い、グラウンダーのクロスに合わせた東のシュートがポストに弾かれて、
冷や汗をかく場面はあったものの、
宇佐美、松田、倉田のベテラン3人を投入して試合の流れを引き戻すと、
試合終盤に、ジェバリのシュートのこぼれ球を倉田が頭で押し込み、
昨季は先制された時点で試合終了だったあのガンバが試合をひっくり返してみせた。
宇佐美はカウンターの局面で全力でスプリントする場面が2回ほど見られたので、
今季はフィジカルの問題は無さそうだし、
イスラエル情勢の影響で昨季の終盤から実戦から遠ざかっていたネタ・ラヴィも、
昨季の良かった頃のプレーを見せていたので一安心。(ジェバリはちょっと体が重そうかな・・・)
広島の新スタジアムの杮落としにゲストで呼ばれたにも関わらず、
空気を読まずに勝ってしまうあたり、
往年の記念試合クラッシャーぶりが戻ってきたのも嬉しい限りだ。
お預けになったクラップは町田で響かせる
なんだか久しぶりに勝った試合を見たなと思ったら、
それもそのはずで、昨年8月のホーム・湘南戦以来、約半年ぶりの勝利だとか。
まあ、別にこの試合に勝ったからと言って、勝ち点が手に入るわけでもないけど、
キャンプから取り組んできたことが目に見える結果として出たことで、
自信を持って24日の町田との開幕節に臨めるんじゃないだろうか。
さすがに広島の新スタジアムの杮落としにゲストとして呼ばれている立場なので、
試合後の勝利の儀式であるガンバクラップは広島への敬意としてやらなかったけど、
1回お預けになった分、天空の城では大音量の「ウッ!!」を轟かせてやりましょう。
サンフレッチェ広島1ー2ガンバ大阪
’48 ピエロス・ソティリウ
’58 岸本武流
’88 倉田秋