【明治安田生命J1リーグ8節 京都サンガvsガンバ大阪】雨上がりの空に後味の悪い試合というアウェイ京都戦のテンプレート

そうだ京都に行こう!

昨年のアウェイ京都戦は平日だったので泣く泣く断念したけど、
今年は土曜日の開催とあって満を辞してのサンガスタジアム初訪問。

やはり球技専用スタジアムとあって、ピッチとスタンドの距離が近いのはもちろんだし、
全席屋根付きで音の反響が良いのもあるし、
コンパクトな作りだから日立台のような臨場感もあるしで言う事ないね。

個人的に、アウェイの京都戦に参戦するのは、
「あれをPKと言われたらGKは何も出来ないだろう」というような、
なんでもないロングボールの処理で藤ヶ谷がPKを取られ、
試合後に、西京極のアウェイゴール裏から「くたばれアホな審判!」が響いた2009年以来。

試合会場は違うけど、アウェイで京都に勝利を飾ることで、
2009年の苦い記憶を上書きして欲しいものだ。

単なるハードワーカーから脱皮した清水の至宝

アウェイ京都戦のお約束と言ってもいい雨空のピッチに、
ダニエル・ポヤトスが送り出した11人は以下の通り。

前節の川崎戦からの変更点は、福田が杉山に代わって左ウイングに入り、
川崎戦で左ウイングを務めていたアラーノが右に回っただけ。

シーズン序盤こそ色々な選手を試していたポヤトスだけど、
ここに来て選手の序列が固まってきた感があるね。

川崎戦は、相手があまり前からプレスをかけてこなかったこともあってか、
落ち着いてボールを回すことが出来たけど、
インテンシティの高さが持ち味の曹貴裁監督のチームが相手ではそうもいかず、
なかなかボールを前に運ぶことが出来ない。

そんな中でもジェバリのスルーパスを受けた福田が若原との1対1を迎える場面はあったけど、
これを決めきることが出来ずに先制に失敗。

ガンバとしては思うような試合運びが出来ていないながらも、
集中した守りで京都にシュートチャンスを作らせていなかったのだけど、
京都のセットプレーの流れで井上が右サイドからGKとDFラインの間に低いクロスを入れると、
これに豊川が反応して前半22分にゴールネットを揺らされてしまった。

先日の湘南戦のように、今季のガンバは先に失点するとすぐに弱気の虫が顔を出してしまい、
ズルズルと失点を重ねてしまう悪癖があるけど、この試合でも同様で、
失点直後にCKを与えてしまい、川崎颯太にフリーでヘディングシュートを放たれてしまう。

ただこのシュートは、先述の湘南戦で戦犯になってしまった谷が、
同じ過ちは繰り返すまいと好セーブで阻止し、相手に行きかけた流れを食い止める。

すると、アラーノが右サイドから入れたクロスは京都の守備陣に跳ね返されるも、
ルーズボールを石毛がペナルティエリアの外から豪快に叩き込み、
前半37分にスコアを振り出しに戻すことに成功。

昨季はあれだけ簡単なシュートを外していたのに、今季は一体どうしちゃったんだろうか?

攻撃面もさることながら守備でも手を抜かないし、宇佐美がコンディションを上げてきても、
ポヤトスサッカーの核となった今の石毛を代えるイメージは湧かないな。

打つ手がことごとく裏目に出た後半

逆転を期して後半に臨んだガンバだったけど、
そんな思いとは裏腹に試合展開は膠着してしまう。

状況を打破すべくポヤトスは、前半からかなり飛ばしていた石毛に代えて宇佐美を投入するも、
その宇佐美は明らかにコンディションが上がっておらず、ピッチ上で行方不明になってしまい、
まるで数的不利を強いられているような試合展開に。

さらにこの試合で左サイドから再三良い仕掛けを見せていた福田が、
福岡慎平との交錯で肩を痛めて杉山と交代になるなど、ガンバとしては嫌な流れになっていく。

ダメな時は何をやってもダメとはよく言ったもので、
攻勢を強めようとしてジェバリとダワンに代えて鈴木武蔵と山本理仁を投入した直後、
パウリーニョの前線からのプレスに屈した三浦がボールを失ってしまうと、
パウリーニョからのパスを受けたパトリックに決められ、後半37分に勝ち越し点を献上。

まあ、ガンバがかつての所属選手に恩返しゴールを決められるのはよくあることだけど、
まさかパトリックもガンバ側からのお膳立てで得点するとは思ってもみなかっただろうな。

ただ、試合時間はアディショナルタイムも含めるとまだ残り10分以上あるので、
なんとか再び試合を振り出しに戻したいところだったけど、
そんな状況でクォン・ギョンウォンのスライディングタックルが松田に深く入ってしまい、
一発レッドの判定でジ・エンド。

バックスタンド2階席からのアングルだと、
クォン・ギョンウォンがスパイクの裏を見せてスライディングに行ったように見えたので、
一発レッドもやむなしと思ったのだけど、改めてDAZNで確認してみると、
スパイクの裏は見えていないし、松田にぶつからないようにヒザも曲げているし、
「これ本当にレッドか?」と思うようなプレーだった。

そもそもこの試合を裁いた清水勇人主審は、前半は神経質にファウルを取っていたのに、
後半になって急にファウルを流すようになるなど、ファウルの基準がブレていたし、
ポジショニングも悪くて、はっきり言って印象が良くなかった。

勝利で2009年の後味が悪い試合を上書きしたいと冒頭に書いたけど、
後味が悪い試合が脳裏に追加されることになってしまったね。

大事なのは水曜日じゃなくてその次の日曜日

公式戦3連勝とはいかなかったガンバだけど、
ミッドウィークには今季ここまで負けなしのルヴァンカップの試合が予定されているので、
確実に勝ち点3を上積みしておきたい週末の横浜FCとのリーグ戦に向けて、
良い流れを作りたいところ。

まあ、そのルヴァンカップの試合が、
ガンバがこの上なく相性最悪な味の素スタジアムでのFC東京戦というのが、
大いに引っ掛かるところなんだけど。

さすがのポヤトスも週末に裏天王山が控えている状況で、
ガチメンバーを飛田給に送り込むことはしないだろうから、
ルヴァンカップでチャンスを与えてもらった選手たちには、
固まりつつあるレギュラーの序列を覆すようなパフォーマンスを見せて欲しいね。

京都サンガ21ガンバ大阪
’22 豊川雄太
’37 石毛秀樹
’82 パトリック