【明治安田J1リーグ1節 町田ゼルビアvsガンバ大阪】J1の厳しさを教わったのはどっち?

J1はそんなに甘い舞台ではない

2024年のJ1リーグがついに開幕。

屈辱にまみれた2023年シーズンからの逆襲を期す我らがガンバ大阪の開幕節の相手は、
初のJ1の舞台に挑む町田ゼルビア。

敵将の黒田監督は「勝ち点70、5位以内が目標」と強気な発言をしているみたいだけど、
オリジナル10の一員として町田にJ1の厳しさを教えなければいけない。

現実主義な黒田監督のもとハードワークをベースに直線的なサッカーを志向する町田は、
ガンバとしては組みにくい相手だなという印象はあるけど、
2週間前の広島とのプレシーズンマッチで見せた推進力のあるサッカーで、
そんな町田を上回って欲しいところだ。

どっちがJ1初挑戦のチーム?

天空の城とは名ばかりで、山の上にあるただのアクセスが悪い陸上競技場のピッチに立った、
ガンバ大阪のスタメンは以下の11人。

2週間前のエディオンピースウイング広島のこけら落としと全く同じスタメン。

ジェバリが練習で良い動きを見せていたらしいので期待していたのだけど、
どうやら2日前の練習で負傷したらしく、ベンチには唐山が入った。

広島で見せたようなテンポの良いパス回しが見られることを期待していたのだけど、
町田の激しいプレスの前になかなか中盤で前を向くことが出来ず、
苦し紛れにロングボールを蹴らされてセカンドボールを回収される、の繰り返し。

また、黒田監督が青森山田の監督時代から多用するロングスローによって、
何度も試合の流れが切れるので、リズムを作ることに苦心しているように見えたね。

すると、倒れているダワンを見て主審に試合を止めるようにアピールしていた岸本が、
安易にロストしてしまい、ナ・サンホにドリブルで運ばれると、
ナ・サンホのクロスが中谷の腕に当たってPKを献上。

このPKを鈴木準弥に決められて前半17分に先制を許してしまった。

ダワンが林に踏まれて痛んでいるのに試合を止めなかった主審の判断には納得がいかないけど、
岸本は主審にアピールするのであれば、
ボールをタッチラインに蹴り出してからの方が良かったと思う。

アンラッキーな形で先制を許したガンバとしては、
前半のうちに同点に追いつきたいところだけど、その意に反して防戦一方の試合展開に。

特に、岸本が幅を取って半田が中に入る変則的な動きが特徴のガンバの右サイドは、
町田のカウンターの格好のターゲットになり、
サイドに開いた平河に何度も決定的な場面を作られる始末。

対するガンバも、坂本に2度ほどGKとの1対1のチャンスがあったものの、
ガンバからのレンタルの身である谷に見事な間合いの詰め方で防がれてしまい、
結局、1点ビハインドで前半を終えることに。

谷は古巣対決で燃えていたのかもしれないけど、
だとしたら昨年のアウェイの湘南戦で今日のようなプレーを見せてくれよと、
小言の一つや二つ言いたくなったけども。

あれは僕たちが知っている宇佐美貴史

お互いに選手交代無く迎えた後半。

ハーフタイムでポヤトスに喝を入れられたのか、前半ほど防戦一方の展開ではなかったものの、
町田のゴールを脅かすまでには至らない。

この状況を打破すべく、ダワン、岸本、坂本に代えて、
ネタ・ラヴィ、松田、宇佐美を投入したポヤトス。

さらに、柏から加入したばかりなのにすっかり町田色に染まってしまった仙頭が、
鈴木徳真へのアフターチャージでこの日2枚目のイエローカードを貰って退場になると、
ようやくガンバが試合の主導権を握る展開に。

まあ、J2から昇格してきたばかりの相手に、
数的有利になってようやく勝負できるようになるなんて情けないけど、
交代で入った選手たちを中心に町田のゴールへ迫る回数を増やしていく。

特に宇佐美に関しては、低調だった昨季とは見違えるようなキレのある動きをしていて、
やはり昨年はどこかコンディションに問題を抱えながらプレーしていたんだなと納得。
(どこか痛めていたんだったら休んでいても良かったと思うけど)

すると、ガンバサポーターに待望の瞬間をもたらしたのもこの千両役者。

ゴール正面で山田が倒されてFKのチャンスを得ると、
背番号7の前任者を思わせる力感の無いフォームから放たれたキックは、
美しい放物線を描いて壁の上を越え、ゴールの左上隅に突き刺さった。

今季からコーチとしてガンバに戻ってきた遠藤保仁の影響からか、
昨季までの宇佐美のFKとは明らかにシュートモーションが違っていたね。

その後も、ガンバが右から左から中央から町田ゴールを攻め立て、
試合をひっくり返そうとするも、結局、最後まで勝ち越しゴールは奪えず、勝ち点1止まり。

まあ、試合展開が試合展開だったから仕方なかったんだろうけど、
6分という長い時間が取られた後半のアディショナルタイムで、
執拗に時間稼ぎをする谷の姿になんだか悲しくなってしまった。

昨季の開幕前は谷のことすごく応援していたのだけど、
ガンバを半年で退団してなりたかった姿はそれだったのかと思うと、
1年前の自分の気持ちが幻だったように思えてくるわ。

矛で矛を制してホームで今季初勝利を

チームの顔の宇佐美の活躍でなんとかドローに持ち込んだものの、
プレシーズンマッチの広島戦での好パフォーマンスですごく期待値が高まっていただけに、
この試合の数的同数の時間帯でのガンバのパフォーマンスは残念だった。

それに、この試合の町田のガンバ対策は、
今後、ガンバと対戦するチームにヒントを与えたような感じがして、
なんだか後味が悪い試合だったね。

ただ、次節の対戦相手の新潟は、相手の長所を消すというよりも、
自分たちの強みを出してくるタイプのチームなので、同じ土俵の上で戦ってくれるはず。

新潟クリニックは閉院したとのことらしいけど、来週のパナスタで緊急往診してもらいましょう

町田ゼルビア1ー1ガンバ大阪
’17 鈴木準弥
’84 宇佐美貴史