【明治安田J1リーグ27節ヴィッセル神戸vsガンバ大阪】負け試合から勝ち点1を捻り出した個の力

2024年8月18日

楽天の皆さまはACLEに専念していただいて

3試合連続勝利無しと足踏みが続く我らがガンバ大阪は、
ノエビアスタジアム神戸に乗り込みヴィッセル神戸とのアウェイゲームに臨んだ。

今季は思うように勝ち点を伸ばせていない印象のある神戸だけど、
それでもガンバと勝ち点1差の5位につけているあたり、
昨年の優勝チームだけあって地力はあるなと言わざるを得ない。

そんな神戸に長らく勝てていなかったガンバだけど、
6月の対戦ではウェルトンのゴラッソなどでようやくホームで勝利することが出来たので、
今度はアウェイで2020年シーズン以来の勝利を挙げ、
シーズンダブルと行きたいところだ。

ハーフタイムは大迫のゴールセレブレーションとともに

神戸出身の京都サンガサポーターの宇垣美里さんがキックインセレモニーを務めた一戦で、
ポヤトスが選んだガンバのスタメンは以下の11人。

前節の柏戦から山下、倉田、ネタ・ラヴィの3人が外れ、
ウェルトン、アラーノ、ダワンが入った。

ジェバリは柏戦に続いてこの試合でもベンチ外になったけど、
ひょっとしてまたケガしてしまったんだろうか。

大迫、武藤、パトリッキという個の力に長けた神戸の前線を見て、
FC東京戦や柏戦よりは守勢の時間が長くなるだろうなと覚悟したのだけど、
試合が始まってみると意外とそんなこともなく。

今季のJ1で一番シュートを放っている武藤が腰を痛め、
前半の早い時間帯に飯野と交代になった影響からか、
シュートを打たれる状況にすらならなかった。

ただ、対するガンバもアラーノが前川を強襲するシュートを打ったものの、
宇佐美と山田が自由に動き回ってゴール前を留守にするせいで、
ボールは持てどもなかなか神戸のゴール前に進入出来ない状態。

左サイドでアラーノと山田のプレーの意図が合わない場面が何度かあったからか、
アラーノとウェルトンのサイドを入れ替えるなどしてみたものの効果は無く、
ウェルトンとアラーノがイエローカードが貰ってしまうなど、
パトリッキの守備対応にも手を焼かされた。

これは、ハーフタイムでの修正が必要だななんて思っていたら、
前半終了間際に突然ギアを上げてきた神戸の攻撃を受ける展開になってしまい、
井出のクロスを逆サイドから飛び込んできた広瀬にボレーで合わされてしまう。

このシュートは一森のスーパーセーブで難を逃れることが出来たけど、
その後も神戸の攻撃の手は緩まず。

前半アディショナルタイムに、ウェルトンの緩慢な守備対応から飯野にクロスを上げられると、
井出のヘディングシュートからゴール前でスクランブルな状態を作り出されてしまい、
最後はここまで完全に試合から消すことに成功していた大迫に押し込まれ、先制点を献上。

ハーフタイムを目前にして1点ビハインドを背負うことになってしまった。

勝ち点1をもたらしたポジショナルプレーの例外

1点を追う状況ではあるけど、前半と同じ11人を後半のピッチにも送り出したポヤトス。

後半に逆転するのであれば早い時間帯に同点に追いつきたいところだけど、
ここ3試合無得点のガンバにとって1点とは言えビハインドの状況はキツイなと思っていたら、
神戸戦でキャリア通算13点を挙げている我らが背番号7が試合を動かす。

福岡からの縦パスを左サイドのハーフウェイライン付近で受けた宇佐美がドリブルを開始し、
そのままアタッキングサードまで進入してカットインから右足を振り抜くと、
このシュートがトゥーレルの脚に当たってコースが変わり、
そのままゴールマウスに吸い込まれ、後半11分にガンバが同点に追いつく。

昨季からガンバが取り組んでいるポジショナルプレーで、
唯一例外が認められている宇佐美に関しては、
時にその自由なポジション取りが仇になることもあるけど、
この日の神戸のようにガンバのやりたいサッカーを消しにくる相手を前にした時に、
そこを打開できる理不尽な個の力は必要だなと再認識。

後半の早い段階で同点に追いついたガンバだったけど、
その勢いのままたたみ掛けることは出来ず、試合は膠着状態に突入。

選手交代でも流れを変えられず、
ダワンが内転筋を痛めてネタ・ラヴィと途中交代になるアクシデントも重なり、
勝ち越しのきっかけを掴めない。

すると、そんなガンバを横目に、初瀬のクロスから宮代にゴールネットを揺らされてしまい、
後半39分という試合の最終盤に痛恨の勝ち越し点を献上。

一森の位置を確認して少しシュートを浮かせた宮代の技術は敵ながら見事だったけど、
大迫に簡単にヘディングで競り負けて起点を作らせた上に、
初瀬のクロスの際にコースに入れなかった岸本の一連の守備対応には閉口してしまったわ。

残り時間も少ない中、なんとかして同点に追いつきたいガンバは、
中谷を前線に上げるなどしてパワープレーに出たけど、
菊池を投入するなどしてゴール前の高さを強化してきた神戸の前に、
なかなか決定機を作り出すことが出来ない。

これは万事休すか・・・と思っていたら、
宇佐美のアウトサイドでのパス(これもめっちゃ上手かった)に抜け出した坂本が、
左サイドから切れ込んで強引にシュートを放つと、
シュートコースに立っていた中谷に当たってゴールマウスに吸い込まれ、
後半アディショナルタイム5分にガンバが同点に追いついたところで試合終了。

これで4試合勝ち無しのうえ、町田が磐田に勝利したことで、
首位との勝ち点差も6に広がるという苦しい状況が続いているけど、
この試合で勝ち点を落としたと感じているのは神戸の方だと思うので、
ガンバとしては負け試合で勝ち点1を拾ったと前向きに捉えていいと思うね。