【明治安田J1リーグ34節 川崎フロンターレvsガンバ大阪】札幌戦の逆転勝利でついた勢いは中断期間中に無くなっていたようだ

まだベンチにいるのなら解任ブーストは発動しないよね?
後半アディショナルタイムの宇佐美貴史の2得点で、
後世に語り継がれる逆転勝利を飾った札幌戦から中12日、
我らがガンバ大阪は川崎とのアウェイゲームの日を迎えた。
インターナショナルマッチウィークによる中断期間を挟んだことで、
札幌戦の逆転勝利の勢いのまま等々力に乗り込むとはいかなかったけど、
もう一度エンジンを温め直してシーズン終盤にラストスパートをかけたいところだ。
対戦相手の川崎は、先日、8シーズンに渡り監督を務めた鬼木監督の退任を発表したけど、
今季終了まで指揮を取るのであれば解任ブーストの心配は無さそうなので、
心置きなく2年連続のダブルを決めてやろうじゃありませんか。
中断期間中に思い出した自分たちの姿
リーグ戦は復調傾向に見えたもののルヴァンカップでは新潟に大敗するなど、
調子が良いのか悪いのかよくわからない川崎と相対する、
ガンバのスタメン11人は以下の通り。

現状のベストメンバーと言ってもいい布陣。
さらにベンチを見れば、ケガで長期離脱していた東口と、今夏の移籍市場で加入した林が入り、
得点が欲しいシチュエーションでの選手交代でようやくFWを投入できるようになったね。
試合は、鈴木徳真のCKを宇佐美がボレーで合わせ、ガンバが最初のチャンスを作れば、
川崎は、左サイドのマルシーニョの突破からガンバのゴールに迫るなど、
ゴール前の局面が多く、打ち合いの様相を呈する序盤。
すると、大外から川崎のDFラインの裏を取った半田に鈴木徳真の浮き球のパスが渡ると、
半田のグラウンダーのクロスをファーサイドに詰めていたウェルトンが押し込み、
前半7分という早い時間帯にガンバが先制に成功。
中断前は、前線の選手が立ち位置を無視して動く場面が散見されていたけど、
さすがに中断期間に修正したのか、この得点の場面に象徴されるように、
シーズン前に出来ていた幅をとる攻撃が出来るようになっていたね。
とは言え、川崎相手に1点だけでは心許ないので、早めに追加点が欲しいところだったけど、
山下のマイナスのクロスを受けた宇佐美のシュートは、
チョン・ソンリョンの好セーブに阻まれてしまい、追加点を挙げるまでには至らない。
並の選手であれば特に何も言わないけど、
宇佐美ほどの選手であれば試合開始直後のCKからのボレーシュートか、
この山下のクロスからのシュートのどちらか1本は決めておかないといけなかったね。
とは言え、チャンスは多く作れていたので、この調子で攻撃を続けたいガンバだったけど、
キレキレだったウェルトンが脚を痛めて前半26分に岸本と交代になると、
途端に推進力を失ってしまう。
対する川崎のマルシーニョは常にガンバ守備陣の脅威となり続けていたけど、
前節の札幌戦で痛恨のミスを犯した福岡が、
汚名返上とばかりに山田新とエリソンの2トップを封じたことで、
前半をウノゼロで折り返し。
(山田新とエリソンは個の力は高いけどお互いを生かそうという気はあまり無いみたいね)

またしても遅きに失した交代カード
お互いにハーフタイムでの選手交代は無く後半を迎えると、
前半は比較的まともだった山下主審の笛が、
毎度お馴染みの倒れた者勝ちの笛に変わってしまい、試合が徐々に荒れていく。
そんな状況で先に動いたのは、7度のタイトルを置き土産に川崎を去る鬼木監督。
後半23分にマルシーニョ、瀬川、エリソン、山田新に代え、
山内、遠野、小林、家長を投入するという4枚替えを敢行。
キレキレだったマルシーニョがベンチに下がったのはホッとしたのだけど、
代わりに出てきた家長の神出鬼没な動きを捕まえ切れず、
そんな家長の動きに呼応するかのようにボールに触れる回数が増えた77番を中心に、
川崎がゲームを支配し始める。
出て行き方が良くなかったので、正直今でもあまり良いイメージはないのだけど、
知っていたけどやはり良い選手だな、この選手がベンチ外だったなんてもったいないよなと、
再認識させられたこの日の77番のプレーだったね。
そんな試合展開を見て、ポヤトスが切ったカードは宇佐美に代えて山田康太を投入するという、
あくまで前線の守備の運動量を補充するためだけのもので、
試合の主導権を奪い返そうという強いメッセージは込められていなかったように思う。
こんな交代で流れが変わるわけもなく、防戦一方の状態になると、
家長のスルーパスに抜け出した遠野のクロスを、小林にヘディングで決められてしまい、
後半36分にスコアは振り出しに。
家長のスルーパスに遠野が追いついた時点で中の守備の枚数は揃っていたので、
難無く凌げそうな場面だったように思うのだけど、
遠野がオフサイドだとセルフジャッジしてDFラインの選手が全員足を止めてしまったことで、
抜け目無く先に落下点に入った小林にヘディングシュートを決められるという、
「集中が切れていた」と言われてもおかしくないような失点だったように思う。
同点に追いつかれてから、ようやく坂本、ダワン、山下に代えて、
林、美藤、ファン・アラーノを投入したけど、
試合時間残り10分も無い時間帯でピッチに入って仕事をしろと言われても流石に酷な話。
(林にとってはちょっと難しいデビュー戦になってしまったね。)
結局その後はどちらのゴールネットも揺れることなく、
1-1のドローで試合終了の笛を聞くことになった。

文句の対象は名古屋ではなくJリーグ
前節の札幌戦で10試合ぶりの勝利を挙げたにも関わらず、
また9試合勝ち無しの時期に戻ったかのような試合運びにうんざりしているけど、
次節の名古屋戦まであと5日しかないので、早めに頭を切り替えるしかない。
マリノスと正々堂々と戦って、
ルヴァンカップ決勝に勝ち進んだ名古屋に文句を言うつもりはないけど、
名古屋のカップ戦の勝ち上がりでガンバのホームゲームの日程が変更になるというのは、
Jリーグ側の落ち度では無いだろうか。
まあ、言いたいことはあるけど中1日有利な状況で試合が出来るという、
日程面のアドバンテージをポジティブに捉えて、
運動量で上回って平日の夜のパナソニックスタジアムにガンバクラップを轟かせたいところだ。
川崎フロンターレ1ー1ガンバ大阪
’7 ウェルトン
’81 小林悠