【AFCアジアカップ グループF2節 日本vsオマーン】審判に勝たせてもらった試合

2023年1月1日

日本に味方した中東の笛

日本でよく聞かれる言葉として”中東の笛”と言うものがある。

これは、中東国以外の国が中東国で試合を行った際に、
審判が中東国有利の判定を行う傾向があるというところから来ている言葉だけど、
中東国のUAEで行われているはずのこの試合では、
何故か日本に対して有利で中東国のオマーンに対して不利な笛が吹かれていた。

原口が獲得したPKに繋がったファウルはペナルティエリアの外だったし、
長友の体を投げ出してのシュートブロックは完全に腕に当たっていたので、
ハンドでPKを取られていてもおかしくなかった。

先日のトルクメニスタン戦の前半のようなちぐはぐ感は無かったものの、
誤審が無ければ勝てないような試合をしているようでは、先が思いやられる。

そもそも前半で終わらせることが出来た試合

親善試合でゴールを量産したことで、
すっかり森保JAPANのエース格となった南野だけど、そもそも僕が知っている南野って、
ペナルティエリア内の密集地帯でも絶妙なボールタッチでシュートまで持っていくものの、
いつもGKにシュートをぶつけて外してしまうというイメージの選手だった。

実際、セレッソがJ2に降格した2014年シーズンは、
攻撃の選手でありながら30試合で2得点しか挙げることが出来なかったわけだし。

ところが、昨夏のロシアワールドカップ以降のゴールラッシュを見て、
「オーストリアでプレーするようになって
随分とシュートが上手くなったなぁ」と思っていたものなんだけど、
この試合の南野は僕が知っているセレッソ時代の南野だった。

前半、見事な動き出しからオマーンのゴールに迫る場面はあったものの、
ことごとくシュートを外す南野。

結果的に試合に勝ったからよかったものの、
負けていたら戦犯として叩かれることも止む無しだったんじゃないだろうか。

大迫依存の顕著化

先日のトルクメニスタン戦後に大迫のケガの状態が悪化し、
この試合では武藤が先発するのではという報道が多く見られたけど、
蓋を開けてみるとCFの位置に入ったのは北川。

そもそも北川と大迫はタイプが違うので大迫と同じ役割を北川に求めるのは酷だけど、
それでも、最前線に構えるCFとしてシュート0というのはあまりにも物足りない。

トップ下の南野にパスが集まる一方で北川にパスが集まらない状況を見るあたり、
まだ北川がチームの信頼を得られていないようにも見える。

ただ、北川が試合に出ている時間帯は、
なんだかんだチームとしては良い攻撃が出来ていたのだけど、
北川に代わって武藤が入ってからは、
チームとしてもなかなかシュートまで持っていけなくなった。

このチームの攻撃は、大迫ありきで構築されていることを、
大迫不在の試合で改めて認識させられることになってしまったように思う。

一向に調子の上がらない柴崎

後ろのポジションに目を向けると、先日のトルクメニスタン戦から、
槙野に代わって遠藤航が入り、冨安がDFラインに下がった。

UAEに入ってから体調を崩し、トルクメニスタン戦を欠場した遠藤航だったけど、
この試合では中盤でのボール奪取から攻撃に繋げる場面も多くあり、
コンディションに問題は無さそうに見えた。

個人的に遠藤航という選手は、守備的なポジションであればどこでも出来ると言っても、
CBとしてやっていくにはサイズが小さいし、SBとしてやっていくには走力が無いので、
器用貧乏なイメージを持っていたのだけど、ベルギーでプレーするようになって、
すっかりボランチとして開眼した感がある。

また、トルクメニスタン戦ではぶっつけでボランチとしてプレーした冨安も、
本職であるDFラインで安定したプレーを見せていた。

しかし、この2人の良さは、
却って柴崎のコンディションの悪さを際立たせていたように思う。

時折、”らしい”パスは見せるものの、
やはり所属クラブで出場機会を失っているせいかプレーが安定せず、
昨夏のロシアワールドカップで見せていたような中盤の舵取りは出来ていなかった。

試合に出続けることでコンディションは上向いてくると思うけど、
これから対戦相手が強くなっていく状況で、
柴崎の調子が上がるのを悠長に待っている余裕は、今の日本にあるのだろうか。

グループF最大のライバル・ウズベキスタン

次戦の対戦相手はウズベキスタン。

今大会のウズベキスタンの戦いぶりをウォッチしているわけではないけど、
先日、日本がよもやの苦戦を強いられたトルクメニスタン相手に、
4-0と圧勝しているあたり、チームとしては日本より仕上がっているように思える。

オマーンに勝ったことで日本の決勝トーナメント進出は決まっているけど、
得失点差の関係で、ウズベキスタンに勝利しなければ、
日本のグループ1位通過は無いという状況で、
果たして、森保は次の試合でどう出ますかね。

日本10オマーン
’28 原口元気