【北米ワールドカップ アジア最終予選 日本vsサウジアラビア】望んでいた結果を得られたのはアウェイチームの方
サウジアラビア恐るるに足らず
先日、埼玉スタジアムでバーレーンを降し、
8大会連続のワールドカップ出場を決めた我らが日本代表。
予選を3試合残してワールドカップ出場権を獲得したのは素晴らしいことだけど、
ここからアメリカ行きの切符を掴むための熾烈な戦いが始まるので、
ホッと一息もついていられない。
上田と守田がコンディションを考慮して代表チームを離脱することになったけど、
代わりに出場する選手たちもヨーロッパで経験を積んでいる選手たちなので、
過度な心配は不要だろう。
今回の対戦相手であるサウジアラビアは、
国内リーグの隆盛とは対照的に代表チームが不振に陥っている状況で、
ワールドカップ出場に向けて後が無い状況で埼玉スタジアムに乗り込んでくるけど、
浦和美園のピッチに膝をつかせることは十分可能なはずだ。
豪州の真似をしてゴール前にバスを停めたサウジアラビア
本大会に向けたチーム作りが始まった日本代表のスタメン11人は以下の通り。

先日のバーレーン戦で先制ゴールを決めた鎌田が左のシャドーでスタメン。
また、現在の3-4-2-1の布陣を採用してからポジションを失っていた感のあった菅原が、
久しぶり(昨年のアジアカップのイラク戦以来かな?)に右WBのスタメンに入った。
試合が始まって驚いたのが、サウジアラビアが5-4-1の布陣でガチガチに守備を固めてきたこと。
現在グループCで3位のサウジアラビアは、
グループ最終節で2位のオーストラリアとホームゲームを残しているので、
この試合では勝ち点1でも持ち帰れれば御の字ということなんだろうけど、
2019年のアジアカップで日本相手に70%に迫るボール支配率を記録したサウジアラビアの姿は、
もうどこにも見当たらなかったね。
昨年の最終予選のオーストラリアとのホームゲームに続き、
守備を固めてくる相手を崩すというミッションに挑むことになった日本だけど、
オーストラリア戦と比べて決定的なチャンスはすぐにやってきた。
ただ、田中碧のスルーパスに抜け出した前田のシュートはクロスバーに阻まれると、
その後も、サウジアラビアのDFからボールをかっさらった前田が、
広大なスペースを独走するかに思われたが、勢い余ってボールを追い越してしまい、
もたついているうちにDFに戻られてしまった。
結果論を言えば、この2つのチャンスで前田が決められなかったことが、
この試合の全てだったと思うのだけど、あえて擁護するとしたら、
前線にスペースがある状況で良さを発揮する前田にとっては、
ベタ引きをするこの試合のサウジアラビア相手では持ち味が出にくかったように思う。
他にも久保が遠目から無回転ミドルを狙う場面はあったものの、これは枠を捉えれられず、
(っていうか、久保はこれを決められるようになったらもはや手が付けられない)
スコアレスで前半を折り返すことになった。
拙攻の影に見えた守の光明
後半にゴールが欲しい日本は、引き続きハーフコートで試合を進めるも、
久保のCKに遠藤がフリーで飛び込む場面を作り出すも、
ヘディングがミートし切れず、先制ならず。
流れを変えるべく、森保監督は後半17分に菅原と久保に代えて伊東と堂安、
後半28分には遠藤と前田に代えて旗手と古橋を投入するも、
GKの好守に阻まれるなど好機をモノに出来ず、結局スコアレスドロー。
カタールワールドカップのコスタリカ戦で、
引いた相手を崩し切れなかった教訓から採用された3-4-2-1の布陣だけど、
実力差がある相手なら守備をこじ開けられるけど、
オーストラリアやサウジアラビアといったアジアの中でもレベルの高い相手だと、
ブロックを崩し切れないという課題を再び露呈してしまったね。
ただ、そんな試合の数少ない収穫と言えば、3バックの右CBでスタメンフル出場した高井。
後半になってサウジアラビアがカウンターを仕掛けてくる場面が増えたけど、
長いリーチを生かした1対1で相手に自由を許さず、
攻撃面でも効果的な縦パスを入れ続けていた。
日本の将来のDFリーダーと目されていた冨安が、
故障続きで戦力として計算できない状況が続いているけど、
それでも入れ替わるように高井が台頭してくるあたり、
日本の選手層は厚いなと感心するばかりやね。
高見の見物なんて言ってられない
サウジアラビア相手にスコアレスドローに終わった日本だけど、
これで最終予選のグループCで首位が確定。
ただ、本大会のメンバーに選ばれるためのサバイバルはもう始まっているし、
本大会の抽選会で少しでも優位な組に入るためにFIFAランキングを上げなければいけないので、
消化試合なんてものは存在しない。
6月に対戦するオーストラリアとインドネシアは、
まだワールドカップの本大会の出場権を獲得していないので、
日本相手に何がなんでも勝ち点を獲得しようとしてくるだろうけど、
そんな相手にも怯むことなく日本の強さを見せつけて勝利して欲しいと思います。
日本0ー0サウジアラビア