【北米ワールドカップ アジア最終予選 日本vsバーレーン】3試合を残して掴んだ北米大陸行きの切符

引き分けで出場権を手にするつもりはない

インドネシア、中国をアウェイで立て続けに降した我らが日本代表は、
5ヶ月ぶりにホーム・埼玉スタジアムへ戻り、バーレーンとの一戦を迎えた。

引き分けでもワールドカップの出場権を獲得出来るという状況ではあるけど、
ホームの大観衆を前に引き分けを狙うなんてことはあり得ない。

バーレーンに勝利して史上最速でのワールドカップ出場を決め、
混沌を極めるグループCの他の試合を高みの見物といこうじゃありませんか。

同じやり方で何度も通用するほど甘くはないということ

2025年の日本代表の初戦に森保監督が選んだスタメンは以下の11人。

布陣は今回のワールドカップ予選ですっかりお馴染みとなった、
2列目の選手をWBに置く超攻撃的な3-4-2-1。

負傷で4ヶ月前のインドネシアと中国のアウェイ連戦のメンバーから外れていた、
上田と伊藤がスタメンに戻ってきたね。

バーレーンとは昨夏にアウェイで対戦して0-5で勝利を収めており、
よほどのことが無い限りホームで下手を打つことがないと思っていたので、
前半の早い時間に遠藤がゴールネットを揺らした時も、
「アウェイのゴールラッシュ再現か?」ぐらいにしか思わなかったのだけど、
この遠藤のゴールは直前の上田のハンドで取り消しに。

この日の日本は、WBからバーレーンのDFラインの裏へ斜めのパスを送る攻撃が多かったけど、
バーレーンがコンパクトな守備陣形を崩さなかったことで、
ボールは持てどもなかなかシュートまでいけない場面が続く。

その中でも久保や三笘に決定機が訪れるもこれを決め切れず、
結局、スコアレスで前半を終えることになってしまった。

まあ、同じ布陣で何度も戦っていればさすがに研究されてくるので、
最初は物珍しさで通用していた3-4-2-1も、マイナーバージョンアップは必要かもしれないね。

北米行きの切符を掴んだワールドクラスの2発

後半に得点を挙げたい森保監督は、ハーフタイムで守田を下げ、田中碧を投入。

ただ、この交代は戦術的な意味よりも、
負傷明けの守田のコンディションを考慮した意味合いの方が強く、
戦術的な意味で初めて動いたのは、
後半18分の堂安と南野に代えて鎌田と伊東という交代が最初だったと思う。

そしてその交代が見事に的中。

伊藤の縦パスを受けた上田が反転して久保に繋ぐと、
久保のパスを受けた鎌田が冷静にGKの頭上を射抜き、
後半21分についに日本に歓喜の瞬間が訪れる。

鎌田のシュートは、最初はループシュートだと思ったのだけど、よく見ると、
ボールを強くピッチに叩きつけて空中に浮かせる”エジルキック”と呼ばれるシュートで、
ワールドカップ出場権が懸かった大一番で、
これだけ難易度が高いプレーを選択できる鎌田の強心臓ぶりに驚愕してしまった。

日本を無失点に抑えることに重きを置いていたバーレーンに、
ここからゴールを奪いにいく力は残っておらず、あとは試合をクロージングするだけ。

ただ、そんな試合展開を良しとしなかったのが、久保建英。

ラ・リーガのレアル・ソシエダでも確固たる地位を築く23歳は、
後半終了間際の時間帯で得たCKの場面でショートコーナーを選択すると、
伊東からのリターンを受けてドリブルでペナルティエリアに進入し、
クロスを上げるふりをしてGKのニアを射抜くシュートで追加点を挙げてみせた。

わずかに空いたニアのコースに正確にシュート出来る技術もさることながら、
ゴールを決めた後ユニフォームを脱いでイエローカードを貰うところも含めて、
日本人っぽくなくてワールドクラスだなと思ったり。

トータルで見たらなかなか塩分濃度の高い試合だったと思うけど、
この試合で日本が挙げた2得点は、いずれも滅多に見られない高難度のものだったので、
この日埼玉スタジアムに訪れた観客は、
高いチケット代に見合ったモノを見られたんじゃないだろうか。

既にワールドカップのメンバー選考は始まっている

結局、試合は2-0で勝利し、
日本は次回のワールドカップのホスト国であるアメリカ、カナダ、メキシコを除き、
一番乗りでワールドカップの出場権を獲得。

まあ、ワールドカップの出場権を獲得出来たこと自体は喜ばしいことだけど、
何度もこのブログで書いているように、
日本はワールドカップ出場を決めて喜ぶ時代はとっくに終わっている。

ワールドカップでまだ見ぬベスト8、そしてその先へ。

来週の火曜日から始まる本大会の選考サバイバルを勝ち抜いて選ばれたメンバーであれば、
きっと我々に新しい景色を見せてくれるはずだ。

日本20バーレーン
’66 鎌田大地
’87 久保建英