【EAFF E-1 サッカー選手権 日本vs中国】内容に物足りなさも結果は順当

トップギアに入れるのはここじゃない

先日の香港戦で前半だけで4得点を挙げたジャーメインの活躍などで、
6-1で勝利を挙げた日本代表は、場所を同じくして中国代表との一戦に臨んだ。

香港戦から中3日の日本に対し、中国は韓国戦から中4日と、
コンディション面では中国に分があるけど、北中米ワールドカップ予選で対戦した時は、
ホーム&アウェイどちらでも快勝を収めている相手なので、気にとめるまでもないだろう。

香港戦で出番が無かった選手たちの活躍で蹴散らし、
開催国の韓国が待つ第3戦に向けて弾みをつけたいところだ。

期待だけで終わったゴールラッシュ

初戦に続きスタンドに閑古鳥が鳴くヨンインミルスタジアムのピッチに送り出された、
日本代表のスタメン11人は以下の通り。

香港戦からスタメンを全員入れ替えたことで、
長友、俵積田、原、佐藤とFC東京色が強い顔ぶれに。

特に、毎回代表に招集されるもののベンチ入りもしていなかった長友は、
前回のカタールワールドカップ以来の出場となったね。

試合は、ボールを保持しようとする日本に対し、
5バックでガチガチに守りを固める中国という、ワールドカップ予選でも見たような光景。

中国は、A代表もそうなんだけど、
5バックのポジションに人がいるだけでボールにチャレンジしてこないので、
簡単にペナルティエリアまで入っていけてしまうんよね。

すると、田中のくさびのパスを受けた細谷が反転してファーサイドにシュートを突き刺し、
前半11分に日本が先制に成功。

田中のパスはスピードがあってコントロールが難しいものだったと思うけど、
細谷らしい、これぞストライカーという身のこなしからのゴールだったと思う。

早い時間に先制したことで、ここから日本のゴールラッシュが始まるかなと思ったのだけど、
その後の日本のチャンスらしいチャンスは、枠に飛ばせなかった細谷のヘディングシュートと、
前半終盤に佐藤龍之介がGKとの1対1を決めきれなかった場面ぐらいと、
思いのほかケチャップの蓋は開かず。

失点してから中国が前からのプレスの強度を上げてきたことで、
思うようにパスが繋がらなくなったのもあったけど、
それ以上に追加招集された原をどう使うのかがチームとして共有できていないのか、
原がずっと試合から消えているのが気になったね。

守備面では、ワールドカップ予選で2得点を挙げているジャン・ユーニンが、
GK早川と1対1になるという絶体絶命のピンチを迎えるも、
この場面は、早川が見事な距離の詰め方でシュートを防ぎ、失点を許さない。

早川がJリーグで見せているパフォーマンスを日本代表でも見せた一方で、
攻撃陣には奮起を促したい前半だったね。

大型ウイングバックが試合を決める

後半に追加点を奪いたい日本は、ハーフタイムで原と田中を下げ、ジャーメインと稲垣を投入。

香港戦で結果を残した2人をピッチに送り込んだことで、
試合の流れが好転するかに思われたけど、
特に何かが変わることもなく、後半の時計の針が進んでいく。

まさか試合終了までこんな感じの試合を見せられるのかなと思っていたら、
俵積田が左サイドをドリブルで駆け上がった流れから右サイドの望月にボールが渡ると、
望月がカットインして左足で放ったシュートが中国の選手に当たって、
そのままゴールに入り、後半18分に日本に追加点。

正直、望月は町田でのプレーを見ててもなぜ代表に招集されるのかわからないんだけど、
中国が相手というエクスキューズはあるにせよ、この試合のパフォーマンスは良かったと思う。

その後、相馬や大関といったカードを切った日本に対し、
中国はなんと鹿島でもプレーしたブラジル人のセルジーニョを投入してきた。

セルジーニョは鹿島のマクドナルドで出くわして握手してもらったことがあるので、
個人的に親近感を持っていたりするのだけども、
セルジーニョを生かすことが出来る選手が中国にいないことが大きいのか、
鹿島時代にJリーグのチームの脅威となっていた左足は、
この試合では披露されることはなかったね。

その後、香港戦で試合終了間際にゴールを挙げた中村がピッチに投入されるも、
この試合では香港戦の再現とはいかず、そのままタイムアップ。

まあ、正直に言えばもっとゴールが見たい試合ではあったけど、
終盤には4バックも試すなど戦術的な確認も出来たし、
来週の韓国戦に向けて一定の収穫はあった試合だったんじゃないだろうか。

韓国に勝ったら優勝をいうわかりやすい大会

次戦は来週の火曜日に韓国と対戦。

コンディション面は1日韓国の方が有利だけど、
おそらく日本は香港戦のメンバーが中心になると思うので、問題はないと思う。

前回大会で韓国と対戦した時は、3-0で日本が勝利して優勝を飾っているので、
それもあって今大会は目の色を変えて優勝を狙ってくるだろうから、
そこを返り討ちにして自国開催の大会で大恥をかかせてやろうじゃありませんか。

日本20中国
’11 細谷真大
’63 望月ヘンリー海輝