【YBCルヴァンカップ グループステージ1節 ガンバ大阪vsセレッソ大阪】大阪ダービーであることを抜きに考えたら収穫のある敗戦

ピンク野郎、今年もよろしく

開幕戦の鹿島戦から中3日、ルヴァンカップグループステージの1節で、
我らがガンバ大阪はホームにセレッソ大阪を迎えた。

鹿島戦が色々と後味の悪い試合になってしまったので、
モヤモヤした気持ちは未だに晴れないところはあるけど、
かと言っていつまでも愚痴ってばかりはいられないので、
ホームでの大阪ダービーに勝利して胸のつっかえを取り除いて欲しいものである。

また、パナソニックスタジアム吹田にアウェイサポーターを入れて開催する大阪ダービーは、
2019年5月の大阪ダービー以来約3年ぶりだとか。

その3年前の試合で勝って以来、ホームでの大阪ダービーは3連敗中なので、
ここら辺で悪い流れを変えたいところやね。

ホームの観衆を閉口させたファーストハーフ

2022年シーズン最初の大阪ダービーに臨む青黒のスタメンは以下の通り。

なんと直近の鹿島戦から11人を全員入れ替えてきた。
GKの加藤なんてプレーしているところを見るのは初めてだ。

新加入の福岡を3バックの左で起用してきたことも興味深かったけど、
一番驚いたのは中村仁郎の右WB起用。

個人的に中村はシャドーかインサイドハーフの選手だと思っているので、
なぜこのポジションで起用したのか疑問なのだけど、
片野坂監督の中でもまだ誰がどんなプレーをするのか把握し切れてないのかね。

前半から試合の主導権を握ったのはセレッソ。

中央を固めてガンバの攻撃をサイドに誘導し、
サイドで囲んでボールを奪ってカウンターというセレッソの戦い方は、
昨年のルヴァンカップの準々決勝で対戦した時にも採用してきたものなのに、
昨年と同じようにまんまと術中に嵌ってしまうなんて情けない。

ボランチの山本と奥野が縦パスを供給出来れば、
サイドを囮にして中から攻めるということも出来るのだろうけど、
如何せん前線の選手(特にブラジル人2人)にパスを引き出す動きが乏しく、
ガンバのパス回しはピッチの左右を行ったり来たりするばかり。

ハーフウェイラインを超えることすらままならないガンバを尻目に、
カウンターから効率よくゴールに迫るセレッソは、
中村の不必要なファウルで得たFKから為田のバックヘッドで先制点を挙げると、
前半の終盤には右サイドの深い位置で時間を作った中原のパスから、
上門がゴールネットを揺らし、ガンバは前半で2点ビハインドを背負うことになってしまった。

前半の途中からWBの左右を入れ替えるなど戦い方を変えてきた片野坂監督だけど、
前半のガンバのチャンスらしいチャンスは、
山見がセレッソの横パスをカットしてドリブルで持ち込んでシュートした場面ぐらいで、
得点が入りそうな気配はまるでなく、後半に期待する要素は見当たらなかった。

反撃するも大きすぎた前半のハンデ

前半の低調なパフォーマンスを受け、
片野坂監督は後半頭からレアンドロ・ペレイラとウエリントン・シルバに代えて、
パトリックと柳澤を投入。

この交代により中村が本来の右シャドーにポジションを1列あげたのだけど、
ピッチで起こっている出来事に好転の兆しは無く、
セレッソにいつ3点目が入るかという試合展開が続いていた。

ところがそんな状況にも関わらず次にスコアを動かしたのはガンバ。

左サイドをドリブルで持ち上がった山見が上げたクロスは、一旦船木にクリアされてしまうも、
ペナルティエリアの外にいた山本がダイレクトで叩き込んでガンバが1点を返す。

鹿島戦の小野瀬のゴールに続き、2試合続けてゴラッソが飛び出したね。

このゴールの後にお役御免となった山本が倉田との交代でベンチに下がり、
さらに山見に代えて宇佐美がピッチに投入されると、
これまで低調だったガンバのパフォーマンスが突然好転する。

宇佐美がシャドーのポジションからふらふらと中盤に下がり、
ボランチの倉田からの縦パスを引き出す動きを見せると、
中央を固めてガンバの攻撃を外に逃がすセレッソの守り方が機能しなくなり、
まるで違うチームを見ているかのようにパスが繋がり始めた。

すると後半29分、右CKの流れからこぼれ球を回収した宇佐美がもう一度クロスを上げると、
柳澤がニアで合わせて、なんと試合を振り出しに戻してしまった。

ガンバを象徴する選手の一人である宇佐美の投入により、
大阪ダービーの戦況が好転するのはガンバサポーターとして嬉しいことだけど、
宇佐美がビルドアップに参加しないとパス回しがままならないのは、
ここ3年ぐらいずっと続いている傾向なので、いい加減改善したいところなんだけども。

しかしながら、この状況をセレッソの小菊監督が黙って見ているわけもなく、
シューターの上門に代えてスピードが武器の新井を投入すると、
勝ち越し点を奪うべく前がかりになったガンバの間隙を突いてガンバ陣に攻め入った新井が、
中原へ送ったラストパスがこの試合最後のゴールに繋がってしまった。

宇佐美と倉田が投入されて以降のガンバのパフォーマンスは、
とてもワクワクさせてくれるものだっただけに、
前半のあまりに低調な試合運びが悔やまれる試合だったね。

ピンクの次は赤

良い攻撃が出来た時間帯もあったので、この試合の収穫はゼロではないのだろうけど、
大阪ダービーでホーム4連敗なんてあってはならないこと。

次回のホームでの大阪ダービーは7月なので、
その時には勝利出来るようにチームの完成度を高めていってほしいと思う。

とは言え、5ヶ月後の話を今しても仕方ないので、
すぐに切り替えて週末のリーグ戦の準備に取り掛かってほしい。

大阪ダービーから中2日でアウェイの浦和戦なんて、なかなかヘビーな日程だけど、
ここら辺で今季初勝利を挙げておかないとズルズルと連敗街道に陥りかねないので、
埼玉から大阪に勝ち点3を持ち帰って欲しいと思います。

ガンバ大阪23セレッソ大阪
’7 為田大貴
’41 上門知樹
’59 山本悠樹
’74 柳澤亘
’84 中原輝