【明治安田J1リーグ2節 ガンバ大阪vsアルビレックス新潟】7ヶ月ぶりに訪れた凱歌の夕べ

半年以上勝っていないチームだということを忘れるな

試合終盤の宇佐美のFK弾で勝ち点1を拾った町田戦から1週間、
我らがガンバ大阪はパナソニックスタジアム吹田にアルビレックス新潟を迎え、
ホーム開幕戦に臨む。

宇佐美のFKがあまりにも見事だったのでうやむやになっているところがあるけど、
仙頭が2枚目のイエローカードを貰って退場になるまでは、
町田に押されて敗色濃厚の試合をしていたことを忘れてはいけない。

対戦相手の新潟は、アウェイで鳥栖相手に逆転勝利を収め、
良い形で松橋体制3年目のスタートを切っているけど、
相手の良さを消す戦い方を得意とする町田とは異なり、
自分たちの強みを生かす戦い方をしてくるチームなので、
同じ土俵の上で真っ向からぶつかって決着をつけて欲しいと思う。

11対11でも優位に試合を進めることが出来る

コールリードが下層に移ったことで、
ホームゴール裏の景色が変わったパナソニックスタジアム吹田のピッチに立った、
ガンバのスタメンは以下の11人。

前節の町田戦のスタメンから半田、ダワン、坂本が外れ、
松田陸、ネタ・ラヴィ、宇佐美が入った。

ボールを握りたがる新潟に対し、守備にストロングがあるダワンを外して、
鈴木とネタ・ラヴィというボールを動かせるタイプを2枚並べたのは意外だったけど、
それでも守備の強度は落ちることなく、
中盤でのボール奪取からカウンターの局面を多く作り出すガンバ。

前節の町田戦とは打って変わって、
数的同数にも関わらず主導権を握って試合を進めることが出来ていたけど、
新潟が前節の鳥栖戦から何人かスタメンを入れ替えたことで、
チームが上手く機能していないようにも見えた。

また、宇佐美の1トップ起用は試合前のネットニュースの通りだったわけだけど、
1トップで起用してもすぐに前線を留守にして中盤に下がってきてしまう印象があったので、
個人的には1トップでの起用は懐疑的だった。

ところがこの日の宇佐美は、サイドに開くことはあっても安易に中盤に下がらず、
そのうえ、山田が左サイドから上げたマイナスのクロスに対して、
ファーサイドから岸本が走り込んでシュートを放った場面では、
ニアサイドに走りこんでマイナスのスペースを空ける動きをするなど、
1トップの役割をこなしていたように思う。

まあ、個人的にJ1でNo1のGKだと思っている小島や、
新潟のDF陣の体を張った守りに阻まれてゴールを奪うまでには至らなかったけど、
宇佐美自身のコンディションの良さが随所に見えた前半だったね。

2週連続でゴールネットを揺らした背番号7

お互いに選手交代無く迎えた後半も引き続きガンバが試合の主導権を握るも、
前半に引き続き新潟のDF陣が集中力の高い守備を見せ、
なかなかゴールネットを揺らすことが出来ない。

そんな膠着状態を打破すべく、ポヤトスは松田陸と岸本に代えて半田と倉田を投入するも、
皮肉にもその直後にこの試合最大の決定機を迎えたのは新潟の方。

昨季、ACLで旋風を巻き起こした甲府の元10番・長谷川のスルーパスを受けた松田詠太郎が、
一森と1対1の状況に持ち込むも、一森が鬼神の如きシュートストップを見せ、
新潟にゴールを許さない。

ここで先制を許していたら間違いなく試合の流れが変わっていただけに、
チームを救ったビッグセーブだったと思う。

すると、ピンチの後にチャンスありとはよく言ったもので、
その5分後にCKのチャンスを迎えると、
宇佐美のCKがファーに抜け通って倉田に絶好のシュートチャンスが訪れると、
シュートモーションに入った倉田の軸足に新井がチャージしたとして、OFRの結果PKを獲得。

倉田がシュートを空振りしたように見えたので、
思わず「何やってんだ!」と頭を抱えてしまったんだけど、
あの体勢でシュート打つの無理だな。倉田よ、申し訳ない。

このPKは、宇佐美が小島にコースを読まれながらも、
力強いシュートを際どいコースに決めてゴールネットを揺らし、後半30分に待望の先制点。

やっぱりPKの基本はコースに力強くだよな、というのを再認識させられた、
宇佐美の2試合連続ゴールだったね。

その後、新潟はダニーロ・ゴメス、長倉、小見と次々に交代カードを切るも、
8分という長い時間が取られた後半アディショナルタイムも含め、
ガンバが上手く時間を使って逃げ切りに成功。

欲を言えば複数得点を挙げたい試合だったけど、
新戦力のウェルトンをデビューさせつつクリーンシートで試合を終えることが出来たので、
収穫の多い試合だったんじゃないだろうか。

次の勝利の瞬間は半年後と言わずに2週間後に

かくして2024年のリーグ初勝利をホーム開幕戦で挙げたガンバだけど、
リーグ戦の勝利で言えば昨年8月の湘南戦以来、
クリーンシートでの勝利となると昨年7月の京都戦以来なんだとか。

オフシーズンを挟んでいるとは言え、半年以上も公式戦で勝っていないなんて、
プロスポーツチームとしてどうなんだと思うところはあるけど、
試合後の宇佐美のインタビューの「本当にお待たせしました」という言葉からも、
選手たちも責任を感じていたというのは伝わってきたので、
次の勝利の瞬間は半年も待つことなく近いうちに見られるだろう。

ACLの日程の関係で次節のマリノス戦が4月に延期になってしまったので、
ガンバの次の試合は2週間後の磐田戦。

昇格組の磐田だけど、金曜日の夜の等々力で壮絶な打ち合いの末に川崎を下すなど、
エレベータクラブに甘んじている現状から脱却するぞという意気込みが伝わってくるので、
その勢いに飲まれることなく、ホームで連勝といきたいね。

ガンバ大阪10アルビレックス新潟
’75 宇佐美貴史