【北米ワールドカップ アジア二次予選 日本vs北朝鮮】7年ぶりの対戦を制して最終予選進出に王手

2024年3月22日

国内情勢抜きにあくまでもこれはサッカーの試合だ

アジアの頂への道筋が道半ばで途絶えたイラン戦から約1ヶ月半、
我らが日本代表は2026年の北米ワールドカップ出場に向けた戦いを再開した。

相対するは7年前のE-1選手権以来の対戦となる北朝鮮。

来週の平壌での試合は、ピッチ外で何が起こるか想像しづらく、
いつもと同じ精神状態で試合に臨めるとは限らないので、
千駄ヶ谷で開催されるホームゲームでは確実に勝利を収めておきたいところだ。

期待に反して1度しか揺れなかったゴールネット

ワールドカップ予選では12年半ぶりとなる北朝鮮戦に臨む、
日本代表のスタメン11人は以下の通り。

大迫敬介が日本代表に復帰したのでこの試合でスタメンあるかなと思っていたのだけど、
ゴールマウスを守るのはアジアカップから引き続き鈴木彩艷。

鈴木彩艷に期待しているのはわかるけど、
このポジションを聖域化するのは時期尚早な気がするが・・・。

まあ、もっともこの試合の前半は、日本がボールを保持する展開が長かったので、
GKの出番はほとんど無し。

堂安のマイナスの折り返しを田中碧が合わせ、前半2分という早い時間帯に先制した時は、
この試合は何点入るんだろうなと思っていたけど、
高まった期待値に反して前半に日本がゴールネットを揺らしたのはこの1回だけ。

左サイドでは、髪を伸ばした前田大然のキレのあるドリブルが光ったけど、
GKのカン・ジュヒョクが堂安との1対1を止めるなど集中力の高い守備を見せ、
最少得点差で試合を折り返すことになってしまった。
(日本代表の10番であればあれは決めて欲しかったが・・・)

この日の北朝鮮は、肘打ちやハイタックルなどのラフプレーが目立ったとは言え、
想像以上に組織立っているチームだったので、同じラフプレーを身上としてくるチームだったら、
下手したら中国代表より強いんじゃないだろうか。

難無くとはいかずも確実に勝ち点3を積み上げる

前半と同じメンバーを後半のピッチに送り出した森保監督に対し、
交代カードを2枚切ってきた北朝鮮のシン・ヨンナム監督。

すると、その効果はすぐにピッチに顕れ、
ハン・グァンソンがポスト直撃のシュートを放つなど、
前半には見られなかった攻撃を見せるようになる。

ハン・グァンソンって、イタリアの名門・ユヴェントスに在籍経験もあって、
北朝鮮の選手の中では一番世界を知っている選手だけど、
一時期、消息不明になって死亡説も流れたりしていた中で、
この試合で元気にサッカーをしている姿を見ることが出来たのは何より。

まあ、こういう実力のある選手が、
何の憂いもなく純粋にサッカーに集中できる世界になって欲しいものだけど、
所詮綺麗事なんだろうな。

後半になって北朝鮮に傾いた流れを引き戻すべく、森保監督は守田に代えて、
先週末のFAカップのマンチェスターユナイテッド戦で、120分出場した遠藤を投入。

正直なところアジア2次予選の段階であれば、
遠藤を起用しなくても難無く勝ってほしいところであるけど、
それでもロングボールを中心に試合を組み立てる北朝鮮の流れは変えられず。

結局、後半29分に堂安に代えて谷口を投入し、
5バックに布陣変更してようやく試合に安定をもたらすことが出来た。

攻撃面では、上田や前田大然に決定機が訪れるも、
いずれも決め切ることが出来ず、得点は前半2分の1点のみ。

なんだか失意のアジアカップを経て、
昨年の日本代表のモメンタムが弱まっている感は否めないけど、
この勝利で北米ワールドカップアジア最終予選進出に王手。

6月の2試合を消化試合にすれば新しい選手を試す事も出来るので、
次戦で最終予選進出を決めてほしいところだ。

この身勝手さこそならず者国家

冒頭で、「来週は平壌で試合〜」と書いたけど、
この記事を書いている最中に、平壌開催が中止になったとのニュースが入ってきた。

人食いバクテリアが日本で流行しているための防疫措置とのことだけど、
そんなものが流行っているなんて、今初めて知ったんだが。

先日、女子の試合も平壌での試合が直前に中止になって中東での開催に変更になったし、
こんなことが何回も繰り返されるようであれば、
AFCから北朝鮮に対して何らかのペナルティを科す必要はあると思うね。

まあ、何が起こるかわからない平壌で試合をするよりは、中立地開催の方がいいとは思うけど、
スケジュールが二転三転して一番負荷がかかるのは選手なので、
これ以上選手にしわ寄せがいかないようにJFAには毅然たる対応を期待したいね。

日本10北朝鮮
’2 田中碧