【明治安田生命J1リーグ26節 横浜FCvsガンバ大阪】13位のチームが10人で試合に勝てるほどJ1リーグは甘くない

失敗する可能性が低い道を選ぶのも一つの才能

アウェイでの横浜FC戦を控える我らがガンバ大阪から、
突如として飛び込んできた川﨑修平のポルティモネンセ移籍の報。

まあ、まだクラブから公式なリリースは無いので、
土壇場で移籍話がポシャる可能性も無きにしも非ずだけど、
ユースからトップに昇格した選手には、トップチームに定着して、
レギュラーとして活躍して欲しいのが本音。

しかしながら、現実問題そんなに上手くいく話でも無いので、
海外のクラブに買われていく選手がいるのは仕方がないと思っている。

マンチェスター・シティやユヴェントスなんかは下部組織で育てた選手を売って、
その移籍金を設備投資やトップチームの強化に充てているし、
優秀な下部組織を持つガンバも、
そのようなビジネスモデルを考える頃に来てるんじゃないだろうか。
(まあ、今のところビジネス的には全然上手くいってないけど)

ただ、日本人選手がヨーロッパに挑戦する足掛かりのクラブとして機能している
ベルギーのシントトロイデンに比べると、ポルトガルのポルティモネンセは、
格安で日本人を仕入れて高値で転売することが目的のように見受けられるので、
はっきり言って良いイメージは無い。

話によると、川﨑には5年契約で51億円もの違約金が設定されるとのことだけど、
J1で結果を残しておらず、ACLで格下相手にハットトリックしただけの選手が、
5年以内に50億円の値札が付く選手に成長するとは考え難いので、
下手すると5年間ポルトガルに幽閉されてしまう可能性もある。

個人的には、愛媛にレンタル移籍した唐山のように、
J2のクラブにレンタルして修行する方がいいんじゃないかと思っていたけど、
川﨑本人が行きたいって言うのであれば幸運を祈りたいね。

何も起こらない前半と思っていたら…

ミッドウィークの三ッ沢のピッチに送り出された青黒の11人は以下の通り。

対戦相手が最下位の横浜FCであることと、
中2日で大阪ダービーを控えているということを考慮してか、
前節のFC東京戦からスタメンを7人変更。

相変わらずパトリックはベンチ外だったけど、
前節、また故障したかに思われた藤春がベンチ入りしていたので、
その点については一安心したね。

かつての所属選手にゴールを決められることが多いガンバにとって、
横浜FCの最前線に構える渡邉千真の存在は不気味でしかなかったのだけど、
悪い予感ほど当たるとはよく言ったもので、キックオフの笛が鳴ってほどなく、
渡邉千真にDFラインの裏へ抜け出されると、
折り返しのパスを松尾に押し込まれ、ゴールネットを揺らされてしまった。

が、これはVARの審議の結果、オフサイドの判定となりノーゴール。

まあ、結果的にオフサイドを取ることが出来たけど、
横浜FCユース出身の小野瀬のボーンヘッドで、
DFラインにギャップが出来てしまったので、
もしオフサイドが取れていなかったら色々と疑ってしまうような場面だったね。

対するガンバも、東口のゴールキックを小野が頭で前方に流すと、
そのボールを拾ったチアゴ・アウベスがドリブルで持ち込んで、
ゴールネットを揺らしたけど、これもVARの審議の結果、
オフサイドの判定となりノーゴールに。

何だか両チームの攻防よりも、主審がイヤホンに指を当てて、
VARと交信している光景の方が印象に残るような前半で、
このまま何もなく前半が終わりそうだなと思っていたら、
前半アディショナルタイムに佐藤がマギーニョを倒して一発レッド。

後半45分を10人で戦うことになってしまっただけでも痛手なのに、
そのファウルで与えたセットプレーから失点してしまい、まさに泣きっ面に蜂。

普段、左CBのレギュラーを務めているキム・ヨングォンは、
DFとしての能力も然ることながらパサーとしても優秀で、
ビルドアップの起点になれる選手だけど、この日、左CBを務めた佐藤に、
韓国代表の主将と同じタスクを課すのは酷。

なので、この試合の佐藤に対しては、攻撃面には目をつむって、
最低限守る方をしっかりやってくれればいいやと思って見ていたのだけど、
その守る方でやらかしてしまうのだから厳しいと言わざるを得ない。

退場した後、神妙な面持ちでピッチを見つめる佐藤の姿が、
何度かTV画面に映し出されたけど、次のチャンスで汚名返上できるように、
猛省して明日からの練習に取り組んで欲しいと思う。

数的不利の中の前線も虚しく

前半終了間際に10人になり、さらに1点ビハインドを背負ったものの、
選手交代も無く、WBの小野瀬と黒川をDFラインに落として、
4-2-3のような布陣で後半に臨んだガンバ。

いくら相手が最下位の横浜FCだからと言って、
10人で追いついて逆転するのは厳しいなと思っていたら、
宇佐美のCKのルーズボールの落下点に素早く入った小野が頭で流し込んで、
なんと後半3分で同点に追いついてしまった。

まあ、この場面に関しては、宇佐美のシュートを顔面に食らった伊野波が、
治療のためにピッチの外に出ていて数的同数になっていたので、
そのチャンスを狡猾に生かした形になったね。

その後、数的有利を生かすため、サイドチェンジを多用してきた横浜FCの攻撃にも、
選手交代で布陣を5-3-1に変更して対応するなど、数的不利なりにも戦えていたので、
次のゴールもガンバに入る可能性は十分にあったように思う。

しかしながら、次にゴールネットを揺らしたのは横浜FCの方。

三浦がルーズボールをクリアし損ねると、
アンラッキーなことにボールがフェリペ・ヴィゼウの前に転がってしまい、
左足で豪快なシュートを決められてしまった。

まあ、結構ごちゃごちゃした場面だったので、三浦1人の責任では無いけど、
キャプテンなんだから失点して下を向くんじゃなくて、
手を叩いて味方を鼓舞してほしいところではあったね。

後半35分から再び1点を追うことになったガンバは、
井手口に代えて藤春を投入し、三浦を前線に上げてパワープレーを敢行。

すると、倉田のクロスに三浦がヘディングで合わせ、
後半アディショナルタイムに同点かと思われたけど、
これは横浜FCの新外国人GK、ブローダーセンのスーパーセーブに遭いゴールならず。

逆に、前掛かりになったガンバの自陣のスペースを突かれ、
安永にダメ押しのゴールを許してしまい、ジ・エンド。

Jリーグで横浜FCに初黒星を喫することになってしまった。

満員のスタジアムでなくても

横浜FCを叩いて、週末の大阪ダービーに向けて勢いをつけたいところだったけど、
45分も10人での戦いを強いられて、逆に疲れが溜まる試合になってしまった。

まあ、お隣も湘南相手に1-5とか言うショッキングな負け方をしているので、
土曜日はお互いに血色の悪い顔で対峙することになりそうやね。

コロナ禍により、スタジアムの入場者数に制限が掛かっていると言っても、
大阪ダービーの雰囲気は他の試合とは別物になるはず。

15連戦の13試合目ということで、選手たちはさすがに疲れているとは思うけど、
「この試合は特別だ」という雰囲気を、
スタジアムに駆け付けたサポーターが発することが出来れば、
選手の足は動いてくれると信じている。

横浜FC31ガンバ大阪
’45+5 アルトゥール・シルバ
’48 小野裕二
’80 フェリペ・ヴィゼウ
’90+8 安永玲央