【明治安田生命J1リーグ5節 ガンバ大阪vs大分トリニータ】再び鼓動し始めた我らがホーム

2020年11月1日

観客がいるということ

前節の清水戦の劇的勝利から中5日、
我らがホーム、パナソニックスタジアム吹田に迎えるは大分トリニータ。

観客が入った状態でトップチームのホームゲームが行われるのは、
2月のルヴァンカップのグループステージの柏戦以来、なんと約5ヶ月ぶり。

まあ、観客が入った状態と言っても、パナスタの収容人数が約4万人のところ、
上限5000人までしか入場できないので本来の姿からは程遠いのだけど、
スタジアムの雰囲気という観点で言えば、5000人と4万人の差と0人と5000人の差は、
後者の方が遥かに大きいように思う。

観客の数は少ないものの、一つ一つのプレーに巻き起こる拍手、
そしてパナスタ名物となった惜しい場面での「ウー!!」の掛け声は、
ピッチで戦う青と黒の戦士たちを鼓舞したことだろう。

新型コロナウイルスの感染者数は全国的に再び増加傾向にあるけど、
今回の有観客試合を足掛かりにして、
1日でも早くかつての我が家の姿を取り戻したいね。

だから恩返しはしなくていいって

前節の清水戦は4バックで戦ったガンバだけど、この試合では3バックを採用。

対戦相手の大分も3バックということもあり、
自分がマークする相手をわかりやすくする意図があったのかもしれない。

中盤の並びが違うので完全なミラーゲームでは無いのだけど、
ミラーゲームでは必然的に1対1の局面が増えるので、
個の力で勝る方が優位に試合を進められるというのがよく言われる話。

この試合でガンバが主導権を握ったのは、
上記の通説に例外は無いことを証明するものだったように思う。

前半から積極的な前線からのプレスで大分を自陣に押し込み、
何度も高木駿の守るゴールを脅かすガンバの姿は、
アタッキングサードでちんたらパス回しをしていた、
ここ数試合からは隔世の感を感じるものだった。

ところが、試合の主導権を握るものの、得点を奪えずにいると、
大分がワンチャンスを得点に繋げ、先制を許してしまった。

ボールウォッチャーになってしまい、
渡に前に入られた高尾の対応は褒められたものではなかったけど、
この渡のゴールをアシストした田中達也は常にこの試合のガンバの脅威だった。

一昨年のオフに熊本からガンバに移籍した田中達也は、
出場機会に恵まれず、半年でガンバから大分に新天地を求めることになったけど、
ガンバ時代は少ない出場機会で
そのポテンシャルの高さが垣間見えるパフォーマンスはしていたので、
敵に回すと怖い選手だということを失点という痛みを以って認識させられたね。

熾烈なFWのレギュラー争い

優勢に試合を進めていたところで先制を許し、嫌な流れになりかけたのだけど、
失点から4分後、小野瀬が得たPKを宇佐美が決め、
前半のうちに試合を振り出しに戻すことが出来たのが大きかった。

試合後の宇佐美のインタビューを聞く限り、
本来のPKキッカーはアデミウソンみたいだけど、
今季の宇佐美はまだ無得点ということもあり譲ってもらったみたい。

そのお返しとして、後半開始早々にアデミウソンのゴールをアシストし、
チームに勝ち越し点をもたらすのだから、宇佐美貴史は義理堅い漢だ。

ここ数試合は、スタメンで起用されている宇佐美とアデミウソンよりも、
途中出場のパトリックと渡邉千真のパフォーマンスが良いので、
後者の2人をスタメンで起用した方がいいのではと思う人も多かったと思うけど、
この試合での9番と33番のパフォーマンスは、
そんな周囲の雑音を振り払うに値するものだったように思う。

また、そのパトリックと渡邉千真にもこの試合でチャンスは与えられたのだけど、
3試合連続ゴールとはいかなかったものの、
やるべきタスクはこなしていた渡邉千真に対し、試合終盤にプレスバックを怠り、
後ろの選手に負担をかけるパトリックには不満を感じた。

気持ちにムラのある選手なので、
途中出場が多い現状に不満を感じているのかもしれないけど、
そんな少ないチャンスで与えられた仕事をこなせないようでは、
FWの4番手という現状を打破できないよ。

勝って兜の緒を締めよ

試合終盤に何度か危ない場面はあったものの2-1で逃げ切り、今季初の連勝。

試合を見ていて気になるところはあるけど、
5節を終えて3勝1分け1敗の勝ち点10って、
スロースタート仕様のガンバにとって、
ロケットスタートの部類に入るんじゃないだろうか。

先述のFWの熾烈なレギュラー争いに加え、
小野が早々にチームにフィットしたこともあり、インサイドハーフのポジションを、
倉田、井手口、小野の3枚でローテーション出来るのはポジティブな要素やね。

過密日程を考えると、福田にもう少し頑張ってもらって、
消耗の激しいWBのポジションも小野瀬、藤春、福田で
ローテーション出来るようになれば理想かな。

ポジション争いが激しくなれば宮本監督も良い意味で頭を悩ませるところだけど、
中3日で迎える次節のホームでの広島戦に向けて良い準備をして欲しいね。

ガンバ大阪2-1大分トリニータ
’33 渡大生
’37 宇佐美貴史
’48 アデミウソン