【明治安田生命J1リーグ24節 アビスパ福岡vsガンバ大阪】勝利の女神は焦らすのがお好きなようで

2022年9月1日

鉄は熱いうちに打て

2ヶ月ぶりのリーグ戦勝利を収めたアウェイ名古屋戦から中3日、
我らがガンバ大阪は新型コロナウイルスの影響で延期となっていたアビスパ福岡戦に臨むため、
博多の森に乗り込んだ。

昨季はガンバも新型コロナウイルスの影響で他のチームに迷惑をかけてしまったので、
あまり偉そうには言えないんだけど、先週金曜日の鳥栖戦から中4日と、
延期の原因を作った福岡の方が日程面で有利なのは何故なんでしょうね。

そう言えば、6月のホーム広島戦も、
何故か延期させられた側のガンバが不利な日程で試合をすることになったし、
何だか釈然としないのは僕だけだろうか。

まあ、名古屋戦で得た好感触を忘れないうちに試合が出来るメリットもあると思うので、
福岡とのシックスポインターズを制してとっととJ2降格圏からおさらばといきましょう。

シンプルな戦術にも熟練度というものはある

レベルファイブスタジアムのピッチに送り出されたガンバ大阪のスタメン11人は以下の通り。

累積警告で出場停止のダワンの代わり奥野がボランチに入ったのは予想通りとして、
名古屋戦の終盤にスーパーゴールで追加点を挙げた鈴木武蔵を、
ペレイラに代わってスタメンで起用してきた。

ただ、パトリックと鈴木武蔵の2トップはフィジカル的には脅威だけど、
2人ともテクニックという面ではそれほどでもないから、
試合の序盤はなかなか縦パスがトップに収まらず、
食野のドリブルぐらいでしか福岡のゴールに迫ることが出来なかった。

ペレイラを起用していればもうちょっと前線で時間が作れたかなと思ったけど、
ペレイラを起用すると他の選手の守備面の負担が増えるから、
どの組み合わせを選んでもデメリットはあるんだよな。

ガンバと同じ4-4-2の3ラインを敷く福岡は、右サイドのジョルディ・クルークス、
左サイドのルキアンを起点に東口が守るゴールに迫ってきた。

短い期間で4-4-2を浸透させた松田監督はさすがだなと思ったけど、
長谷部監督就任以降、3シーズンに渡って一貫して同戦術で戦っている福岡と比べると、
さすがに戦術の完成度は違っていて、ソリッドな守備から効率良くチャンスを作り出していた。

特に、右サイドでクォン・ギョンウォンが一発でファンマにかわされ、
ルキアンと前に立て続けにシュートを打たれた時は、「やられた!」と思ったけど、
いずれも東口が立ちはだかり失点を許さない。

結局、前半はスコアが動かず、0-0でハーフタイムを迎えることになったけど、
どちらかと言えば福岡優勢で試合を進めていた前半だったので、
ハーフタイムでテコ入れは必要だなと思わざるを得なかったね。

汚名をすすいだ背番号29

お互いに選手交代無く迎えた後半。

前半に比べて縦への意識が強くなったかな?と思ったけど、
基本的には前半と同じやり方を踏襲したせいか、
ファンマや山岸にヘディングシュートを許すなど、福岡ペースは変わらず。

松田監督はいつまでこの状況を許容するのだろうと思っていたのだけど、
その松田監督がようやく動いたのは、
両チームとも運動量が落ちてスペースが生まれ始めた後半28分のこと。

鈴木武蔵と食野に代えてペレイラとウエリントン・シルバを投入して試合を動かしにかかるも、
対する長谷部監督も古巣対戦となる田中達也や、ジョン・マリを投入し攻勢を強めてくる。

しかしながら両チームとも決め手に欠き、引き分けという結果も頭によぎり始めたところ、
後半アディショナルタイムにようやく歓喜の瞬間が。

食野との交代でピッチに入ったものの、トラップは足につかないわパスミスはするわで、
何しに出てきたんだ状態だったウエリントン・シルバが、
左サイドから低いクロスを送ると、これを左足で合わせたのはパトリック。

このシュートがゴールネットを揺らし、ガンバに値千金の決勝ゴールをもたらしてみせた。

名古屋戦に引き続き重要なゴールを決めたパトリックはもちろん素晴らしいけど、
このゴールに至る過程で一番素晴らしいプレーをしていたのは山本だと思う。

福岡のキャプテン・前の激しいプレスを剥がし、石毛とのワンツーで右サイドへボールを運び、
中央を走るパトリックへ”ここしかない”というコースへパスを通すという
一連のプレーが無ければ、この決勝ゴールは生まれていなかっただろう。

松田監督の初陣となった広島戦での体たらくのことは忘れるので、
次節以降もこの日のような素晴らしいプレーを見せて欲しいと思う。

九州勢との対戦で連勝と行こう

敵地で福岡を降して勝ち点3を上積みしたガンバは、勝ち点28とし13位に浮上。

まだまだ安心できる順位ではないけど、J2降格圏を脱したことはポジティブに捉えたいね。

次節の対戦相手の鳥栖には、5月に手痛い敗戦を喫しているけど、
ホームでの対戦成績は相性が良いので、勝って3連勝といきたいところ。

中2日での試合になるのでコンディション面が心配だけど、
次の試合が終わればまた中6日空くので、ベンチも含めた総力戦で臨んで欲しいね。

アビスパ福岡01ガンバ大阪
’90+4 パトリック