【明治安田生命J3リーグ13節 福島ユナイテッドvsガンバ大阪U-23】日程にもピッチにも試合にも勝った

2020年11月1日

サッカーは田んぼでやるものじゃない

芝生が剥がれて土がむき出しになり、
朝から降り続いた雨によりあちこちに水たまりが出来ているピッチは、
この試合の対戦相手は、福島ユナイテッドよりも、
このピッチになるんじゃないかと思わせるような劣悪さだった。

もうかれこれ20年近くJリーグの試合を見続けている僕だけど、
ここまで酷いピッチはちょっと記憶に無いレベルだ。

ところが、この試合を見る限り、ボールが不規則な動きをするような場面は無かったし、
U-23の選手たちがピッチの悪さに苦しんでいるようには見えなかったのは、
7月の岐阜戦でのボールが転がらないほどピッチが水を含んでいる
長良川競技場の経験が生きたんだろうか。

なんにせよ、この試合でU-23の選手たちが見せたプレーは、
どちらがこのスタジアムをホームとして使っているのかわからないレベルだったと思う。

強烈な個を抑えつつ同点を目指した前半

この試合のU-23のスタメンは、前節の相模原戦から2人変更。

松田の代わりに奥野が3バックの右に入り、
前節、奥野が務めていたインサイドハーフの位置には伊勢、
石川に代わってゴールマウスを守った福本はJ3リーグ初出場になったね。

個人的に、攻守のバランス感覚に長けた奥野のインサイドハーフはそのままで、
右CBに當間でも良かったかなとは思ったけども。

ルヴァンカップの湘南戦も含め、5試合負けなしの勢いそのままに、
この試合でも先制と行きたかったところだったけど、反対に前半2分で失点。

福島のチーム力は、秋田や熊本のそれと比べると落ちるけど、
福島の1トップのナイジェリア人FWのイスマイラの個は、J3レベルではチートだろう。

失点後は落ち着いて試合を進めていたU-23だけど、
森下監督がピッチサイドから再三「動け!」と叫んでいたように、
前節の相模原戦から中2日ということもあってか、全体的に運動量が上がらないところもあり、
イスマイラの一発で追加点を許しそうな危険性と常に隣り合わせの前半だった。

それだけに、前半アディショナルタイムのラストワンプレーで、
白井がスコアを振り出しに戻したのは、後半の反撃の呼び水としてすごく大きかったと思う。

至高のセカンドハーフ

前半終了間際に同点に追いついた勢いそのままに、
後半のキックオフの笛が鳴ると一気呵成に福島のゴールへ攻め込んだU-23の選手たち。

後半の最初のCKのチャンスで唐山がゴールネットを揺らして逆転に成功すると、
その5分後には、芝本がDFラインとGKの間に送った浮き玉のパスを、
ダイアゴナルで走り込んだ白井が合わせて3−1。

さらに後半24分には川﨑が5試合連続得点となるミドルシュートを叩き込み、
あっという間に試合の大勢は決してしまった。

この試合でU-23が挙げたゴールはどれも素晴らしいものだったけど、
ピッチを俯瞰しているかのような視野の広さでパスを供給する、
アンカー・芝本のゲームメイクには毎度惚れ惚れする。

そんなに上手くはいかないのはわかっているけど、
今のU-23の選手たちを見ると、トップチームでもやれるのでは?と
思わせてくれるような選手が何人もいるね。

「エーネロブル」や「俺たちが大阪さ」が聞こえてきそうな試合終了間際に、
1点返されてしまうあたりは、悪い意味で「らしいな」と思ったけど、
前節から中2日での試合ということを感じさせない内容を伴った勝利には、
非常に満足だったね。

セカンドチームであるがゆえのジレンマ

次節はホームで藤枝戦。

また中2日での試合なのでコンディション的にはタフな試合になるけど、
今は結果に加え内容もついてきているので、
選手たちもプレーをすることはそれほど苦じゃないだろう。

セカンドチームが優先すべきはJ3で上位に進出することよりも、
トップチームへの優秀な人材を供給することというのはわかっているのだけど、
試合を重ねるごとに成長の跡が見える若き青黒戦士たちが、
このチームでどこまで行けるのか見てみたいと思っているのはわがままですかね。

福島ユナイテッド24ガンバ大阪U-23
’2 池田昌生
’45+3 白井陽斗
’47 唐山翔自
’52 白井陽斗
’69 川﨑修平
’90+4 トカチ