【カタールワールドカップ アジア最終予選 日本vsベトナム】勝って気持ち良く終われ・・・ないのか

2023年1月1日

ホームである浦和美園に凱旋

先日、敵地でオーストラリアを破り、
7回目のワールドカップ出場を決めた我らが日本代表は、
イベントの観客上限数が解除された埼玉スタジアムに凱旋し、
カタールワールドカップアジア最終予選の最終戦となるベトナム戦に臨んだ。

消化試合とはいえ、
この試合はオーストラリア戦では無かった地上波でのTV放送もあるので、
今秋に控えたワールドカップ本大会に向けて、
大勢の観客、視聴者に期待を抱かせるような好ゲームを見せて欲しいものだ。

簡単な相手ではなかったベトナム

今回のアジア最終予選で東南アジア勢初勝を挙げたベトナムを迎え撃った、
日本代表スタメン11人は以下の通り。

オーストラリア戦でスタメンだったのは吉田と山根だけで、
残りの9人をガラッと入れ替えてきた。

オーストラリア戦で衝撃の2ゴールを挙げた三笘のスタメン起用は楽しみだけど、
4-3-3の布陣は、中盤の遠藤、守田、田中碧の3人ありきなところがあるので、
普段、一緒にプレーしていない選手たちが、
ぶっつけで合わせるのは難しいんじゃないかなと思ったね。

とは言え、ベトナムとの戦力差を考えると、
布陣の成熟度はそこまで問題にならないと思っていたので、
序盤から日本がポゼッション率を高めてベトナム陣に攻め込んだのは予想通り。

久保、原口、山根の右サイドが、
三笘、旗手、中山の左サイドに比べて機能していないように見えたけど、
日本が得点を奪うのは時間の問題かなと思っていた。

ところが、先に試合を動かしたのはベトナムの方。

ベトナムのCKの場面でゾーンディフェンスを敷く日本に対し、
ニアを捨ててファーサイドに人数を掛ける作戦が功を奏し、
吉田と中山の間に上手く入り込んだグエン・タイン・ビンが頭で合わせ、
なんとベトナムが先制。

先制を許した日本は、その後もベトナムのゴールを目指すも、
ベトナムの体を張った守りになかなか得点を奪うことが出来ない。

この試合のベトナムの布陣は5-4-1。

今回のアジア最終予選では、中国も5-4-1の布陣で日本に挑んできたけど、
ただ自陣に人だけ並べてベタ引きしていただけの中国に対し、
ベトナムは日本のボールホルダーに対してきっちりアプローチしてきたので、
中国に比べると崩すのは難しそうだなと印象を受けたね。

結局日本は前半で得点を挙げることが出来ず、
1点ビハインドのまま試合を折り返すことになってしまった。

吉田の奇襲攻撃のみで終わった反撃

1点を追う日本は、後半頭から旗手に代えて伊東純也を投入し、
布陣も4-2-3-1へ変更。

すると後半9分に、ベトナムのパスをカットした吉田が、
サイドに展開した流れでそのまま前線に駆け上がると、
原口のシュートのこぼれ球をストライカー顔負けの反応で押し込み、
日本が試合を振り出しに戻す。

この勢いのまま逆転を目指す日本は、柴崎、久保、原口に代えて、
南野、守田、そしてサッカー以外でも世間を賑わせている田中碧を投入。

そんな田中碧が後半26分にゴールネットを揺らした時は、
熱愛ネタを絡めた翌日のスポーツ新聞の見出しが想像できたけど、
このゴールは直前の南野のプレーがハンドだったとして、
VARのオンフィールドレビューの結果取り消しに。

その後も、谷口のシュートの跳ね返りを吉田が詰めたシュートだったり、
オフサイドの判定となった上田のシュートだったり、
惜しい場面は続くもゴールが遠い日本。

そして、試合終了が近づくにつれ、
TV画面越しでも日本相手の勝ち点獲得を期待するベトナムサポーターの、
ボルテージの高まりが感じられる埼玉スタジアム。

日本の選手がボールを持っても、
声出し応援禁止のルールを律儀に守っている日本サポーターに対し、
ベトナムの選手がボールを持つ度に声援を上げるベトナムサポーター。

まあ、いけないことをしているのはベトナムサポーターの方なんだけど、
日本で試合をしているはずなのに、
なんとなくアウェイのような雰囲気になっているので、
日本の選手たちはやりにくいんじゃないかなと思ってしまったね。

そんな雰囲気の中、日本は最後までベトナムのゴールを割ることが出来ず、
アジア最終予選の最終戦を勝利で飾ることが出来なかったね。

大の日本嫌いのパク・ハンソ監督にしてみれば、
会心の試合だったんじゃないだろうか。

前評判の高さと本大会の結果は比例しない

ワールドカップ予選が終わり、
いよいよ照準は本格的にワールドカップ本大会へ。

例年であれば、
ワールドカップ予選が終わってから本大会までは1年ぐらい間が空くものだけど、
今回は世界的な新型コロナウイルスの流行により、
サッカーの国際試合が出来なかった時期が長ったので、例年より準備期間が短い。

本大会までの強化スケジュールはまだ決まっていないみたいだけど、
本大会にチームのピークを持って行けるように、
JFAのマッチメイクに期待したいところやね。

日本11ベトナム
’20 グエン・タイン・ビン
’54 吉田麻也