【明治安田J1リーグ7節 北海道コンサドーレ札幌vsガンバ大阪】この日の札幌にいたのは昨シーズン16位のチーム

爆弾を爆発させずに新潟へ送ろう

スコアレスドローに終わった雨中の京都との対戦から中2日、
我らがガンバ大阪は北の大地へと飛び、北海道コンサドーレ札幌とのアウェイゲームを迎えた。

札幌といえばたくさん失点するけどそれ以上に得点を取るスタイルのチームだけど、
今季は得点が奪えないにも関わらずたくさん失点しているので、
その結果開幕から6戦勝ち無しで目下5連敗中と泥沼に嵌ってしまっている。

ガンバも連戦中にも関わらずケガ人続出で野戦病院状態なので、楽観出来る状況ではないけど、
札幌のような重症患者は新潟クリニックの人たちにお願いするとして、
我々は勝ち点3を北海道土産に次の戦いの地である横浜に向かいたいところだ。

半年前にこんなチームを見たような気がする

昨夏、0−4という大敗を喫した地である札幌ドームのピッチに送り出された、
ガンバ大阪のスタメンは以下の11人。

前節の京都戦からスタメンを7人変更と、思い切ったターンオーバーを敷いてきたポヤトス。

トップ下の山田の代役は、プレースタイルを考えれば石毛が最適だと思うんだけど、
京都戦で途中出場して良い動きを見せたからなのか坂本を起用してきたね。

今季未勝利の札幌と今季無敗のガンバの対戦と言うことだけど、
試合が始まってみると両者とも未勝利なんじゃないかと思うぐらい、
お互いに低調なパフォーマンス。

ガンバは、急造両SBの福岡と中野が良い意味で期待を裏切る動きを見せる一方で、
2人の前にいる倉田と食野の両ウイングが大ブレーキ。

ポヤトスが求めるウイングの主なタスクって、
タッチライン際の高い位置に張って相手のDFラインをピン留めするのと、
独力でサイドを突破してチャンスメイクすることの2つだと思うんだけど、
ユース時代から慣れ親しんだプレースタイルが抜けないのか、
足元でボールを受けて中央にドリブルで切れ込む動きを繰り返す2人。

それでゴールに繋がっているんだったら結果オーライだけど実際繋がっていないわけだし、
ポヤトスの下でプレーするようになって1年以上経つのだから、
そろそろ監督が求めるプレーが出来るようにならないと、
ケガ人が戻ってきたらベンチにも入れなくなってしまうよ。

結局、前半のガンバの決定機はポストを叩いたジェバリの直接FKと、
その流れで得たCKから福岡がゴールネットを揺らしたものの、
オフサイドで取り消された場面ぐらいで、流れの中からはほとんど札幌ゴールに迫れず。

鈴木徳真がいるのにセットプレーのキッカーが倉田だったり、
セットプレーの守備で鈴木徳真が15cmも身長の高い岡村のマークについていたりと、
ポヤトスの狙いがよくわからない采配もあったけど、
それでもスコアレスで前半を折り返すことが出来たのは、
ひとえに札幌の拙攻に助けられたからだろうね。

そして飛んで行った黒ひげ

後半に入っても愚直に右サイドからカットインを繰り返していた食野から、
坂本にスルーパスが通るも、坂本のシュートは菅野にセーブされ、先制に失敗。

その後、ポヤトスは食野に代えてウェルトンを投入すると、
それを見てペトロヴィッチが同時に切った3枚の交代カードで、
昨季までガンバに在籍していた髙尾がピッチに登場。

京都戦後の記事で、髙尾には敵に回したガンバの怖さを味わって欲しいと書いたけど、
その髙尾はピッチに入るやいなや右サイドを突破してチャンスメイクすれば、
セットプレーからフリーでヘディングシュートを放つなど、
ガンバ時代は得点力皆無だったのに恩返しゴールまで狙ってくるし、
生き生きプレーしていたのでなんか複雑だった。

すると、札幌に歓喜の瞬間をもたらしたのはそんな髙尾がいる右サイドからの攻撃。

髙尾の縦パスを受けた浅野に、黒川と中野の間を通されて長谷川にパスを繋がれると、
長谷川のクロスをファーサイドで宮澤に頭で合わされてしまい、先制点を献上。

福岡がニアでかぶっていたので難しいヘディングだったと思うけど、
こんな低調な試合展開を続けていればいずれ失点するよねという、
昨季の終盤に散々見せられた光景だったね。

まあ、1点ビハインドになったとは言え、
試合時間はアディショナルタイムも含めて20分程度あるので、
諦めるにはまだ早い時間帯だったけど、
ウェルトンのパワフルなドリブル突破がなぜかウェルトンのファウルになり、
さらに不可解なイエローカードまで貰ってしまうなど、ギアが上がらない。

試合終盤にはダワンを前線に上げたり、中野を右ウイングにポジションチェンジするも、
チームとしてどういう戦い方をするのかという意思統一が出来ず、
結局、反撃出来ないままタイムアップ。

札幌を黒ひげのポジションに置いた黒ひげ危機一髪ゲームは、新潟に順番が回ることなく、
ガンバが黒ひげを飛ばしてしまう結末になったね。

そして息つく暇も無く次の試合はやってくる

札幌に今季初勝利を献上したガンバの次の試合は、
ACLの日程の関係で延期となっていた3節のマリノスとのアウェイゲーム。

先月までのポジティブムードは何処へやら、
最下位の札幌に敗れたことで俄かに悲壮感が漂ってきたけど、
次の試合はガンバが中3日、マリノスが中2日と、
日程面で有利な状況で迎えるため、運動量や球際の部分で上回りたいところ。

札幌戦で課題となったウイングの運用がどうなるか気になるところだけど、
個人的には中野に継続してチャンスをあげてもいいと思うんだけど、どうだろうか?

北海道コンサドーレ札幌10ガンバ大阪
’73 宮澤裕樹