【全国高校サッカー選手権大会 1回戦 東福岡vs桐蔭学園】大会が開催されただけでも良しとする

やればできる子、日本テレビ

日本のサッカーカレンダーにおける年末年始の風物詩と言えば、高校サッカー選手権。

ところが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、
今大会を観戦出来るのは学校関係者及び選手の父兄のみとなり、
一般の観客は観戦できなくなってしまった。

僕の年末年始の最大の楽しみを奪われたことについては、正直、落胆しているけど、
そもそも開催できるのかという状況から開催にこぎ着けた経緯もあるので、
今年に限ってはプレー出来ること自体に感謝しなければいけないのかもね。

また、過去の大会では、放送時間枠の都合で試合を最後まで放送しなかったり、
試合中にCMを挟むなど、大会の主催者でもある日テレの中継スタンスに疑問があったけど、
なんと、今大会では日テレの高校サッカー公式サイトで全試合を無料視聴できるという、
日テレにしては珍しい「やればできる子」ぶりを発揮。

そう言えば日テレはACLの放映権も持っているので、
この勢いで来季のACLを地上波もしくは最低でもBSで放送出来るように、
努力してもらえるとありがたいです。
(来季のACLにガンバが出場するので)

炎の色は赤と青のどちらが熱いか

例年、大会のトーナメント表が決定すると、
1回戦はどのカードを見に行こうか迷うことが多いのだけど、
今大会では1回戦から東福岡と桐蔭学園という屈指の好カードが実現。

もし、今大会が一般の観客を入れての開催になっていたら、
僕は大晦日を等々力で過ごすことになっていただろうね。

そんな伝統校同士の一戦は、
前半から等々力のピッチに、両校のチームカラーの赤と青のコントラストが映える、
一進一退の手に汗握る攻防が続く熱戦。

東福岡と言えば、4-1-4-1の布陣から繰り出すサイドアタックというのがお家芸だけど、
この試合ではビルドアップ時にインサイドハーフの佐野が、
アンカーの松永の脇に下がってダブルボランチを形成したり、
リトリート時は4-4-2の布陣になったりしているのが印象的だった。

2015年度大会に選手権を制覇をしている東福岡だけど、前年度は選手権出場を逃すなど、
ここ数年は期待値ほどの結果が出せていないこともあってか、
これまでの慣習をマイナーチェンジして臨んでいるところもあるのだろうか。

対する桐蔭学園と言えば、3年前だったか、当時の監督が1,2年生を優遇し、
3年生を完全に試合から干したことで、チームが分裂した内紛劇が話題になったけど、
今の八城監督の下、攻守にバランスの良いチームを作り上げ、黒い過去を葬った感がある。

チャンスを確実にモノに出来るか否か

前半開始早々に佐野のミドルシュートが桐蔭学園のゴールマウスを脅かして以降、
決定的なチャンスが無かったこの試合。

そんな中、ビッグチャンスを迎えたのは桐蔭学園で、
CKからファーサイドに流れたボールから桐蔭学園のCB・青木がヘディングするも、
これは原に防がれ、さらにこぼれ球を本多が押し込むも、
これは野口にゴールライン上でかき出されゴールならず。

すると、ピンチの後にチャンスありとは良く言ったもので、
東福岡の左ウイングの青木がカウンターから左サイドを突破して中に折り返すと、
中央で待ち受けていた日高が技ありのループシュートを決めて、東福岡が先制。

日高は、前半終了間際にも鋭利なターンから追加点を決めるなど、
1トップの仕事を見事に果たしたと思う。

また、日高の1点目をアシストした青木は、U-17日本代表の肩書通りの活躍で、
左サイドからドリブルで再三チャンスメイクしていたし、
Jクラブからのオファーは無かったのだろうかと思うほどキレキレだったね。

赤い彗星の行き着く先は

後半は桐蔭学園が攻撃の圧を強めるも、東福岡のゴールを破ることが出来ず、
東福岡が勝利して2回戦進出。

サイド攻撃がクローズアップされがちな東福岡だけど、
187cmの野口と189cmの左座がゴール前に陣取る守備陣から得点するのは、
なかなかに至難の業だなと思わざるを得なかったね。

2回戦は常連校対決をPK戦で制して勝ち上がってきた作陽。

中1日での戦いになるけど、しっかりと回復して備えて欲しいね。

東福岡20桐蔭学園
’35 日高駿佑
’40+2 日高駿佑