【全国高校サッカー選手権大会 準々決勝 青森山田vs矢板中央】その憎たらしさこそ強者の証明

戦力と見合っていない戦い方

前々回の選手権を制し、今年度のプレミアEASTでも、
高体連のチームとして最高の2位という成績を残した青森山田。

スタメンに檀崎や三國を始めとする超高校級のプレーヤーが名前を連ねる様は、
わざわざ僕が説明するまでも無く今大会の優勝候補であることを窺わせる。

ただ、あくまで僕の個人的な嗜好に基づく意見ではあるが、
青森山田のサッカーは好きではない。

全国から才能のある若者を集めておきながら、
ロングボールやロングスローを多用したキックアンドラッシュで得点を奪い、
高校生離れした体格の選手を自陣ゴール前に並べて守備を固める戦い方は、
高体連最強チームのそれとは到底思えないからだ。

イングランドのプレミアリーグに例えると、
マンチェスターユナイテッドやリヴァプールのような強豪クラブが、
ボルトンやストークのような弱者のサッカーをやっているような感覚がある。

個人的に青森山田には、ロングスローのような飛び道具は使わずに、
対戦相手に胸を貸すぐらいの懐の深さで攻撃を受け止め、
真っ正面から寄り切っていくような横綱の戦い方をして欲しいのだけど、
いくら強豪校の選手とは言えど、高校生にそこまで求めるのはハードルが高いのだろうか。

黒田監督はどう考えているのか知らないけど、
選手たちの顔ぶれを見ると出来ると思うんだけどなぁ。

そんな優勝候補に噛みついたプリンス関東王者

個人的に今大会の優勝候補として矢板中央を推していた。

前年度の選手権でベスト4に入り、
激戦区の今年度の関東プリンスリーグで首位という成績を残した実力は、
選手権の優勝に値すると思ったからだ。

実際、草津東と大津が、全く歯が立たなかった青森山田相手に先制点を奪い、
終始攻め込まれる展開ながら粘り強く試合を進めていく姿は、
矢板中央がベスト4に進出する期待を抱かせるものだった。

しかし、結果はセットプレーから2失点を喫し逆転負け。

リードしている時間帯に2点目を奪えるチャンスがあっただけに、
そこで追加点を奪えなかったことがのちのち響いた結果になってしまった。

プレミアEAST昇格も逃し、選手権でも前年度より劣るベスト8と、
矢板中央にとっては不本意な終わり方の1年だったかもしれないけど、
最終節に前橋育英に敗れるまで関東プリンスリーグで無敗だったという事実は、
この新興校が着実に力をつけてきていることを裏付けるのに十分なもの。

来年度の彼らの挑戦に大いに期待している。

過密日程の終わり

12月31日から続いた狂気の連戦もこれで一区切り。

準決勝は12日なので、中6日のブレイクでリフレッシュした選手たちが、
本来の力を発揮してくれることだろう。

逆に言えば、アップセットは起きにくくなるだろうから、青森山田と流経大柏という、
見る前から塩試合になりそうな決勝戦が実現する可能性が高いけど、
尚志や瀬戸内にはそんな予想を覆してくれることを期待したいね。

青森山田21矢板中央
’14 眞島聖弥
’40二階堂正哉
’66二階堂正哉