【全国高校サッカー選手権大会 1回戦 前橋育英vs立正大淞南】プレミア勢とプリンス勢の対戦は前者の貫禄勝ち

2年連続で12月29日は三ツ沢へ

昨日開幕した高校サッカー選手権はこの日が1回戦。

1回戦だとまだシード校が登場していないので、
どこのスタジアムに試合を見に行こうか迷うところなんだけど、
この日は、前橋育英と立正大淞南の試合を見にニッパツ三ツ沢球技場へ。

高校年代最高峰のプレミアEASTに所属している前橋育英と、
プリンス中国に所属している立正大淞南とあって、
レベルの高い試合が見られるんじゃないかという期待があったのと、
スーパー1年生と評判の、前橋育英の平林と大岡を見てみたいという思いがあったからね。

両校ともチームカラーがイエローとあって、バックスタンドが黄色く染まった一戦は、
年の瀬と思えない暖かな正午すぎにキックオフの笛が鳴った。

序盤の勢いに飲み込まれず、中盤からの勢いで飲み込み返す

試合序盤から前橋育英がボールを握って押し込む展開になると予想していたんだけど、
相手の様子を見るように静かに試合に入った前橋育英に対し、
立正大淞南が強度の高い前線からの守備で襲いかかり、
今季の前橋育英で唯一昨年度の選手権を知るGK1番雨野が守るゴールに迫る。

そんな立正大淞南のインテンシティの高さに面を食らったのか、
前橋育英は単調なロングボールを前線に送る攻撃に終始し、
なかなか攻撃を組み立てられずにいた。

ただ、そこでズルズルいかないのが1年間プレミアEASTで戦ってきたチームたる所以。

今季、前橋育英のエースナンバー14を背負う篠崎を中心に中盤で試合を落ち着かせると、
中央に流れた10番山﨑と入れ替わるような形で右サイドに開いた7番石井から、
18番オノノジュにボールが渡ると、オノノジュのシュートがゴール左に突き刺さり、
前半18分に前橋育英が先制。

さらにその6分後には立正大淞南の選手のハンドで得たPKを、山﨑が決めてリードは2点に。

ただ、本来の前橋育英であれば、2点リードすれば盤石と言っても良いのだけど、
この試合では、相手を押し込んでいても不用意なロストからカウンターを食らい、
雨野の好セーブで難を逃れる場面も散見され、
どことなく危なっかしい試合運びをしているなという印象を拭えなかった。

まあ、試合運びの拙さに関しては、先述の平林をはじめ、オノノジュ、石井、3番の山田など、
例年のチームより2年生や1年生が多いというのも影響しているのかもしれない。
(大岡はベンチ入りしていなかったのが残念)

それでも失点することなくハーフタイムを迎えることが出来たので、
前半の出来は及第点と言ってもいいんじゃないだろうか。

2点リードを危険なスコアにしない地力

前半の中盤から苦しい戦いを強いられていた立正大淞南だけど、
そんな流れを変えたのは後半8分に投入された17番の永澤。

左サイドから再三ドリブル突破を試みて前橋育英の守備陣を撹乱すると、
左サイドから永澤があげたクロスに中央で合わせたのはこちらも途中出場の7番大西。

これがゴールネットを揺らし、立正大淞南が後半13分に1点を返すことに成功。

「2点リードは危険なスコア」とはサッカー界でよく言われる言葉だけど、
1点返されても前橋育英のイレブンは慌てることなく、逆にギアを入れ直してきた。

ペナルティエリアの右でファウルをもらってFKを獲得すると、
山田のFKの流れからポストに跳ね返って溢れたボールをオノノジュが押し込み、
後半25分にリードは再び2点に。

その後は危なげなく2点リードを守り切り、試合終了のホイッスル。

あと、個人的に注目していた前橋育英の23番平林だけど、
期待の選手として起用されているという感じではなくて、
年齢関係無くあのドリブル突破は普通に戦力だね。

まだ線も細いし、これからどういう成長曲線を描くのかわからないけど、
間違いなく才能に恵まれた選手なので、大切に育てていって欲しいと思う。

越年できるのはどの高校?

1回戦を突破した高校は、大晦日に行われる2回戦に進出。

前橋育英は、この日の第2試合で仙台育英を降した神戸弘陵との対戦になるけど、
仙台育英が思っていた以上に骨の無いチームだったことを差し引いても、
4得点を挙げた神戸弘陵の攻撃力は侮れないので、心して試合に臨んで欲しいね。

まあ、そういう僕は、年明けの等々力で黄色と黒のユニフォームが見られることに期待しつつ、
大晦日は柏の葉に行こうと思っていますが。

前橋育英3ー1立正大淞南
’18 オノノジュ慶吏
’25 山﨑勇誠
’53 大西侑磨
’65 オノノジュ慶吏