【明治安田生命J1リーグ9節 柏レイソルvsガンバ大阪】青黒のゼロ行進はいつまで続くのか

2021年4月12日

ゴールネットは揺れるのか

スコアレスドローに終わったホーム開幕戦の福岡戦から中3日、
今節、ガンバがアウェイで対戦するのは柏レイソル。

ここ数年のガンバにとって天敵と言えるほど苦手な相手だけど、
どういうわけか今季はここまで勝ち点4しか挙げることが出来ておらず、
深刻な不振に陥っている。

昨季のJ1得点王のオルンガが抜けた穴を埋め切れていないと言うけど、
江坂やクリスティアーノといったクオリティの高い選手たちはいるし、
新加入のブラジル人選手たちが合流すれば調子は上がってくると思われるので、
調子を落としている今のうちに勝っておきたいところである。

ただ、そのためには今季まだ1回も揺らすことが出来ていないゴールネットを、
揺らすことがマスト条件になってくるわけだけども。

放任の罪

今節のガンバのスタメンは、GKは東口、DFラインは右から髙尾、三浦、昌子、黒川、
中盤は山本とチュ・セジョンで、2列目は右にチアゴ・アウベス、左に倉田、
2トップにパトリックとレアンドロ・ペレイラの11人。

前節の福岡戦で藤春に代わって黒川がスタメン出場したのは、
ターンオーバーの一環だと思っていたのだけど、この試合でも藤春はベンチ外。

藤春については何も情報無いけど、ケガでもしているのだろうか。

ガンバは2トップにパトリックとレアンドロ・ペレイラという
長身の2トップを置いていることもあり、
必然的に自陣の深い位置から前線にロングボールを送り込む戦術を採用。

どういうわけか柏もこれにお付き合いしてくれて、
前半は一昔前のイングランドサッカーを思わせる
ピッチの右から左、左から右へロングボールが飛び交う試合だった。

ただ、前半の飲水タイム後から、江坂がガンバのバイタルエリアで起点を作って、
北爪と三丸の両サイドに展開する攻撃がハマりはじめ、
徐々に柏が好機を作り始める一方で、
ガンバはマイボールになっても前線の動き出しが乏しく、
ボールを後ろに下げざるを得ず、攻撃をスピードアップできない場面が目に付いた。

レアンドロ・ペレイラとパトリックって、
長身ストライカーという括りで言えば同じカテゴリーに入るけど、
大柄な割にスピードがあって前を向いた時の馬力が武器のパトリックと、
DFを背負ってボックス内で起点が作れるレアンドロ・ペレイラって、
厳密に言えばタイプは違うから、動き方を整理すれば共存は可能だと思うんだけどね。

「DF出身監督なので攻撃の構築が出来ない」とまでは言うつもりは無いけど、
宮本監督は攻撃を選手任せにしすぎなんじゃないだろうか。

どれだけ守備が固いチームでも起こり得るもの

先日の福岡戦では後半23分までスタメンの11人を引っ張った宮本監督だけど、
この試合では動きが早く、ハーフタイムにレアンドロ・ペレイラを宇佐美に交代。

その宇佐美は、柏の3バックの横のスペースに流れて上手くボールを受け、
攻撃の起点を作っていたので、
前半に比べると柏のゴールに近い位置でボールが持てるようになったけど、
宇佐美がいた前線のスペースに走り込む選手がおらず、
あまりチャンスに繋がらなかったように思う。

チアゴ・アウベスは宇佐美がサイドに流れてきても同サイドに留まったままだし、
山本も後半の早い時間帯に前線に飛び出す場面はあったものの、
継続して同じ動きが出来なかった。

チアゴ・アウベスと山本に代えて小野瀬と井手口を投入したのは、
その辺を改善する意図だったのかなと推察するけど、
その2人を投入した効果が発揮される前にCKの流れから失点。

柏にとって狙っていた形での得点では無かったと思うけど、
メインスタンド側のゴールポストの近くにいたのに、
ボールがこぼれてくると察してゴールの正面に回り込み、
腰を大きく捻ってニアサイドにシュートを放った
大谷の老獪なプレーは敵ながら見事だったね。

ただ、試合はアディショナルタイムも含めて残り15分強ほど残っていたので、
諦めるにはまだ早い時間帯だったけど、
今季まだ1得点も挙げることが出来ていないガンバにとって、
失点することはそれ即ち敗北を意味する。

1点ビハインドを背負ってから福田と一美を投入するも、
メンバー表の名前を書き変える以上の効果は発揮できず、
鬼門の日立台で今季も敢え無く敗戦を喫してしまった。

たこ焼きサッカーに終止符を

プロ野球解説者の福本豊は、甲子園の0が並んだスコアボードを見て、
実況席で「たこ焼きみたいでんなぁ」と呟いたことがある。

0行進が続く今のガンバの攻撃陣はたこ焼き機のようなものなのだろうか。

いくら大阪のサッカークラブだからって
そんなところまで大阪名物に寄せなくてもいいと思うけど、
次戦のアウェイ鳥栖戦では、たこ焼きにつまようじ(1)を差してもいい頃だろう。

柏レイソル10ガンバ大阪
’76 大谷秀和