【明治安田生命J1リーグ33節 サンフレッチェ広島vsガンバ大阪】記念試合クラッシャーも今は昔

行間を読まないガンバは見られるか

前節、ルヴァンカップ覇者の福岡にホームで敗れ、5連敗となってしまった我らがガンバ大阪。

J2降格圏にいる横浜FCが順調に勝ち点を重ねているため、
なかなかJ1残留が決まらない状況ではあるけど、
自力でJ1残留を決めるべく、広島広域公園へ乗り込んだ。

一方の広島も、ACLプレーオフ出場圏内の3位浦和との勝ち点差は2であることと、
30年使用したビッグアーチでの最後の試合ということもあって、
こちらも負けられない理由は揃っている。

今でこそすっかり見る影は無くなったけども、
かつて数々のクラブの記念試合で空気を読まずに勝利してきたガンバには、
往年の記念試合クラッシャーぶりをこのタイミングで発揮してもらいたいところだ。

前半11分で決着がついた試合

ガンバにとっても多くの思い出があるビッグアーチの最後の試合に、
ポヤトスが送り出した11人は以下の通り。

前節の福岡戦から福岡将太と石毛が外れ、代わりに佐藤とダワンが入ったけど、
3-4-2-1の布陣は継続なので、戦い方は前節と変わりないと思われる。

また、福岡戦ではベンチにCFがいなかったので、
終盤に運動量が落ちた鈴木武蔵を代えられなかったけど、
この試合ではジェバリがベンチに戻ってきているので、
背番号11をどのタイミングでピッチに投入するかがポイントだろうか。

そんな試合は、開始早々に倉田が遠目からシュートを放った時は、
良い試合の入り方が出来たかなと思ったんだけど、
まさかこのシュートがガンバの前半唯一のシュートになるとは・・・

その後は、広島にボールを持たれ、守勢を強いられる展開になると、
半田が前に出て空いたスペースを華麗な連携で崩され、
加藤のクロスから満田にヘディングで決められてしまい、前半9分にあっさりと先制点を献上。

ゴールを決められた後三浦が首をかしげていたけど、
右CBの佐藤がサイドにつり出されているのに、ニアサイドを誰もケアしていないなんて、
こっちが首をかしげたいぐらいだわ。

さらに、その2分後には、左WBの東のクロスを右WBの中野に決められ、
8月の湘南戦以来複数得点が無いガンバにとって、
致命傷と言ってもいい追加点が決まってしまった。

2点目の起点となった東のスルーパスをクリア出来なかった場面と言い、
10月のFC東京戦でディエゴ・オリヴェイラに決められた時の対応と言い、
佐藤はやっぱりスピードに難があって守備範囲が狭いのかね。

なんとか反撃に出たいガンバだったけど、
鈴木武蔵のパスから食野が大迫と1対1になった場面はあったものの、
これは食野のコントロールが大きくなって楽々とキャッチされてしまう。

その後は、広島の前線からの強度の高いプレスの前に、
ハーフウェイラインから出ることすらままならなず、
守備面では、5バック+ダブルボランチで守っているはずなのに、
なぜかスカスカな中盤で広島にやりたい放題やられたけど、
なんとか追加点は許さずにハーフタイムへ。

まあ、なんとかハーフタイムで修正して後半に攻勢に出たいところだけど、
前半のスタッツでシュート数が広島の15に対しガンバが1というのを見た時は、
もはや絶望感しか無かったけども。

昨季の青黒の将・松田浩はこの試合に何を思う

勝つためには後半に攻撃的に出ないといけないので、
4バックに変更してくるかなと思っていたのだけど、
前半と同じ顔ぶれをピッチに送り出したポヤトス。

そんな采配で試合展開が好転するはずもなく、広島のペースが続くと、
満田が中央で粘って繋いだボールを川村が前線の加藤につけると、
加藤の左45度からのカーブの欠けたシュートがゴールネットを揺らし、広島に3点目。

敵ながらファインゴールだったけど、加藤はガンバ相手に得点を挙げたところで、
移籍の経緯を考えると古巣のセレッソのサポーターには喜んでもらえないと思うけどな。

これを見てなのか、ようやく食野と倉田に代えてジェバリと山見を投入するも、
メンバー表の名前が書き変わっただけで試合展開に変化は無し。

それどころか鈴木武蔵がまたまたケガをしてしまい、
宇佐美と代わってベンチに退いてしまうなど悪循環は止まらない。

そんなガンバとは対照的に、広島のスキッベ監督は勝ちを確信したのか、
今季のリーグ戦で4分しか出場していなかった青山をスタメン起用しただけでなく、
その青山に代わって柴崎を投入したり、柏を投入したりと、
ビッグアーチ最後の試合でサポーターを喜ばせるために、
往年のベテランを起用する采配にシフト。

極めつきには、GKの大迫に代えて今季限りでの現役引退を表明している林が出てくるなど、
広島のレジェンドマッチに付き合わされているような状態に。

まあ、ガンバとしては完全に舐められているわけで、
ガンバの選手たちの反骨心に期待したいところだったけど、
その柴崎にゴールを決められそうになっているのだから、もはや救いようが無いね。

そう言えば、広島のレジェンドとして、
昨季、ガンバの指揮官に途中就任してガンバをJ1残留に導いた松田浩が、
この試合のゲストに来ていたみたいだけど、
松田さんはこの日のガンバを見て一体どう思ったんだろうか。

松田さんのサッカーは使い古された前時代的なものだったけど、
少なくとも今のガンバより、去年の今頃のガンバの方が、
選手全員の意図が共有されているように見えたけどな。

湘南の山口智監督から古巣へのプレゼント

別会場で湘南が横浜FCに勝利したことで、他力本願ながらガンバのJ1残留が決定。

さらに、最終節の対戦相手である神戸が名古屋に勝利してJ1初優勝を決めたので、
最終節のパナスタで神戸のJ1優勝とガンバのJ2降格を目の当たりにするという、
最悪のシナリオは避けることが出来たね。

まあ、どのみち最終戦後のセレモニーは荒れることが必至だろうけど、
こんなチーム状況にも関わらず最終節のチケットは売り切れているそうなので、
最後の最後に青黒の戦士たちの意地を見せて欲しいと思います。

サンフレッチェ広島30ガンバ大阪
’9 満田誠
’11 中野就斗
’53 加藤陸次樹