【明治安田生命J1リーグ25節 サガン鳥栖vsガンバ大阪】敗色濃厚の試合で勝ち点1をぶん取る

EXPOの熱狂を継続せよ

前節、GAMBA EXPOで満員御礼となったパナソニックスタジアム吹田で、
湘南ベルマーレを降した我らがガンバ大阪。

今節の対戦相手のサガン鳥栖は、現在調子を落としているので、
トップハーフを目指すのであれば確実に叩いておきたい相手だけど、
ガンバはアウェイの鳥栖戦を苦手にしているので、油断大敵という姿勢で臨みたいところだ。

画竜点睛を欠いた前半

8月最後の試合に臨むガンバ大阪のスタメン11人は以下の通り。

前節のスタメンから宇佐美とクォン・ギョンウォンが外れ、食野と佐藤が入った。

故障する前の佐藤は左CBで出場することが多かったけど、この日は右CBだったし、
右ウイングで出場する機会が多かった食野についても、左ウイングでの起用だったので、
この辺が試合前のインタビューでポヤトスが言葉を濁していた鳥栖対策なのかなと思ったけど、
正直なところどういう意図があるのかよくわからなかった。

キックオフ直後こそは鳥栖にボールを持たれる時間帯があったものの、
その後はガンバがボールを握って押し込む展開。

ダワン、アラーノ、ジェバリと立て続けに決定的なシュートチャンスを迎えるも、
ことごとく鳥栖の守護神・朴一圭が立ちはだかり、先制ならず。

前節の湘南戦でも、何度も決定機をソン・ボムグンに止められる場面はあったものの、
パスワークから完全に崩し切ってアラーノがゴールを陥れることが出来たので、
その再現といきたいところだったけどそんなに上手くはいかず。

それどころか前半の終盤あたりになってくると、
相手のゴール前で手数をかけすぎてシュートを打てない場面が散見されるようになった。

山本とネタ・ラヴィはこの日も中盤で欠かせない存在だったけど、
アタッキングサードに入ったらもっと自分でシュート狙っても良いと思うんだけどなぁ。

前半のほとんどの時間帯を鳥栖陣内で進めていたので、守備の機会こそ少なかったけど、
カウンターで手塚や楢原にあわやの場面を作り出されるなど、
気を抜いたらやられそうな雰囲気は確実にあった。

結果的にスコアレスでハーフタイムを迎えることになったけど、
有効な交代カードが少ないガンバとしては、
決定機を何度も作りながら前半のうちに先制できなかったのは痛恨だったと思う。

あれは強化指定選手時代の背番号37?

前半と同じ顔ぶれを後半のピッチに送り出したガンバに対し、
鳥栖の川井監督は堀米に代えて冨樫を投入。

それでも試合の流れは前半から変わらず、ガンバが優勢に試合を進めていたけど、
そんなガンバに一瞬のスキ。

自陣から右SBの原田が大きく前方に蹴り出したボールで、
黒川が長沼に一発で裏を取られてしまうと、冨樫に気を取られた佐藤のカバーが遅れ、
東口との1対1を制した長沼にゴールネットを揺らされてしまい、先制点を献上。
(福岡は相手ボールの状況であんなに前に出て何をしようとしていたのだろうか・・・)

一方的に相手を押し込んでいる状況で、ロングパス一発で裏を取られて失点するなんて、
まるで西野監督時代のガンバを見ているようで懐かしい気持ちになったわ。

まあ、失点はしたものの、まだ試合時間は残り30分以上あるので、
これまでの試合展開を考えると十分に同点、逆転を狙えるチャンスはあると思ったのだけど、
同点、逆転を狙って切ったジェバリに代えて宇佐美という交代カードが大悪手。

CFのポジションに入った宇佐美がボールを受けにズルズルと中盤に下がってくるものだから、
これまでジェバリが担っていた最前線で攻撃の起点になれる選手がいなくなり、
ゴールが欲しい状況なのにペナルティエリア内に選手が足りないという状況が頻発。

さらに、宇佐美が中盤に下がってきてパスミスをしても追わないものだから、
鳥栖の攻撃を中盤で食い止められずにDFラインと東口の仕事量が増加するなど、
一気に試合の状況が悪い方に傾いてしまった。

先制を許した時点で残り30分以上あった試合時間も後半アディショナルタイムに入り、
これは敗色濃厚だなと思っていたら、そんな不穏なムードを好転させたのも交代選手。

もう試合終了の笛が鳴ってもおかしくない時間帯で、
自陣の深い位置から山本が前線にロングボールを送ると、
原田に競り勝った鈴木武蔵が後方にフリックしたボールに、
しばらく見ないうちに茶髪になっていた山見が走り込む。

山見はこの日大当たりだった朴一圭との1対1を制し、
ガンバに土壇場で勝ち点1をもたらす同点ゴールをもたらしてみせた。

これまでベンチには入れても、ポヤトスが宇佐美と鈴木武蔵を優先して起用するので、
なかなか出場機会に恵まれなかった山見だったけど、ここにきて結果を出してきたね。
(まあ、鈴木武蔵はアシストで久々にチームに貢献したけど)

ポヤトスはチームの象徴の宇佐美が気持ち良くプレーすることで、
チームに大きなメリットをもたらすと考えているのかもしれないけど、
川崎戦で2得点に絡んだ石毛や、この日のガンバ唯一のゴールを決めた山見など、
結果を出している選手をもっと信頼してピッチに送り出して欲しいと思うね。

九州に飛んだ翌週に北の大地へ向かう

望んでいた結果ではなかったけど、
今季の序盤だったら勝ち点0で終わっていたであろう試合で、
しぶとく勝ち点1をもぎ取ったのはチームの成長と言ってもいいんじゃないだろうか。

そんなガンバが次節対戦するのは、
こちらも鳥栖と同様に最近調子を落としている北海道コンサドーレ札幌。

ただ、調子を落としていると言っても、今節は川崎相手に一時2点リードするなど、
相変わらず攻撃力はあるチームなので、守備意識を高く持って試合に臨みたいね。

個人的には、そろそろ背番号10のプレーが見たいと思っているのだけど、
筋肉系のケガからの回復にまだ時間がかかっているのだろうか?

サガン鳥栖11ガンバ大阪
’61 長沼洋一
’90+6 山見大登