【明治安田生命J1リーグ6節 ガンバ大阪vs横浜Fマリノス】トリコロールに正面から立ち向かった青黒

ガンバは消化試合が少ないから…はもう使えない

チーム内で新型コロナウイルスクラスターが発生し、
チーム活動休止に追い込まれたのは今年の3月の話。

その3月に消化できなかったリーグ戦を消化するために、
東京オリンピックによるリーグ中断期間を利用して組まれた過酷な連戦も、
この日のマリノス戦でようやくラスト。

変異株流入に伴う昨今の新型コロナウイルスの感染者の急激な増加を見ていると、
チーム内で再びクラスタが発生する可能性も無いとは言い切れないけど、
一時は、試合不成立で未消化試合が0-3の負けに化ける可能性もあっただけに、
ようやく他のチームと消化試合数が並んだことにはひとまず安堵。

ただ、今までは下の方の順位にいる理由を、
消化試合数が少ないことを言い訳に出来ていたけど、
マリノス戦が終わるとそれも出来なくなるので、
これからは順調に順位を上げていきたいね。

攻撃的布陣は勇敢か蛮勇か

目下2位につけるマリノスとの試合に臨んだ11人は以下の通り。

メンバーの顔ぶれを見て、直感的にこの試合は4バックだと思ったけど、
まさか中盤を菱形にしてくるとは思ってもみなかった。

中盤を菱形にすると、選手の配置でトライアングルを作りやすく、
常にパスコースを2つ確保できるので、ポゼッション面ではメリットがあると思う。

ただ、素早く3ラインの守備陣形が組めず、
前線とDFラインが間延びしてスペースが出来がちになってしまうので、
攻撃的なチームを相手に採用する布陣じゃないと思うんだけど、
そんな新布陣を、なんとリーグ屈指の攻撃力を誇るマリノス相手に採用してきた。

まさかマリノス相手に打ち合いをやろうっていうのか…
松波正信恐るべしだな。

ガンバの新布陣はマリノスのスカウティングにも無かったのか、
マリノスの選手たちも誰をマークしていいのか戸惑っているようで、
序盤に試合の主導権を握ったのはガンバ。

前半2分、左サイドから黒川が上げたクロスに、
レアンドロ・ペレイラがゴール前でヘディングで合わせるも、
これは惜しくもゴールポスト。

その後、ウェリントン・シルバが、
筋肉系のケガでパトリックと交代になるアクシデントはあったものの、
宇佐美のミドルシュートのこぼれ球にパトリックが詰める場面もあり、
あと少しでゴールを奪えそうな雰囲気は十分にあった。

ところが先制点を奪ったのはマリノス。

ペナルティエリア内でレオ・セアラに巧みなポストワークでボールキープされると、
エリア外に落としたボールをエウベルに豪快に叩き込まれてしまった。

昌子と倉田も体を投げ出してシュートブロックに行ったけど、
左ポストを跳ねてゴールマウスに吸い込まれたシュートは、
敵ながらコースもスピードも完璧だったね。

やはり最後は決定力

前半を1点ビハインドで折り返し、後半の反撃を期すガンバは、
いきなりマルコス・ジュニオールにゴールを許し、ビハインドは2点になるも、
その後、レアンドロ・ペレイラがペナルティエリアでファウルを受けPKを獲得。
(思いっきり貰いに行った感じだったけど…)

そのPKをレアンドロ・ペレイラが自ら決めて1点差に迫るも、
今度は水沼にゴールを許して再び2点ビハインドになってしまった。

CKのこぼれ球を拾った天野のクロスを肩で合わせた形だったけど、
その前のCKからポスト直撃のヘディングシュートを放ったのが杉本だったので、
なんとなくセレッソ相手に失点したような感覚になって妙に腹立たしかったね。

後半アディショナルタイムには、右サイドから上げた倉田のクロスから、
NOT HIS DAYと思っていたパトリックにゴールが生まれ、
1点差に詰め寄るも反撃はここまで。

大分戦の劇的勝利から始まった連勝も、3でストップしてしまったね。

体感的にこの試合のガンバの決定機の数は、
マリノスのそれとさほど変わらないと感じたんだけど、
決定機を確実に得点に繋げるマリノスと、
レアンドロ・ペレイラのPKでしかゴールを奪えないガンバの決定力の差が、
そのまま試合のスコアに表れてしまったように思う。

ただ、ここ数年のマリノス戦は、
「どうやってマリノスの攻撃を封じるか」という点ばかりを意識した、
逃げ腰の戦い方を選択することがほとんどだったのに、
この試合で、「多少攻められてもゴールを奪いに行く」戦い方を選択してくれたことは、
久しぶりにガンバ大阪の攻撃サッカーのアイデンティティを垣間見たような気がして、
負けはしたものの少し誇らしい気持ちになったね。

整いつつある戦力

次戦は中2日でアウェイ徳島戦。

相変わらずの息つく暇もないような過密日程だけど、
ここのところ自分たちより順位が下のチームにしか勝てていないので、
17位の徳島相手からは勝ち点3を獲っておきたいところ。

フィットしてきたウェリントン・シルバの故障の程度が気になるところだけど、
藤春や井手口、小野といった選手たちが戦列に戻ってきたので、
休んでいた分をこれからの試合では暴れてもらいたいね。

ガンバ大阪23横浜Fマリノス
’32 エウベル
’48 マルコス・ジュニオール
’56 レアンドロ・ペレイラ
’74 水沼宏太
’90+5 パトリック