【東京オリンピック 3位決定戦 メキシコvs日本】この敗戦を成長に繋げないとその涙は嘘になる

IOCメルダ

自国開催のオリンピックでのメダル獲得という目標を懸けて、
3位決定戦に臨む若き日本代表の対戦相手はメキシコ。

グループリーグの2戦目で対戦した時には勝利を収めたものの、苦しい戦いを強いられたので、
準々決勝、準決勝と2試合続けて120分の戦いを強いられて疲弊している選手たちにとって、
先月の25日の試合を再現させることは相当に難しいチャレンジになると思う。

日産スタジアムで行われる女子サッカー決勝の開始時間が、21時に変更になったことに伴って、
なぜか埼玉スタジアムで行われる男子サッカーの3位決定戦の開始時間が、
試合前日に18時に変更になるという、
全くアスリートファーストでないIOCの大会運営には辟易するばかりだけど、
選手たちにはそんな外的要因にもめげずにベストを尽くしてほしいものだ。

疲れない選手なんていない

53年前に開催されたメキシコオリンピックで、
日本が銅メダルを獲得した時と同じ顔合わせになった3位決定戦の日本のスタメンは以下の通り。

3日前のスペイン戦を累積警告で欠場した冨安が左CBに入り、
左MFが旗手から相馬に代わっただけで、残りの9人はスペイン戦と同じ顔ぶれ。

東京オリンピックが開催されている裏で、ガンバ大阪も中2日の連戦を戦っているけど、
試合ごとに5、6人選手を入れ替えながら試合をこなしていても、
選手たちに疲れの色が見えるのに、
東京オリンピックに臨んでいる日本代表は、
ほぼ同じメンバーで中2日の6連戦を戦っているのだから狂気の沙汰としか思えない。

特に初戦の南アフリカ戦からボランチのポジションで出ずっぱりの遠藤の疲労の色が顕著で、
メキシコの先制点に繋がるPKを献上しただけでなく、
その後のセットプレーの場面でもボールウォッチャーになってしまうなど、
明らかに僕らが知っている遠藤航ではなかった。

まあ、PKに繋がったファウルはペナルティエリアの外のようにも見えたし、
そもそも足がかかっていたのかも微妙だったけど、運動量の多いボランチのポジションで、
真夏に中2日の6連戦をこなすことがどれぐらい過酷なのか、
現役時代ボランチだった森保監督ならわかるものだと思うけどね。

また、決勝トーナメントに入ってから1点も取れていない攻撃陣は、
望み薄な攻撃しか繰り出せず、2点ビハインドをひっくり返せそうにもないまま
前半終了のホイッスルを聞くことになってしまった。

取り出すのが遅すぎたジャックナイフ

後半で2点ビハインドをひっくり返すには早い時間帯で1点返しておきたいところだったけど、
そんな状況で森保監督が最初に切った交代カードは相馬に代えて旗手というものだった。

前半の日本で唯一攻撃の突破口になりそうだったのが、
左サイドでの相馬の1対1だと思っていたのだけど、
その突破口を自ら塞いでしまった森保監督の采配には首をかしげざるを得ない。

サイドに張る相馬に対し、旗手はサイドから中央に進入するタイプの選手なので、
攻撃の目線を変えようとしたのかもしれないけど、
メキシコは中盤に3枚並べて中央の枚数を厚くしているのに、
わざわざそこから攻めようとするのは愚策としか思えなかった。

案の定、この交代策が上手くいくはずがなく、
1点を返すどころかまたしてもセットプレーから失点し勝敗は決したかに思われた。

ところがそんな状況で、1人気を吐いたのが、
3点ビハインドになってから中山に代えて投入された三笘薫。

自陣からドリブルで運んでそのままシュートに持ち込んだり、
上田へのスルーパスで好機を演出するなど、一気に日本の攻撃を活性化させると、
後半33分には左サイドからカットインすると見せかけて縦に突破して、
名手・オチョアのニアを射抜き、決勝トーナメントの日本唯一の得点を決めて見せた。

まあ、日本だけでなくメキシコも過密日程で疲れていたし、
3点リードしてギアを落としていたことも考慮する必要はあると思うけど、
普段、Jリーグを見ている人にはこれらの三笘のプレーはスペシャルなものではなく、
通常運転であることはわざわざ説明するまでもないだろう。

大会前に故障したことで、森保監督は三笘に信頼をおけなかったのかもしれないけど、
コンディションが万全でなくても我慢して起用していれば、
久保や堂安を万全なコンディションで決勝トーナメントに挑ませることが出来たはず。

また、三笘だけでなく、町田や瀬古を信頼して、
板倉をボランチのポジションで起用していれば、遠藤と田中碧を休ませることが出来たはず。

まあ、4位という結果は今の日本の実力を考えると妥当ものなのかもしれないけど、
チームマネジメントには改善の余地はあったんじゃないかと思えてならないね。

顔を上げろ、君たちはまだ若い

自国開催のオリンピックでのメダル獲得という目標を掲げていた若き日本代表の挑戦は、
惜しくも4位という結果に終わった。

クールなイメージがあった久保が、試合後に大粒の涙を流していたのが印象的だったね。

まあ、サッカーというスポーツにおいて頂点はワールドカップだし、
若い選手たちにはこれからのキャリアでこの悔しさを晴らす舞台はいくつも用意されるだろう。

特に久保に関しては、3年後のパリオリンピックの出場資格もあるわけだし、
この悔しさを味わった選手たちが、
今後、どのような成長曲線を描くのかも楽しみに見ていきたいね。

とりあえず、今はあまり先のことを考えずゆっくり体を休めて、
激闘の疲れを癒してほしいと思う。

メキシコ31日本
’13 セバスティアン・コルドバ
’22 ヨハン・バスケス
’58 アレクシス・ベガ
’78 三笘薫