【カタールワールドカップ アジア最終予選 サウジアラビアvs日本】中東の笛なんて関係なかった
難しい試合であることは百も承知
9月から開幕したカタールワールドカップアジア最終予選。
今回、日本が対戦するのは、日本が所属するグループBで、
オーストラリアと並んで最大のライバルとなり得るサウジアラビア。
サウジアラビアもこの試合を大一番と位置付けていたようで、
当初は設定されていたスタジアムの入場制限を撤廃して、
コロナ禍前を思い出させるような熱気に溢れた超満員のスタジアムを作り出し、
アウェイチームを迎え撃った。
対する日本も、ホームで行われた初戦のオマーン戦を落としてしまっているので、
これ以上勝ち点を取りこぼしてしまうと、ワールドカップ出場圏内の2位以内が厳しくなる。
ただでさえも難しい試合を強いられる中東のアウェイ戦だけど、
是が非でも勝ち点3を獲得したいところだ。
アジアカップで勝利した時のサウジアラビアではない
キングアブドゥラースポーツスタジアムのピッチに送り出された日本の11人は以下の通り。
![](https://pdnannex.com/wp-content/uploads/2021/10/20211008_日本代表.png)
堂安と久保がケガ、伊東が累積警告で出場停止と、
サイドの選手に離脱者が相次いだこともあってか、
本職ではない浅野と南野をサイドで起用せざるを得ない苦しい陣容。
(この状況でなぜ三笘が召集されていないのか理解に苦しむが・・・)
右サイドに入った浅野は、
サウジアラビアのストロングポイントである左SBのアルシャハラニの攻め上がりを抑えるなど、
不慣れなポジションなりに頑張ってはいたけど、
左サイドの南野はまるで存在感が無くピッチに漂っているだけ。
また、ひと昔のサウジアラビアは、堅守速攻の印象が強いチームだったけど、
フランス人指揮官のルナールに率いられた今のサウジアラビアは、
元監督のピッツィのもとで取り組んだポゼッションスタイルが色濃く残っていて、
この試合でも日本相手にボール支配率で大きく上回っていたね。
一昨年のアジアカップで日本がサウジアラビアと対戦した時は、
上手く相手にボールを持たせつつ、冨安がCKから挙げた1点を守りきって勝利したけど、
この日の日本には当時のような勝負強さは感じられなかった。
ボランチの柴崎は、日本がボールを握れる相手だとそのパスセンスが生きるけど、
守備の時間が長くなる試合展開だとどうしても穴になってしまうし、
何度か訪れた決定機を決めきれなかったように、
最前線の大迫にはかつてのような決定力は見る影も無い。
権田をはじめとした守備陣の奮闘でなんとか前半を無失点で終えることが出来たけど、
後半に向けて期待が持てるような前半とは言い難いものだったね。
負の連鎖は止まらない
後半に入っても低調な試合が続く日本は、後半14分に南野と浅野に代えて古橋と原口を投入。
この期に及んで古橋をサイドで起用しようとする森保采配には呆れるばかりだけど、
先月の中国戦で負傷し、
先週、所属クラブのリーグ戦で戦線復帰したばかりの選手を代表に招集するなんて、
幾ら何でも選手のコンディションに対する配慮が足りないんじゃないか。
神戸時代は活躍していてもなかなか代表に招集しなかったのに、
セルティックに移籍した途端酷使するのも理解に苦しむしね。
そんな行き当たりばったりの采配が功を奏すはずもなく、
引き続きサウジアラビアペースで試合が進むと、
柴崎が吉田に戻したパスが途中出場のアルブリカンにかっさらわれ、
そのままドリブルで持ち込まれて痛恨の失点。
この失点のすぐ後に柴崎は守田と交代になってしまった。
ミスによる懲罰なのかどうかは定かではないけど、
1点を追いかける状況で投入するのなら守田じゃなくて田中碧だったんじゃないだろうか。
結局、試合は後半26分に背負った1点ビハインドを最後まで跳ね返すことが出来ず、敗戦。
森保監督が最後に切った交代カードが長友に代えて中山という、
サイドバック同士の交代だったところからも、
本当にこの試合に勝つ気があったのだろうかと勘繰ってしまうような試合だったね。
もはやキャプテンだけが頼みの綱
次戦はホーム埼玉スタジアムでオーストラリアと対戦。
ここまでの日本の戦いを見る限り、
オーストラリアに勝てるイメージが湧かないというのが正直なところ。
しかしながら、日本が1998年のフランス大会から積み上げてきた6大会分の経験値を、
こんなところで手放したくはない。
「とにかく勝つしかない」と試合後に語った吉田の言葉が嘘じゃないことを、
来週火曜日の埼玉スタジアムで見せて欲しいと思う。
サウジアラビア1−0日本
’71 フェラス・アルブリカン