【カタールワールドカップ アジア最終予選 日本vsオーストラリア】意外と分厚かった森保一の首の皮

負けて欲しくはないが負けないと変わらないものがある

先日のサウジアラビア戦で敗北を喫し、
カタールワールドカップ出場権獲得に暗雲が立ち込めたことで、
森保監督解任論が俄然ヒートアップしてきたように感じる今日この頃。

そんな日本サッカー界の危機とも言える状況で対峙するは、
日本が所属するグループBの最大の強敵とも言えるオーストラリア。

ただ、今のオーストラリア代表は、2006年のドイツワールドカップで対戦した時と異なり、
キューウェルやヴィドゥカ、ケーヒルのような欧州のトップクラブに所属している選手はおらず、
ミッチェル・デュークやアダム・タガードといった、
Jリーグでもそれほど傑出した成績を残せていない選手でもメンバー入り出来る選手層である。

日本の選手たちが本来の力を発揮出来れば十分勝てる相手だと思うけど、
この試合に負けて森保監督が解任されて欲しいと思っている人が多いのも事実。

ジレンマを抱えたまま大一番に臨む日本代表には、
果たしてどんな結末が待ち受けているのだろうか。

結果的に試合を難しくした早い時間の先制点

2019年10月のモンゴル戦以来、
2年ぶりに埼玉スタジアムに戻ってきたA代表の11人は以下の通り。

サウジアラビア戦で精彩を欠いた柴崎と鎌田を外して田中碧と守田を起用し、
中盤の形を三角形から逆三角形に変更。

さらに、右ウイングには累積警告でサウジアラビア戦を欠場した伊東純也が戻ってきた。

これまでの日本代表の試合で4-3-3の布陣はあまり見たことが無いので、
アンカーの遠藤の脇のスペースを狙われて急造の布陣が瓦解しないか心配していたのだけど、
さっそく伊東が持ち前のスピードで右サイドを突破してチャンスを演出。

これは良い感じだと思っていたら、南野が左サイドから上げたクロスが、
手前のアーバインに当たってコースが変わり、逆サイドに流れると、
その先にいたのは右のインサイドハーフに入っていた田中碧。

難しいバウンドのボールだったと思うけど、
ワンタッチでシュートできる位置にコントロールすると、
ファーサイドのサイドネットにシュートを突き刺してみせた。

先日まで所属していた川崎や、東京オリンピック代表チームでは、
主にゲームメイクの役割を担っていたので、ゴール前に顔を出す頻度は少なかったけど、
「たくさんゴールを獲りたい」と発言していたように、
本来この田中碧という選手は攻撃的なボックストゥボックスタイプの選手。

ここ数日、日本を取り巻いていた鈍重な雰囲気を振り払うような先制ゴールは、
その片鱗を如何なく発揮したものだったね。

ただ、前半8分という早い時間に先制したものの、ここからの戦いは良くなかった。

リードしているので無理に前に出る必要が無いという判断だったのか、
オーストラリアのDFラインにプレッシャーを掛けていたのは伊東ぐらいで、
他の選手たちは攻守両方に於いて、
各自のポジションを乱さないように慎重にプレーしているように見えた。

それでもカウンターから何度か決定機を演出することは出来たけど、
結果的にここで追加点を奪えなかったことが、
後半の難しい戦いに繋がってしまったことを考えると、
先制した後もプレスの強度を緩めずに2点目を奪いにいくべきだったように思う。

最後に日本に微笑んだサッカーの神様

両チームとも選手交代無く迎えた後半。

伊東が右サイドから上げたクロスに走り込もうとした南野が、
ペナルティエリア内で倒される場面はあったものの、結局PKは獲得できず、
スコアは日本の1点リードのままで時計の針は進む。

ただ、DAZNで解説していた戸田が指摘していたように、
オーストラリアの右サイドからのビルドアップに長友が食いついてしまい、
長友の裏のスペースを狙われるという場面が前半から散見されていたのだけど、
この問題に対し何も修正が入っていないのが気になっていた。

すると、後半20分にまさにその形からオーストラリアに日本の左サイドを破られると、
ボイルのクロスに走り込んだフルスティッチが守田に倒されPKの判定。

VARレビューの結果、ペナルティエリアの外だったとして命拾いしたかに思われたけど、
ゴール正面の短い距離のFKをフルスティッチに叩き込まれ、
後半24分にスコアを振り出しに戻されてしまった。

明らかにペナルティエリアの外だったのにPK判定したり、
一度決めた壁の位置を後ろに下げたりと、
この試合のオーストラリアは12人いるんじゃないかと思ってしまったけど、
FKに関してはあのコースしかないというところに蹴り込んだ見事なものだったね。

スコアを振り出しに戻された日本は、浅野や柴崎を投入して勝ち越しを目指すもゴールが遠く、
後半開始前には笑顔が見られた選手たちの表情は徐々に焦りの色が濃くなっていた。

万事休すかと思われた後半41分、
最終ラインの吉田からのロングフィードを左サイドで受けたのは浅野。

角度的に厳しい位置だったけど構わずにシュートを放つと、
手前にいたセインズベリーに当たって絶妙なループシュートのような軌道に。

GKのライアンが手に当てるも弾き出すまでには至らず、
右ポストに当たって跳ねたボールはさらにベヒッチに当たって、
ピンボールのようにゴールマウスに吸い込まれていった。

このゴールが決勝点となり、日本は土壇場で勝ち点3を獲得。

森保監督の解任の危機を救ったのは、
森保監督にサンフレッチェ広島時代から師事していた浅野だったことに、
なんだか不思議な縁を感じるね。

一度死んだものと思って開き直れ

オーストラリアに勝って勝ち点を6に伸ばした日本だけど、
まだまだ苦しい状況であることに変わりはない。

とりあえず来月のベトナム戦、オマーン戦の2試合は勝ち点6獲得が必須で、
可能な限りゴールを奪って得失点差でも優位に立ちたいね。

日本21オーストラリア
‘8 田中碧
’69 フルスティッチ
’86 オウンゴール