【YBCルヴァンカップ 決勝 名古屋グランパスvsセレッソ大阪】おめでとう名古屋グランパス

2022年7月31日

今日だけはグランパスサポーター

快晴の埼玉スタジアム。
やっぱりリーグカップの決勝はこうでないと。

昨季の決勝は、大会前に柏のチーム内で新型コロナウイルスのクラスターが発生し、
今年の1月4日に順延されたので、本来あるべき時期に決勝戦が行われるのは2年ぶりのこと。

新型コロナウイルスの感染者数も少ない数字で推移しているし、
スタジアムの姿も本来あるべきものに戻りつつあるね。

我らがガンバ大阪の今季のリーグカップは、準々決勝で敗退しているので、
ガンバサポーターの僕にとってこの日の決勝は第三者の立場なのだけど、
秋晴れの空の下、国内サッカーの最高峰の戦いを楽しみたいという理由で、
浦和美園に足を運んだ。

…というのは建前で、本音は、
タイトルを逃して項垂れているピンクの選手たちをm9(^Д^)プギャーしたいという、
不純な理由である。

と、言うわけで、今日だけは身も心もグランパスの赤と黄に染めて、
名古屋の勝利のために声を一つに闘おうと思う。

来るべき時に備えて耐える

名古屋はマテウスと相馬、セレッソは乾と坂元。

両チームともサイドで違いを作れる選手がいるので、
サイドの攻防で主導権を握った方が有利になるかなというのが、個人的なこの試合の展望。

両者は3日前の天皇杯の準々決勝でも対戦していて、
その時は3-0でセレッソが勝利を収めたけど、
この試合の立ち上がりに攻勢を強めたのは名古屋。

得意のサイド攻撃でキム・ジンヒョンの守るゴールに攻め入ったけど、
徐々にセレッソがボール支配率を高めて試合の主導権を握る。

それを受けて名古屋のフィッカデンティ監督は、
セレッソのポゼッションの時は右SBの宮原を中央に絞らせて、
空いた右SBのスペースにマテウスを下げて5バックにして守っていた。

カップ戦の決勝ということで慎重になるのはわかるが、
Jリーグ屈指のドリブルと左足を持つマテウスにそんな守備的な役回りを任せるのは、
いくらなんでも慎重すぎやしないだろうかと思ったけど、
絶対に失点しないというフィッカデンティの執念のようなものも感じられたね。

対するセレッソは、前半、6割近いボール支配率を記録したけど、
放ったシュートは名古屋と同じ3本。

前回セレッソがリーグカップを制覇した2017年シーズンの時は、
ソウザという強烈なボランチがいたので、
サイドを封じられても中央からでも崩せるチームだったけど、
今のセレッソはサイド攻撃を封じられるとどうも手詰まり感があるように見えるね。

対する名古屋の攻撃も、古巣との対戦となる柿谷のオーバーヘッドぐらいしか見せ場は無く、
お互い、後半に向けてハーフタイムでどのように修正してくるか注目と言ったところか。

名古屋を動かしたもの

ハーフタイムで動いたのは前半を優位に進めていたセレッソの方で、
トップの位置で起用されて然したる仕事が出来なかった山田に代えて清武を投入。

ところが、先にチャンスが訪れたのは選手交代を行っていない名古屋の方で、
相馬が松田陸の背後のスペースを取って左サイド深くに進入しCKを獲得。

相馬のキックを、ニアで柿谷が僅かに触ってコースを変えると、
ファーに詰めていた前田が決めて名古屋が先制。

背番号を確認できなかったので誰かわからなかったのだけど、
このCKの前に名古屋の選手がゴール裏を煽って、
名古屋サポーターの手拍子の音量が一気に上がったんよね。

そんなスタジアムのボルテージが上がった中で決まったゴールということで、
コロナ禍で声出し応援が出来なくなって久しいけど、
声が出せなくてもサポーターが作り出す雰囲気で、
選手に好影響を与えることは可能だなと思った場面だったね。

1点ビハインドになったことで、
加藤に代えて大久保を投入して攻勢を強めようとするセレッソに対し、
名古屋は先制点の立役者である相馬と前田をスッパリと代え、
齋藤学と長澤を投入して4-1-4-1の布陣へシフト。

すると後半34分、
疲れの見えた柿谷に代えて投入されたばかりのスヴィルツォクがボールを奪うと、
齋藤と2人で強引に前線にボールを運び、シュートを放つ。

このシュートのこぼれ球を、
インサイドハーフにポジションを上げていた稲垣が抑えの利いたシュートで叩き込み、
名古屋が待望の2点目をGET。

その後もセレッソは反撃するも、
今季、幾度となくクリーンシートを達成してきた名古屋の守備陣にとって、
2点リードはもはや大量リード。

最後は木本に代えて森下を投入して5バックにシフトし、試合のクロージングにかかるなど、
マッシモ采配は最後まで冴えわたり、
名古屋のトロフィールームに初めてリーグカップが飾られることになったね。

この舞台で本当に見たいのは鯱でも桜でもない

試合後、この試合のMVPに輝いた稲垣がインタビューで話していたように、
名古屋は、ここ2週間で目標にしていたACLと天皇杯のタイトルを失い、
モチベーション的に苦しい時期を過ごしていたと思う。

それだけに、今回のリーグカップを獲得したことで、
2021年シーズンはひとまず成功のシーズンだったと記憶されるだろうね。

表彰式で名古屋の選手たちの喜ぶ姿を、
悔しそうな表情で見つめる乾の姿が大型モニターに映し出されたことで、
僕のこの試合の観戦目的はひとまず達成されたけど、
本当の意味での本音は、ガンバの試合でこの舞台に来たいということ。

それを達成するためにも、1日でも早く今季のJ1残留を決めないとね。

名古屋グランパス20セレッソ大阪
’47 前田直輝
’79 稲垣祥