【明治安田生命J1リーグ34節 横浜F・マリノスvsガンバ大阪】フロンターレのために勝ってあげたわけじゃないんだからね!
あるべきスタジアムで戦った最後の試合
我らがガンバ大阪の今節のカードは横浜F・マリノスとのアウェイゲーム。
思えば、日産スタジアムでのマリノス戦は昨季の開幕戦以来か。
倉田と矢島のゴールでマリノスを1−2で降し、
ガンバに9年ぶりとなる開幕戦の勝利をもたらした試合以降、
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、スタジアムの姿は一変してしまった。
あれから約1年8ヶ月経っても、
未だに我々は制限が設けられた状態での応援を強いられているけど、
昨今の感染者数減少に伴い、この日の日産スタジアムには久しぶりにアウェイ席が設けられ、
さらに来季からJリーグ全体で入場者制限の上限を撤廃出来るように訴えかけていくとのこと。
まあ、来季から完全に元通りなんて、そんな上手いことはいかないと思うけど、
我々が愛した日常が徐々に戻りつつあるのは喜ばしいことやね。
これは公開守備練習だろうか
文化の日の日産スタジアムに送り出された青黒の11人は以下の通り。
8月にホームで対戦した時は、J1屈指の攻撃力を持つマリノスに対して、
菱形の中盤を採用して真っ向勝負を挑んだ松波監督だったけど、
この試合ではオーソドックスにフラットの4−4−2を採用。
DFラインにケガ人が相次いでいるので、選択肢が少ないのは承知しているけど、
マリノスのストロングポイントである左ウイングの前田大然とマッチアップするのが、
柳澤と佐藤って大丈夫なんだろうかと思ってしまった。
案の定、何度か柳澤の裏のスペースを前田に使われる場面があったけど、
DFラインを深めに設定していたからか、中できっちり跳ね返すことが出来ていたので、
扇原のミドルシュートのフィーリングが良さげだったのが不気味だったことを除けば、
決定的なチャンスはそこまで作らせなかった印象。
ただ、低いDFラインの弊害からか、マイボールになってもほとんど押し上げがないので、
攻撃面ではハーフウェイラインを超えるのも一苦労。
前半のガンバの決定機は、
マリノスのビルドアップを井手口が高い位置でカットしてパトリックに繋ぎ、
パトリックの落としを宇佐美がシュートした場面ぐらいで、
マリノスに70%近いボールポゼッションを許す展開になってしまった。
(先日の天皇杯・浦和戦に続き、イージーなシュートミスを犯した宇佐美には猛省を促したい)
なんとか前半を無失点で終えることは出来たけど、
松原とのハイボールの競り合いで腰からピッチに落ちてしまった藤春が、
前半終了間際に黒川と交代になるアクシデントも重なるなど、
後半に向けての展望は決して明るいとは言えないものだった。
ただ引きこもっていたわけじゃない
後半も前半に引き続きマリノスがボールを握る展開に。
まさか松波監督はこのまま90分粘り切ろうという魂胆なのかなと思っていたら、
黒川のパスを受けた山本が左サイドから右足でインスイングの低い弾道のクロスを上げると、
ニアサイドに飛び込んで合わせたのは倉田。
山本のクロスも合わせた倉田も上手かったけど、
右サイドの倉田が持ち場を離れて左のニアポストに飛び込んだことで、
マリノスの守備網をすり抜けてフリーになることが出来たところで勝負ありだったね。
一方的に攻め込みながら先制を許したマリノスのマスカット監督は、
飲水タイム明けに岩田に代えて仲川を投入。
さらに後半33分にはレオ・セアラ、ティーラトン、マルコス・ジュニオールに代えて、
杉本、小池、天野を投入し、一気に攻勢を強めてきた。
そんなマリノスに対し松波監督が講じた策は、山本と福田に代えて奥野と小野瀬を投入し、
4−4−2から5−3−2への布陣変更。
中盤がDFラインに吸収されてセカンドボールが全く拾えず、
さらに押し込まれるんじゃないかと思ったし、布陣変更した時点で後半32分だったので、
リトリートするには早すぎるんじゃないかとも思ったのだけど、この布陣変更が結果的に的中。
CKから杉本にフリーでヘディングシュートを打たれた時はヒヤッとしたけど、
ピッチの幅を取るマリノスの攻撃を、5レーンに1人ずつ並べたDF陣がきっちりと対応し、
まんまと逃げ切りに成功。
ボールポゼッションは67対33、シュート数は24対7と、
一見、これで一体どうやって勝ったんだという感じのスタッツだけど、
勝ちに不思議の勝ちありという感じではなく、
藤春の負傷交代という不測事態がありながらも事前に用意していたプランを遂行した、
見事な勝利だったと思う。
いつもこれぐらいの采配をやってくれたらこんな順位にはいないはずなんだけど、
せっかく久しぶりに上位チーム相手に勝利を挙げることが出来たので、
ケチをつけるのもナンセンスだからやめておくことにする。
意中の人への想いは届くか
ガンバがマリノスに勝利し、等々力で川崎が浦和と引き分けたため、
川崎の2年連続4度目のJ1リーグ制覇が決定。
34試合で勝ち点72というマリノスの成績も十分優勝に値するものだと思うのだけど、
それを遥かに上回る勝ち点85での優勝は異次元すぎる。
そんな異次元な成績を残した川崎の選手たちの戦いぶりはもちろん賞賛に値するものだけど、
川崎以外のクラブが不甲斐なかったという見方も出来ると思う。
ガンバが来季いきなり川崎と優勝争いするようになるとは想像し難いけど、
そんな未来が来るように今年のオフからしっかり準備をしていかないとね。
そのオフの目玉となる人物が、次節の対戦相手の監督だと思ってるのだけど、
今夏、宮本前監督の後任として考えていた大岩にはフラれているだけにどうなることやら。
横浜F・マリノス0−1ガンバ大阪
’55 倉田秋