【天皇杯準々決勝 ガンバ大阪vs浦和レッズ】今のガンバにタイトルなんておこがましいということ

赤く染まるパナスタ

天皇杯準々決勝、浦和レッズとの一戦に臨んだガンバ大阪のスタメンは以下の通り。

先日の鳥栖戦から、福田、倉田、山本、藤春、キムヨングォン、髙尾が外れ、
ウエリントン・シルバ、小野瀬、奥野、佐藤、柳澤がIN。

対する浦和は現時点のベストメンバーという布陣を敷いてきていることを思うと、
CBを筆頭に故障者が続出しているガンバの陣容は苦しいものがあるね。

飲食店への時短要請が解除されたこともあって、
この試合は久しぶりに代々木のHUBで観戦しようと思っていたのだけど、
どうやら時短要請は解除されても店内に入れるお客さんの数には上限を設けているらしく、
制限人数オーバーということで門前払いされてしまった。

しぶしぶ他にこの試合を中継している店舗を探し、
ようやくHUBの渋谷店にたどり着いた頃には前半5分過ぎという時間帯。

店内に入った僕の目に飛び込んで来たのは、
2階席まで真っ赤に染まったパナソニックスタジアム吹田のアウェイゴール裏だった。

本来、パナソニックスタジアムの座席は全て青なので、
座席に赤いシートを置いているというのはすぐにわかったんだけど、
埼玉から遠く離れた大阪の地で、
平日の夜にこれだけ大掛かりなことが出来る浦和サポーターは、
相変わらずクレイジーな人たちだなと再認識させられたね。

埼玉で決まらなかったシュートが吹田では決まる

先日の埼玉スタジアムでの試合は、浦和に一方的に攻め込まれる時間帯が長かったので、
この試合でも同様の試合展開になることを覚悟していたのだけど、
僕が試合を見始めて5分も経っていないのに、宇佐美や小野瀬が、
カウンターで前を向いてアタッキングサードに進入する場面を作り出していた。

「お、今日はなんかいい感じやん」なんて思っていたら、
パトリックが競り合ったロングボールのこぼれ球が浦和のボランチの平野に渡ると、
平野はこれを佐藤の頭を越えるようなロビングの軌道でDFラインの裏へフィード。

ガンバのDFラインの背後を取ったキャスパー・ユンカーがパスを受けると、
そのままペナルティエリアに持ち込んで左足でシュートを決めてしまった。

ユンカーのラインブレイクは確かに見事だったけど、
なぜDFラインの裏にボールが出た時に佐藤よりもユンカーから離れた位置にいた菅沼が、
最終的にユンカーに追いついているのだろうか。

8月の横浜FC戦でマギーニョを倒して退場した場面でも露呈したけど、
佐藤のスピードの無さは本当にどうにかならないもんかね。

まあ、ビハインドはまだ1点だし、前半10分という時間帯を考えればまだ時間はあるので、
早いうちに同点に追いついておきたいところだったけど、
何度か訪れるCKのチャンスをモノに出来ず。

小野瀬とシルバのサイドを入れ替えてみるも、
パトリックのポストプレーからシルバがシュートを打つというのが1回あったぐらいで、
それほど特筆すべき効果も無く、このまま前半終了かなと思っていたら、
関根にゴールを決められて前半で2点ビハインドを背負うことになってしまった。

左サイドバックの山中のクロスをファーサイドに流れた江坂が頭でマイナスに折り返すと、
中にポジションを取っていた関根がダイレクトで合わせて決めるという、
敵ながら綺麗な形のゴールだったけど、山中がクロスを上げたところから、
ガンバの選手全員がボールウォッチャーになっているのは如何なものか。

仕事が出来なかったエース

2点ビハインドを追う後半。

選手の入れ替えは無かったものの、
ピッチに出てきた選手一人一人に松波監督が直接檄を飛ばしているのを見て、
珍しくこの試合に懸ける意気込みが感じられたね。

その効果があったのかどうかは知らないけど、
浦和の後方からのビルドアップに激しくプレスを掛けて、
高い位置でのボール奪取を狙うなど、ピッチの選手の戦いには現れていた。

すると、ショルツのパスを奥野が頭でカットしたボールが前線の宇佐美に渡ると、
宇佐美は西川との1対1の局面に持ち込む。

「よし、これで1点差」と思ったら、宇佐美のシュートはまさかの枠外。

この試合の宇佐美はいつに無く守備も頑張っていたけど、
後半11分という時間帯を考えれば、1点差にしておけば攻勢ムードも生まれただろうに、
背番号39が本来やるべきことが出来なかったね。

その後、松波監督は、飲水タイム前に、黒川、小野瀬、シルバに代えて、
藤春、倉田、チアゴ・アウベスを投入。

倉田と藤春の熟練のコンビで左サイドを攻略しようという意図だったんだろうけど、
右サイドからカットインして左足でシュートすることしか考えていないチアゴ・アウベスが、
柳澤と好連携を築けるはずもなく右サイドは機能不全に陥り、攻撃は左サイド一辺倒に。

これを受けてなのか、柳澤に代えて髙尾を投入するも、そこじゃないだろ感が強く、
後半アディショナルタイムに入ろうかという時間帯に、
ようやくチアゴ・アウベスと宇佐美のポジションを入れ替えてみるも、
前半から慣れない守備に奔走してバテバテの宇佐美がサイドハーフで機能するわけもなく、
結局、1点も取れないまま試合終了。

ガンバ大阪のクラブ創立30周年の節目のシーズンは、無冠が決定してしまったね。

最低限の宿題は終わらせよう

天皇杯で敗退してしまったことで、今季のガンバに残された宿題はJ1残留のみ。

まあ、先日の鳥栖戦で勝利して勝ち点37としたことで、とりあえずJ1残留は大丈夫そうだけど、
だからと言って、この後の試合は全部消化試合かと言えばそんなことはない。

新型コロナウイルスが収束の兆しを見せていることで、
イベントの収容人数の上限も引き上げる動きが出てきているので、
これからスタジアムに訪れる観客の数は増えるものと思われる。

今季は、緊急事態宣言の影響で無観客試合も何試合か強いられたので、
スタジアムに来たくても来れなかった人がいるだろうから、
そんな人たちのためにもピッチ上でさすがプロという良いプレーを見せて欲しいと思う。

とは言え、来月はマリノス、名古屋、川崎という強豪との対戦が控えているので、
逆にピッチにねじ伏せられる可能性はなきにしもあらずだけども。

ガンバ大阪02浦和レッズ
’10 キャスパー・ユンカー
’42 関根貴大