【明治安田生命J1リーグ25節 ガンバ大阪vs清水エスパルス】片野坂知宏の首元が涼しい祭りのあと

2022年8月15日

J1生き残りを懸けた分水嶺

福岡のチーム内で新型コロナウイルスのクラスタが発生したことで前節の福岡戦が延期となり、
意図しない形で試合間隔が2週間空くことになった我らがガンバ大阪。

後半アディショナルタイムのPK献上で勝ち点2を取りこぼした京都戦の、
ショッキングなイメージを1日も早く払拭したいところで水を差された形になったけど、
ファン・アラーノをはじめとする新加入選手がフィットするための時間を与えてもらったと、
ポジティブに考えることにする。

そんなガンバが今節対戦するのは、前節、味の素スタジアムでFC東京を降し、
ガンバが試合をしていない間にしれっとJ2降格圏を脱出して15位に浮上した清水エスパルス。

清水は、乾やヤゴ・ピカチュウといった今夏加入した新戦力が早速フィットし、
チアゴ・サンタナがここに来て得点を量産しているなど、
春先に対戦した時に比べて格段に強いチームになっているけど、
この試合の結果が今後の残留争いの行方を大きく左右すると言っても過言ではないので、
伸るか反るかのシックスポインターズを制してJ1残留を手繰り寄せて欲しいと思う。

この2週間何をしていたのか

夏の風物詩となりつつあるGAMBA EXPOということもあってか、
15位と16位のチームの対戦と思えない大勢の観客がスタンドを埋めた試合で、
片野坂監督が選んだスタメン11人は以下の通り。

4−4−2の3ライン戦術が得意な松田浩がコーチに入閣したこともあり、
4バックもあるかなと思っていたけど、藤春入りの3バックを継続し、
新加入の鈴木武蔵やファン・アラーノはベンチスタート。

松田さんのコーチ就任は、
松波前監督体制の時に現・ファジアーノ岡山監督の木山さんをコーチで招聘し、
守備の約束事を浸透させた昨季の二匹目のドジョウを狙っているんだろうけど、
片野坂監督と松田さんって異なるサッカー哲学を持つ指導者なので、
水と油の関係になりかねないと思うんだけど、果たしてうまくいくのだろうか。

ここ数試合でお馴染みとなった「前半から飛ばして試合に入るガンバ」はこの日も健在で、
積極的な前線からのプレスで清水のビルドアップにプレッシャーを掛ければ、
サイドチェンジを多用して清水の守備陣に揺さぶりをかけ、清水を自陣に押し込むことに成功。

食野がボレーシュートを空振りした場面や、左足でシュートを打つ場面があったけど、
サンタナのクロスバーを叩いたシュートや、当たり損なった乾の左足のシュートなど、
カウンターから決定的なチャンスを作っていたのは残念ながら清水の方。

ガンバにもカウンターで権田の守るゴールに迫る場面はあるんだけど、
まるで敵陣に速度制限がしてあるかのようにスピードダウンしてしまうのは何なんでしょうかね。

ボールを支配してシュートも打っている割には得点が入る気配すらしなかった。

対する清水も鈴木義宜のヘディングシュートがクロスバーを叩くなど、
得点を挙げるまでには至らず、試合はスコアレスでハーフタイムに突入することに。

いくら暑くても寒いサッカーはいらない

お互いに選手交代無く迎えた後半も均衡は破れず。

そんな膠着状態を打破すべく、
片野坂監督は坂本と石毛に代えて鈴木武蔵とファン・アラーノを投入。

すると、ガンバが清水陣内でプレーする時間が増え始め、
後半20分には、ファン・アラーノのCKを昌子がファーで折り返し、
鈴木武蔵が中央で合わせる場面があったものの、これは権田にセーブされてしまった。

とは言え、今夏加入した新戦力2人が絡んだ攻撃に、
残り25分強で試合が動くんじゃないかという期待は膨らんだんだけど、
残念ながら後半のチャンスらしいチャンスはこれが最後だった。

対する清水のゼ・リカルド監督は、
後半24分にヤゴ・ピカチュウに代えてコロリを投入するとこの采配が的中。

カルリーニョス・ジュニオが中央をドリブルで持ち上がると、
ガンバの右サイドに流れたサンタナの動きに藤春がついて行ってしまい、
ガラ空きになった左サイドに走り込んでパスを受けたコロリが、
角度の無いところから東口との1対1を制し、清水が先制に成功。

右サイドには昌子が余っていたので、
藤春は無理して逆サイドまでサンタナを追いかける必要は無かったと思うんだけど、
本職SBの選手をCBで起用している弊害が出てしまった場面だったね。

1点ビハインドとなったガンバは、後半29分に食野に代えて山本、
後半38分に奥野と黒川に代えて倉田とウェリントン・シルバを投入し同点を狙うも、
再三のCKのチャンスがありながらも決定機は作り出せず、
逆にカウンターからサンタナのパスを受けたカルリーニョス・ジュニオに追加点を許し、
ジ・エンド。

今季の残留争いの行方を占う重要な一戦だったけど、
真夏とは思えない何ともお寒い内容で勝ち点0という結果に終わってしまったね。

継続か変化か

土曜日にホームで浦和相手に大量6失点を喫して敗れた最下位の磐田は、
日付が変わって、伊藤彰監督の契約解除を発表した。

このブログを書いている時点ではまだ何の情報も無いけど、
その磐田と勝ち点差無しの17位というガンバの現状を考慮すると、
おそらく片野坂監督の首元も今頃涼しくなっていることだろう。

次節の広島戦にどういう体制で臨むのかは知らないけど、
片野坂体制を継続するにせよ、監督を交代するにせよ、
J1残留の可能性が残されている限りはファイティングポーズを取り続けてほしいと思います。

ガンバ大阪02清水エスパルス
’73 ベンジャミン・コロリ
’86 カルリーニョス・ジュニオ