【明治安田生命J1リーグ31節 セレッソ大阪vsガンバ大阪】もはやセレッソのボーナスステージと化してしまった大阪ダービー

いくら勝ててなくてもここは譲れない

前節、ホームで名古屋に敗れ、公式戦8試合勝利無しとなった我らがガンバ大阪は、
敵地・ヨドコウに乗り込んで今季4度目の大阪ダービーに臨んだ。

ここ最近体たらくな試合を続けている選手たちも、
さすがにこの状況を良しとはしていないだろうし、この悪い流れを変えるためにも、
4年ぶりのリーグ戦でのダービー勝利を掴んで欲しいところだ。

また、個人的にヨドコウのダービー参戦は初。

ゴール裏ではないので、あのホスピタリティ溢れるアウェイゴール裏は体験できないけど、
今まで陸上トラックに阻まれていた熱気がスタンドまで届くような熱い試合を期待したい。

今のガンバに1点ビハインドは重すぎるのか

6月のルヴァンカップでの勝利に続いてヨドコウで連勝といきたいガンバの、
この日のスタメン11人は以下の通り。

前回のヨドコウでのダービーで決勝ゴールを決めた半田がスタメンに復帰。

また、前節の名古屋戦で再び負傷してしまったアラーノの代わりに、
倉田が右ウイングのポジションに入ったね。

そんな試合は、序盤からジェバリがドリブルで良い形で持ち込む場面が続き、
悪くない入り方が出来たと思うけど、
鳥海からの楔のパスを受けたカピシャーバがドリブルで中央に進入しパスを送ると、
手前にいた福岡に当たってルーズになったボールがレオ・セアラへの絶好のパスとなり、
難なくゴールネットを揺らされてしまい、前半8分に先制点を献上。

まあ、試合が始まったばかりの失点なので、
本来であれば慌てるような時間帯じゃないんだけど、
8月の湘南戦以来複数得点が無いガンバにとって先制点を与えるということは致命傷に近い。

案の定、リードしたことで前線からのプレスの強度を弱め、
ブロックを敷いて守ってカウンター狙いという戦い方に変えたセレッソ相手に、
決定機を作れないばかりか、カウンターを食らってさらにピンチを招くなど、
まんまと小菊監督の術中にハマってしまう。

対するガンバも、ポヤトスの下で1年間積み重ねてきた
ポゼッションサッカーを見せたいところだけど、
中盤で選手のポジションが被って何度も味方同士でぶつかりそうになっているのを見るたび、
本当にこの1年でポヤトスがやりたいサッカーは浸透したのだろうか?と、
疑問に感じるんだけど、僕だけですかね?

結局、前半のガンバの決定機らしい決定機は、
宇佐美がペナルティエリア外から放ったシュートが左に外れた場面ぐらいで、
反撃の狼煙が上がる気配も無く前半終了のホイッスルを聞くことになった。

そして最後まで揺らせないゴールネット

後半に同点、逆転を狙いたいガンバは、石毛とネタ・ラヴィに代えて塚元とダワンを投入。

ネタ・ラヴィは前半終盤に貰ったイエローカードで次節は累積警告で出場停止になるけど、
ただでさえも母国・イスラエル情勢のこともあるので、
今季はもう試合に出なくてもいいんじゃないかと言う人もいるだろう。

ただ、昨年白血病で亡くなった旧ユーゴスラヴィア代表のミハイロヴィッチは、
「24時間サッカーをしていたかった。サッカーをしている間は戦争を忘れる事が出来る。」と、
現役時代に語っていたので、今後どうしたいかはネタ・ラヴィに委ねていいと思う。

とは言え、試合に出るor出ないどちらにせよ精神的なケアは十分にして欲しいとは思うけどね。

試合は、インテンシティ高めに試合に入ったのと、選手交代が思いのほか機能したことで、
後半はガンバがセレッソ陣内で試合を進める時間が長くなる。

特に、前節の名古屋戦でおよそ2年ぶりにまともにプレーした塚元に関しては、
ボールを持っていない時はタッチライン際に張って相手のDFラインをピン留めして、
逆サイドから入ってくるボールに対し斜めの動きでペナルティエリアに進入するなど、
ポヤトスがウイングに求める動きを一番出来ているんじゃないだろうか。

ただ、敵陣で長く試合を進めながらも、
惜しいシュートはジェバリのクロスを宇佐美がスライディングで合わせた場面ぐらい。

何度かあったセットプレーのチャンスも山本のキックは誰にも合わないし、
大学時代からライバル関係にある毎熊との対戦に燃えていた黒川も、
前節の名古屋の久保ほど完璧に抑えられたわけではないにせよ、
違いを作るというところまでは行けず。

実質、最後の交代カードと言ってもいい食野が投入されても何の変化も起こらずで、
またしてもピンクの前に屈してしまうのか・・・と思っていたら、
後半アディショナルタイムに、ペナルティエリアの左からジェバリが強烈なシュート!

ところが、このシュートはキム・ジンヒョンのこの日最初で最後の大仕事の前に阻まれ、
肩の高さまで上がりかけたガッツポーズは、天高く突き上げられる事は無く、試合終了。

選手入場時のホームゴール裏のコレオグラフィは、
辛うじて読めるほど汚ったない字でDOUBLEと描いていたけど、
まさかあのクオリティの文字が現実のものになるとはね。

ガンバのサッカーのクオリティはあのコレオ以下だったと言うことか。

完全に見放すことは出来ない

来週末はルヴァンカップの決勝がある関係で、ガンバの次節の試合は2週間後のアビスパ福岡戦。

ダワンとネタ・ラヴィが累積警告で出場停止になるのは痛いけど、
福岡の王様として君臨している井手口に、かつてのホームで大人しくしてもらって、
およそ3ヶ月ぶりの勝利をホームで挙げたいところだ。

と、書いたみたものの、今季はもう1勝も出来ないような気がしてるのは僕だけじゃないと思う。

そんな僕の予感を良い意味で裏切って欲しいとは思っているのだけども。

セレッソ大阪10ガンバ大阪
’8 レオ・セアラ