【パリ・サンジェルマン・ツアー2022 ガンバ大阪vsPSG】大量失点の中の2得点で示したもの

今のガンバは全員超人のチームに相応しい対戦相手なのか

一昔前のパリ・サンジェルマン(以下、PSG)って、ブレイク前のロナウジーニョや、
ポルトガル代表のエースのパウレタなど、それなりに名前の通った選手はいたけど、
ヨーロッパを代表する大都市であるパリに本拠地を置いている割には、
リヨンやマルセイユの陰に隠れがちで、パッとしないクラブという印象だった。

月日が流れ、そんなパッとしないクラブが、
メッシ、ネイマール、ムバッペ、セルヒオ・ラモス、ドンナルンマなどなど、
綺羅星の如き選手たちが名を連ねるスター軍団となっていることに隔世の感を感じる。

そんなPSGと相対するは、
かつてはクラブワールドカップでマンチェスターユナイテッドと壮絶な打ち合いを演じ、
世界にその名を知らしめた我らがガンバ大阪。

そんなガンバは、ホームスタジアムこそ立派になったものの、かつての栄光も今や昔、
今季のJ1リーグで入れ替え戦圏内の16位に沈むなど、こちらもこちらで隔世の感を感じる。

正直、PSGと試合をする前にやることはあるだろうと思うけど、
今回のPSGのジャパンツアーの対戦相手にガンバを推してくれたであろう、
アンバサダーのパトリック・エムボマの顔に泥を塗らない試合を見せて欲しいと思う。

虐殺の中で報いた一矢

今やリーグ戦では絶対に見られない光景となった、
満員のパナソニックスタジアム吹田に送り出されたガンバ大阪スタメン11人は以下の通り。

ついでなので、記念にPSGのスタメンも載せておく。

PSGは浦和戦から中1日でこの試合を迎えているので、
コンディションの面では相当しんどいんじゃないかと思っていたけど、
オフ明けのコンディション調整のためにこれぐらいの過密日程はちょうど良かったようで、
日本ツアーの3試合の中で一番動きが良かったように思う。

そんな状況で、必然的に守勢を強いられる試合展開になったけど、
1人気を吐いたのは我らが守護神・東口順昭。

ネイマールとの1対1を右足一本でセーブすれば、
ネイマールのクロスを合わせたサラビアのシュートを超人的な反応で防ぎ、失点を許さない。

これは東口劇場開演か?と思っていたら、三浦が近くにいたメッシにフィードをぶつけてしまい、
ルーズボールをネイマールに拾われると、
ネイマールのシュートは東口がセーブするもこぼれ球をサラビアに押し込まれてしまい、
先制点を許してしまった。

すると、続けざまにDFラインの裏へ抜け出したネイマールを、
ペナルティエリア内で三浦が後ろから倒してしまいファウルの判定。

また三浦のミスかよと思っていたところにリプレイの映像が流れたのだけど、
VTRで見たら三浦の足はネイマールの足には触れていなかったね。

お得意のマリーシアのコンディションも上がってきたネイマールにPKを決められ、
ビハインドは2点になってしまった。

このままズルズル行くのかなと思っていたら、
倉田の浮き玉のパスを受けた小野瀬が角度のないところから折り返すと、
中央にいた鈴木武蔵は押し込めなかったものの、
ファーサイドから詰めてきた黒川が押し込んで、なんとガンバが1点を返すことに成功。

前日の会見で片野坂監督が、「何点取られてもいいから流れの中で1点取りたい」
と言っていたけど、まさか実現するとは思わなかった。

この調子で同点に・・・と思っていたのだけど、そんなに甘くはいかず、
どうやらこのゴールがPSGに火をつけてしまったようで、
メンデスとメッシに立て続けにゴールを許して3点差に。

前半のうちに5点目を決められそうな気配はあったけど、
流しモードに入ったPSGは追加点を奪いに来ず、生殺しの状態で前半が終了。

わかってはいたけど、力の差をまざまざと見せつけられた前半だったね。

多くの選手がピッチに立つ中で

ハーフタイムが明け、後半のピッチに向かうガンバの選手の中に、
なんとレアンドロ・ペレイラの姿が。

片野坂監督の構想外になったのか、ここ最近はベンチにも入っておらず、
移籍の話が出るのも時間の問題だろうなと思っていたので、
思わず、「生きとったんか、ワレ」と言ってしまった。

そんなレアンドロ・ペレイラに対し、柳澤から絶好のクロスが上がるも、
試合勘が欠如しているのが明らかで、クロスに反応し切れずシュートは大きく枠の外へ。

一方のPSGは、メッシのスルーパスに抜け出したネイマールが、
東口も交わしてゴールに流し込み、5点目。

このゴールの後、サラビアに代えてムバッペが投入され、
PSGが誇る3大スター、MNMがパナスタに揃い踏みするという、
スタジアムに訪れたライト層や海外サッカーファンが喜びそうな展開に。

ところが、そんな状況で次のゴールを決めたのは、なんとガンバ。

ここまでバックパスばかりしていた奥野がバイタルエリアでボールを受けると、
遠藤保仁顔負けのロビングのパスを右サイドへ展開すると、このパスを柳澤が頭で折り返し、
中央に詰めていた山見が押し込んでゴールネットを揺らして見せた。

その後は、髙尾が献上したPKをムバッペに決められる場面はあったものの、
PSGも大幅に選手を入れ替えペースを落としたこともあってか、
それまでのような破壊力のある攻撃は見られず試合終了。

ガンバも多くの選手を入れ替える中で、唯一、昌子だけがフル出場。

試合後にトゥールーズ時代に対戦経験のあるムバッペとユニフォームを交換していたけど、
もしかしてPSG戦をガンバでの最後の思い出にして鹿島に復帰するつもりなんじゃ・・・
というのは邪推ですかね?

祭りのあと

負けるのは織り込み済みだったし、東口がいなければ2ケタ失点もあり得た試合展開だったけど、
そんな中でもまさか2点も取れるとは思わなかった。

「PSGは浦和戦から中1日だった」とか、「本気じゃなかった」という人もいるだろうけど、
今回のPSGの日本ツアーでPSGから流れの中で得点をしたのはガンバだけし、
2得点したのもガンバだけなので、そこは自信を持っていいと思う。

ガンバの営業はPSGだけに飽き足らず、
11月にはフランクフルトとの親善試合も企画しているみたいだけど、
わざわざ日本に来て翌年は2部のチームと対戦させるわけにもいかないので、
来週の京都戦から再開される残留争いは絶対に勝ち抜いて、J1残留を掴み取りましょう。

ガンバ大阪26パリ・サンジェルマン
’28 サラビア
’32 ネイマール
’33 黒川圭介
’37 メンデス
’39 メッシ
’60 ネイマール
’68 山見大登
’87 ムバッペ