【明治安田生命J1リーグ23節 ガンバ大阪vs京都サンガ】御膳立てされた勝ち点3すら拒否するのか

必要なのは笑いではなく勝ち点3

補強が急務だったボランチのポジションに東京ヴェルディの山本理仁の獲得が決まり、
我々ガンバ大阪サポーターに歓喜と安堵をもたらしたのも束の間、
メディカルチェックの結果、その山本が骨折していることがわかり、
ケガからの復帰は1ヶ月後になるなんてオチがついてきた。

赤点覚悟で期末テストの回答でボケる高校生じゃあるまいし、
いくら笑いの本場の大阪のクラブだからって、
残留争いしている状況でそんなボケはいらないんだが。

そんなガンバが2週間ぶりに再開するリーグ戦でホームに迎えるのは京都サンガ。

京都はリーグ戦の中断期間中にチーム内で新型コロナウイルスのクラスタが発生し、
今なお戦列に復帰出来ていない選手がいるとのことだけど、
敵将の曹貴裁監督は、「食材が足りないからといってマズイ料理は出せない」と、
独特の言い回しでこの試合に向けてチームの士気を上げている。

一方の我らがガンバ大阪は、食材はそこそこ揃っているにも関わらず、
マズイ料理ばかりが出てくるような状態だけど、
リーグが中断していた2週間の間にどれだけ良い仕込みが出来たのか、
片野坂知宏シェフのお手並み拝見といったところやね。

コロナで主力を欠いているのはどっち?

関西に本拠地を置くクラブ同士の対戦ということもあってか、
パリ・サンジェルマンの公式練習よりも辛うじて多い観客が訪れた、
パナソニックスタジアム吹田のピッチに立った青黒の11人は以下の通り。

前節の大阪ダービーでスタメンを飾った鈴木武蔵はベンチからも外れ、
代わりに1トップのポジションに入ったのは、今夏復帰したばかりの食野。

さらに、今季ここまで何度か試しているものの、
一度も上手くいった試しのない藤春のCB起用をこのタイミングで採用してきた。

ここ最近のガンバは、キックオフ直後から高い強度を持ってプレスを掛けるなど、
かなり飛ばして試合に入ることが多かったけど、
この試合の前半は相手の出方を窺うような戦い方をしていた。

それもそのはず、この試合の京都は、上述の通り新型コロナウイルスの影響で、
ピーター・ウタカ、武富、川崎、松田といった主力級の選手がほとんどおらず、
どんな選手が試合に出てどんな戦い方をしてくるのか予想するのが難しかったので、
相手の戦い方を確認する必要があったからね。

なので、時間が経って相手の戦い方を把握できれば、
ギアが上がってくるだろうと思っていたのだけど、
京都の指定強化選手の木村に三度も決定的な場面を作られるなど、
いつまで経ってもガンバのペースになる気配は無し。

前半のガンバのチャンスらしいチャンスって、
小野瀬のクロスに食野がジャンピングボレーを試みるも失敗し、
こぼれ球に石毛が飛び込んだ場面ぐらい。

野戦病院状態の京都相手にこんな試合をしているようでは頭が痛くなるわ。

ただ、その京都も大勢主力を欠く影響からかそれほど多くの決定機は作り出せず、
スコアレスで前半終了のホイッスルを聞くことになった。

詰めの甘さが招いた最悪な結末

ハーフタイムに片野坂監督に喝を入れられたのか、強度を高めて後半に入ると、
後半12分、奥野の縦パスをペナルティエリア内で倉田がワンタッチで中央に折り返すと、
これに走り込んだのは石毛。

石毛のシュートは上福元にセーブされるも、こぼれ球を食野が押し込んでガンバが先制に成功。

かつての食野は、もともと中盤の選手ということもあってか、
足元でボールを受けたがる傾向が強かったけど、ルーズボールへの反応や、
裏のスペースへの動き出しなど、この試合の食野の動きはストライカーのそれだったね。

上手くいかなかった海外挑戦だけど、
上手くいかなかったなりにも身につけたものはあったんだな。

先制に成功したガンバはその後も追加点を奪いにゴールを目指すも、
なかなか上福元が守るゴールに迫れずにいたけど、
そんな折、金子がこの日2枚目のイエローカードで退場になるという追い風が吹く。
(そもそも前半で退場になっててもおかしくなかったが・・・)

数的有利になったガンバは、途中出場の山見を中心に追加点を狙うも、
シュートはことごとく枠を捉えられず、
なんとなく嫌な雰囲気のまま試合は後半アディショナルタイムへ。

とは言え、あとは試合をクロージングするだけというところだったけど、
そんな状況で東口がペナルティエリア内で木村を倒して痛恨のPK献上。

キッカーは、相変わらずサッカー選手とは思えないメタボな体型をしている大前だけど、
シュート技術の高さ”だけ”なら日本人FWの中でもトップクラスの大前が、
このPKを外すわけもなく、土壇場でスコアを振り出しに戻されてしまった。

このゴールが決まった後に試合終了の笛が鳴り、両者勝ち点1を分け合うという結果に。

まあ、PKに繋がったファウル自体は東口のミスだと思うけど、
相手に退場者が出ているとは言えリードはわずかに1点なのに、
前線の選手たちに時間を使う様子が無く、
無邪気に追加点を狙って攻めていたのは詰めが甘いとしか言いようがない。

東口のファウルに繋がったプレーも、ウエリントン・シウバのワンツー失敗が起点だし、
後ろの選手たちからコーナーキープを指示する声掛けは無かったのだろうか。

残留争いの渦中にいることを認識出来ず、
いまだにパリ・サンジェルマン戦のお祭り気分でいる選手が多いのかなと思ってしまったね。

個人のゴールではなく勝ち点3にこだわってくれ

神戸が柏に敗れたことで、順位こそ1つ上に上がったものの、
日曜日に清水が鳥栖に勝てばまた16位に逆戻りだし、
磐田が湘南に勝って最下位を脱出しているという状況を考えると、
御膳立てされたと言ってもいい勝ち点3を取れなかったのは痛恨としか言いようがない。

シーズン序盤なら「終わったことは仕方ないから切り替えて」と言うところだけど、
そんな悠長な事言っていられるほど残り試合は多くない。

来季もJ1で戦いたいという気持ちがあるなら、
来週、博多から死に物狂いで勝ち点3を大阪に持ち帰ってほしいね。

ガンバ大阪11京都サンガ
’57 食野亮太郎
’90+7 大前元紀