【天皇杯決勝 町田ゼルビアvsヴィッセル神戸】J1昇格2年目で手にした賜杯

サイバーエージェントvs楽天
スタメン発表と同時に飛び込んできた宇佐美負傷の報せに動揺を隠せないまま試合に臨み、
後半の宮代の一発に沈んだ昨年の天皇杯決勝から1年が経った。
昨年、この舞台でガンバ大阪を降して賜杯を掲げたヴィッセル神戸が、
2年連続で同じ舞台に辿り着き、町田ゼルビアと相対しているのに対し、
我々はその光景を指をくわえて見ている事しか出来ないのは、忸怩たる思いがあるね。
この試合の結末が、神戸の連覇で終わるのか、町田の初戴冠で終わるのかはわからないけど、
今回で105回を数える歴史ある大会のファイナルに相応しい、
手に汗握る白熱した試合に期待したいところだ。


この試合を方向付けた試合の入りの町田の強度
天皇杯では決勝まで勝ち進んできた両チームだけど、
リーグ戦ではお互いに9月27日を最後に勝利が無く、好調とは言えないチーム同士の対戦。
近年タイトルマッチを多く経験している余裕からか、
相手の様子を見るような感じで試合に入った神戸は、
強度高く試合に入った町田の勢いをモロに受けるような形になってしまう。
すると、こぼれ球を拾って左サイドをドリブルで持ち上がった中山のクロスに対し、
ニアでトゥーレルが被ってしまうと、飛び出した前川も触れず、
後ろにいた藤尾の頭に当たったボールはふんわりとした弧を描きながらゴールマウスの中へ。
かくして前半6分で町田がリードを奪う形になったにも関わらず、
追いかける立場になった神戸のギアは依然として上がらず、町田の一方的な試合展開に。
神戸がビルドアップで何度もノッキングを起こしているのを見て、
この日の町田は相当神戸を研究してきていることが窺えたね。
そんな劣勢な試合展開を見かねてか、
武藤がイタイイタイで時間を使っている間に修正をかけようとするも、
少し良くなかったかなと感じる程度で、前半の神戸のチャンスらしいチャンスは、
谷がセーブした井手口のシュートぐらいに留まる。
一方で、先制した後もコンスタントにチャンスを作り出し、
藤尾や前にシュートチャンスが訪れる町田。
すると、ロングフィードに相馬が抜け出すと、
前川との1対1を冷静に制して、前半32分に町田が追加点。
ボールタッチが長くなってシュートコースが無くなったかなと思ったけど、
あそこで冷静に左足でGKの肩口に狙い澄ましてシュートを打てるところを見ると、
まだ海外でやれたんじゃないかと思ってしまうね。
結局、前半は町田が2点リードでハーフタイムへ。
手堅い町田が後半で2点リードを吐き出してしまうとは思えないけど、
昨年、采配をズバズバ的中させて神戸をカップウイナーに導いた吉田監督は、
ハーフタイムでどんな策をチームに授けるか。

遅すぎた反撃の一発
2点ビハインドで前半を終えた神戸は、後半頭から満を辞して大迫を投入。
盛り上がりを取り戻した神戸サポーターの声援を背に、
1トップのポジションからサイドに流れたり中盤に下がったりしながらパスを引き出し、
攻撃の起点を作ろうとしていた大迫だけど、皮肉にも次のゴールも町田に生まれる。
前線を走る藤尾に対し、林がスルーパスを送ると、
パスを受けた藤尾は左足で豪快にゴールネットを揺らし3点目。
あれだけ中央がパカッと割れてしまうと、セービング力が高い前川でもノーチャンスだね。
神戸としてはこのままでは終われないと思ったのか、
後半から左サイドにポジションを移した佐々木のクロスから宮代がヘディングシュートを決め、
後半17分に1点を返すと、その後は神戸が一方的に町田を押し込む展開に。
ただ、神戸が良くなったというより、
町田が藤尾とデュークに代えてオ・セフンとナ・サンホを投入したことで、
それまでの強度の高い連動したプレスがかけられなくなって、
町田の守備が機能しなくなったのが原因かなと思ったけど。
それまでとは一転、押し込まれる展開になった町田だけど、
イエローカードを1枚貰っているドレシェヴィッチを下げて岡村を投入したり、
運動量が落ちた相馬に代えて桑山を投入したりと、リスク管理しながら試合を進める黒田監督。
対する吉田監督は、山川に代えて飯野、宮代に代えてジェアン・パトリッキを投入するも、
昨季のガンバとの決勝であれだけ冴えていた采配はこの試合では見られず。
結局、最後は町田がコーナーキープで時間を使って試合終了の笛を聞き、
町田がJ1昇格2年目にして初めてのタイトルを手にすることに。
親会社の資金力をバックに大型補強を敢行していることや、
サッカーのスタイルなどで批判を受けることも多い町田だけど、
こうやって結果を残されると正しかった言わざるを得ないね。

やはり天皇杯決勝は元日でないと
町田の初優勝で幕引きとなった105回目の天皇杯だけど、
来季からの秋春制以降に伴い、次回の106回目の天皇杯の決勝はまた元日に戻ってくる。
1年の始まりに愛するクラブの試合を見ることが出来る荘厳で清々しい感覚は、
何度味わっても特別なもの。
そんな次回の天皇杯決勝のピッチに青黒を纏った選手たちが立っていることを願って、
引き続き応援を続けていきたいね。
町田ゼルビア3ー1ヴィッセル神戸
’6 藤尾翔太
’32 相馬勇紀
’56 藤尾翔太
’62 宮代大聖













