【カタールワールドカップ グループE3節 日本vsスペイン】ジャパンブルーの衝撃再び

2023年1月1日

もう一度世界を驚かせろ

カタールワールドカップグループEの初戦でドイツから歴史的勝利を挙げたにも関わらず、
2戦目のコスタリカ戦に敗れてしまった我らが日本代表。

勝つ予定だった試合と負ける予定だった試合が逆と考えれば、
1勝1敗の勝ち点3という成績はここまで順当と言ってもいいけど、
ドイツ戦の勝利で生まれた勢いを、
コスタリカ戦での消極的な戦いが打ち消してしまったような感じがしてて、
どうもネガティヴな印象が拭えない。

そんな状況で迎えるはドイツと並んでグループEの双璧であるスペイン。

決勝トーナメント進出のためには負けは許されない状況だけど、
ドローだとコスタリカとドイツの試合結果次第になってしまうので、
強敵のスペイン相手に勝ち点3を狙いにいくしかない。

難しいミッションではあるけど、ドイツに勝利した前例があれば、
スペインに勝つことだって可能なはずだ。

前半の死んだフリは今大会の仕様ですか?

ドイツ戦を戦ったハリファ国際スタジアムに戻った日本代表のスタメン11人は以下の通り。

今大会で後半から採用することが多かった3バックの布陣をスタートから採用。

対戦相手がスペインということもあり、ボールを握られる展開が想定される中で、
欠場の遠藤の代わりにボール奪取の役割を担うことになるであろう守田が、
どれだけ頑張れるかがカギかなといったところ。

国際Aマッチで、日本がスペインと対戦するのは21年ぶりだけど、
昨夏の東京オリンピックの準決勝でスペインと対戦しているので、
その時のように後半途中まで0-0でいけば勝機はあるんじゃないかと思っていた。

ところが、クリアが中途半端になったところを拾われて、
アスピリクエタに右サイドからクロスを上げられると、
これをモラタにヘディングで決められてしまい、前半11分に失点。

その後も、日本の前線からのプレッシャーが無いことを良いことに、
スペインのDFラインからロドリとパウ・トーレスが縦パスを入れまくり、
その縦パスをガビとぺドリが受けまくりといった具合で、
一方的にスペインにボールを支配される日本。

日本も、何度か高い位置でボールを奪ってカウンターに繋げられそうな場面は訪れるのだけど、
その度にスペインの早い寄せの前にコントロールミスやパスミスを犯してしまい、
良い形でシュートまで持ち込めない。

そんな状況だったので、スペインの初戦のコスタリカ戦のように、
大量失点での敗戦も頭をよぎるような試合展開だったけど、
なんとか最少失点で前半を折り返すことに成功。

ドイツ戦のような後半の逆転劇に期待したいところだったけど、
後半に向けて明るい材料は見当たらず、
正直厳しいと言わざるを得ないここまでの戦いだった。

ドイツ戦で起きたことは奇跡ではない

1点を追う日本は、後半から長友と久保に代えて堂安と三笘を投入し、
前半のように自陣に引いてスペインの攻撃を待ち構えるのではなく、
積極的に前線からプレスを仕掛ける戦い方に変更してきた。

すると、またしてもこの森保監督の采配が的中。

バルデとのルーズボールの競合いを制した伊東が堂安にボールを繋ぐと、
このボールを受けた堂安が右サイドからカットインして左足を一閃すると、
シュートはウナイ・シモンの手を弾いてゴールネットに吸い込まれ、日本が同点に追いつく。

ワールドカップ予選では伊東の影に隠れがちだった堂安だけど、
ここに来て持ち前の強心臓ぶりを発揮して日本を力強く牽引しているね。

トップチームでプレーした期間は短かったけど、ガンバの下部組織で育った選手なので、
ガンバサポーターとしても誇らしい気持ちやわ。

後半3分という早い時間帯にスコアを振り出しに戻すことに成功した日本だけど、
日本の勢いはこれで止まらず、堂安が右サイドから右足でグラウンダーのクロスを送ると、
これをファーサイドで三笘が折り返し、
中央で待ち構えていた田中碧が体ごと押し込んでゴールネットを揺らす。

ただ、これに関しては、三笘がクロスを上げた時点で、
ボールがゴールラインを割っているようにも見えたので、
ノーゴールの判定になるかなと思っていたのだけど、VARレビューの結果、
ボールがわずかにゴールラインに残っているとしてゴールが認められ、
なんと3分間の間に試合をひっくり返してみせた。

幼馴染のホットラインでスペインから勝ち越しゴールを奪うなんて、
川崎の有馬中学校は校庭に三笘薫と田中碧の銅像を建てるべきだな。

その後も三笘がドリブルで前線に抜け出した流れから、浅野に訪れた決定機があったので、
決まっていればもう少し楽な展開になったかなと思うけど、
さすがにあのシュートは難しかったか。

1点を追う展開となったスペインは、
ゴールを挙げて試合の主導権を奪い返すべくフェラン・トーレスと、
昨夏の東京オリンピックの準決勝で日本から決勝ゴールを挙げたアセンシオを投入。

その後もファティやアルバなど、
他の国であれば主力を張れそうな選手ばかりが途中から出てくるけど、
日本の守備陣が体を張ったディフェンスで仕事をさせない。

特に、鎌田と代わって入った冨安が、ファティに何も仕事させなかったのは圧巻だったね。

とは言え、ドイツとコスタリカの試合でドイツが2点差をつけて勝っていたため、
日本は引き分けだと3位に転落してグループステージ敗退になるので、
1失点も許されない状況にヒヤヒヤしたけど、
7分のアディショナルタイムもスペインの攻撃を凌ぎ切り、日本が勝利。

これで日本はドイツ、コスタリカ、スペインといった強豪と同居するグループEを首位通過し、
アジア勢として初となる2大会連続の決勝トーナメント進出。

日本サッカーの歴史に新たな1ページを刻んだ試合だったね。

辿り着きたかった場所はここではない

ドイツとスペインに勝ったことはもちろん素晴らしいことだけど、
今大会で日本が目標として掲げているベスト8進出が決まったわけではない。

そんな日本がベスト8進出をかけて決勝トーナメントの1回戦で対戦するのは、
前回大会準優勝のクロアチア。

クロアチアとはこれまでに2度対戦しているけど、
一度も勝っていないので油断は出来ない。

ただ、今の日本であれば新しい扉を開いてくれると思うので、
12月5日の夜も勝利を信じて遠くカタールの地で戦う日本の選手たちにエールを送りたいね。

日本21スペイン
’11 アルバロ・モラタ
’48 堂安律
’51 田中碧