【明治安田生命J1リーグ30節 ガンバ大阪vs名古屋グランパス】昨年のダブルのお返しで今年はダブル食らっときますね
チーム状態で言えば裏天王山
前節の飛田給での敗戦から3週間、我らがガンバ大阪はホームに名古屋グランパスを迎えた。
この中断期間中にポヤトスの契約延長が決まり、
三浦やアラーノといった負傷者が戦列に復帰するなどポジティブな話題はあったものの、
鈴鹿ポイントゲッターズとのトレーニングマッチで敗北したり、
ここ数年の低迷の元凶となった強化部長が復帰するなんて話も聞こえてくるなど、
一難去ってまた一難というところ。
一方で、対戦相手の名古屋はシーズンの中盤まで優勝を狙える位置にいたけど、
攻撃の中核を担っていたマテウスがサウジアラビアに去って以降急失速し、
カップ戦も含め8試合勝利無しという状態。
チーム状態で言えば裏天王山と言って良い試合で、
復調のきっかけとなり得る勝ち点3を積み上げるのはどちらになるのか。
CKのゾーンディフェンスにはショートコーナーという常套手段
かつて青黒に栄光の時代をもたらした敵将・長谷川健太のチームを攻略すべく、
ポヤトスがパナソニックスタジアム吹田のピッチに送り出した11人は以下の通り。
これまでどれだけチーム状態が悪くても4-3-3という形を崩してこなかったポヤトスだけど、
ここに来て3バックを採用してきた。
先日、神戸での日本代表戦で、
チュニジア代表として出場していたジェバリはベンチからのスタートだったけど、
ジェバリと同様に代表活動に参加していたネタ・ラヴィは、
イスラエル情勢の急激な悪化に伴う精神面を考慮されてかベンチ外となったね。
(ネタ・ラヴィは今季はもうピッチに立てなくても仕方ないかな。)
試合は、自分たちでボールを動かして攻めようとするガンバと、
相手にボールを持たせてカウンター狙いの名古屋という、
お互いのチームカラーがはっきりと表れた立ち上がり。
その中でも、ここのところ低調なパフォーマンスで批判が集中していた髙尾が、
積極的にドリブルで仕掛けていたのが印象的だったね。
半田が練習に復帰してようやく危機感が芽生えたのか、
それともこの日の対戦相手が中学・高校時代を過ごした名古屋だったので、
期するものがあったからなのかは知らないけど。
そんな試合展開で先に試合を動かしたのは名古屋。
CKのチャンスでショートコーナーを選択した泉が、久保のリターンを受けてクロスを送ると、
このクロスがガンバのゾーンディフェンスの間でフリーになっていた藤井にドンピシャで合い、
ヘディングでゴールネットを揺らされてしまった。
得点には繋がらなかったものの、ちょうどこの失点シーンの5分ぐらい前に、
ガンバにもショートコーナーから得点の機会があったのだけど、
「ショートコーナーからゴールを取るにはこうやればいいんだよ」という、
見本を見せつけられたような格好になってしまったね。
なんとか前半のうちに同点に追いつきたいガンバだけど、
CB河面の負傷交代というアクシデントはありながらも強固な守備を維持する名古屋を前に、
なかなかチャンスを作れない。
前半終了間際に宇佐美のパスを受けた食野がドリブルで抜け出し、
ランゲラックとの1対1の場面を迎えるというこの日最大のチャンスを迎えるも、
これをGK正面にシュートしてしまい、ゴールならず。
結局、1点ビハインドで前半を終えることになってしまった。
赤鯱の最後の壁はかくも高き
後半に逆転を期すガンバだけど、ハーフタイムを挟んでも有効な手立ては見出せず。
前半から周囲とプレーのイメージが合わずに苛立ったような仕草を見せていた山本が、
ユンカーを倒して余計なイエローカードをもらってしまうなど、
チームが上手くいっていない印象は拭えない。
そんな閉塞感を打破すべく、食野と髙尾に代えてジェバリと倉田を投入すると、
さっそくジェバリのポストプレーから倉田がシュートを放つも、
ここもランゲラックに指先で枠外に弾き出されてしまう。(判定はゴールキック)
ゴールにはならなかったとは言え、この形から良い形を多く作り出したいところだったけど、
残念ながらジェバリと倉田が2人の連携で名古屋のゴールに迫ったのは、
このプレーが最初で最後になってしまった。
対する名古屋も名古屋で前半にセットプレーから得点を挙げたものの、
流れの中からはほとんど良い形を作れていないあたりチーム状態の悪さが窺えたけど、
そんなチーム相手にペナルティエリア内で自ら蹴ったクリアボールを、
自分の手に当ててしまう副キャプテン。
どういうわけかこの場面ではVARが介入せず、PKを取られることはなかったけど、
1点差でこの後の試合展開がどうなるかわからない状況で、
みすみす追加点のチャンスを与えようとするなんて、この20番はスパイかなんかだろうか。
気を取り直してゴールを目指したいガンバだけど、泣きっ面に蜂とはよく言ったもので、
この試合も、劣勢な状況ながら気を吐いていたアラーノが負傷してしまう。
アラーノに代わってピッチに入ったのは、金沢からレンタルバックされてきたものの、
ここ2年ケガでまともにプレーしていない塚元。
正直全然期待していなかったのだけど、
宇佐美のスルーパスに抜け出してランゲラックとの1対1を迎えたのは、なんとその塚元。
ただ、名古屋のゴールを守る元オーストラリア代表の守護神の壁は高く、
この場面での塚元のシュートもセーブされてしまい、ゴールが遠い。
その後は左サイドの黒川のところから何度かチャンスを作れそうな場面はあったものの、
マッチアップした久保にことごとく黒川のドリブルを封じ込められてしまい、
ランゲラックを攻略するという状況にまでたどり着けないまま試合終了。
昨季ダブルを達成してガンバのJ1残留に大きく貢献してくれた名古屋に、
今季はそのお返しとばかりに勝ち点6を献上する形になってしまったね。
ダービーで流れを変えてくれ
これでガンバは8月に湘南戦に勝って以降8戦勝ちなし。
ドン底だった春先のような状況で大阪ダービーを迎えることになってしまった。
ただ、ここ数年のパナスタでのダービーの戦績は惨憺たるものだけど、
ヨドコウでのダービーはまだ勝てているので、
6月のルヴァンカップのグループステージ最終節の再現を期待したいところ。
どういう巡り合わせか、その時に決勝ゴールを決めた半田が戦線復帰出来そうなので、
来週はなにがなんでも勝つという気概で長居公園に乗り込んで欲しいと思います。
ガンバ大阪0ー1名古屋グランパス
’26 藤井陽也