【北米ワールドカップ アジア二次予選 日本vsミャンマー】ゴールラッシュで北米に向かって船出した森保JAPAN

2026を目指す戦いが始まる

ドイツやスペインといった欧州の強豪を破り、
世界を驚かせたカタールワールドカップから1年足らず、
我らが日本代表は2026年の北米ワールドカップを目指す戦いをスタートさせる。

カタールワールドカップ以降も日本の勢いは増すばかりで、
ドイツとの再戦やトルコとの親善試合も制するなど、
日本代表の歴史上、一番良い時代を迎えていると言っても過言じゃないけど、
ある程度相手が前に出てくる欧州や南米の国々とは違い、
日本をリスペクトして守備を固めてくる国が多いアジアでの戦いは、また違った難しさがある。

ただ、W杯ベスト8を現実的な目標に掲げる今の日本にとって、
こんなところで躓いているわけにはいかない。

ミャンマー相手に景気良くゴールラッシュを開演して、
森保JAPANの新たな船出を華々しく演出して欲しいところだ。

注文通りに前半で試合を決めた

記念すべき出港の日となった木曜日の夜のパナソニックスタジアム吹田のピッチに、
森保監督が送り出した11人は以下の通り。

三笘や板倉、古橋、旗手などケガ人が続出し、
冨安もベンチから外れるという一見苦しい台所事情ではあるけども、
それでもこれだけのメンバーを揃えられるというのは日本の層の厚さが窺えるね。

スタメンの顔ぶれに特筆すべきところは無かったけど、
堂安と鎌田に関しては先月のインターナショナルマッチウィークで招集外となっているので、
この試合で改めてその価値を示して欲しいところだ。

試合は戦前の予想通り、自陣で5-4のブロックを敷くミャンマーに対し、
日本がハーフコートゲームで試合を進めるという試合展開。

すると、南野が敵陣やや左から上げた浮き球のパスに反応した上田がヘディングで合わせ、
前半11分という早い時間帯で日本が先制に成功。

ミャンマーのGKは上田のシュートに触れていたので、
パワーのあるGKだったら枠外に弾き出されたと思うけど、
あの難しい体勢でのヘディングシュートを枠に飛ばすあたりはさすがの身体能力の高さやね。

その後は、先制されたにも関わらず自陣に引きこもっているミャンマーに対し、
攻めあぐねる時間が続いたけど、
上田がDFラインの裏を牽制して空いたバイタルエリアに走り込んだ鎌田が、
田中碧からのパスを受け、豪快に左足を振り抜き2点目。

さらに前半終了間際には、右サイドでパスを受けた堂安が、
クロスを上げると見せかけてニアの空いたスペースにスルーパスを送ると、
阿吽の呼吸で走りこんだ上田が角度のないところから冷静に流し込み、
リードを3点に広げてハーフタイムを迎えた。

個人的に、「日本人No1FWは上田綺世だ」と数年前から言い続けていたのだけど、
代表だとなかなか良いパスが出て来ず、
その得点力を発揮出来ずにいるのをもどかしく見ていたのだけど、前半の2ゴールを見る限り、
ここに来てようやく周囲が上田の動きを理解出来てきたように感じるね。

故郷に錦を飾った日本のNo10

後半から日本は谷口と鎌田に代えて、渡辺と佐野を投入し、布陣を4-2-3-1から4-3-3へ変更。

すると、左のインサイドハーフにポジションを移した南野の浮き球のパスを受けた上田が、
アウトサイドで少し浮かせたシュートを放ってゴールネットを揺らし、ハットトリックを達成。

さっそく効果を発揮した布陣変更だけど、
今後のワールドカップ予選や年明けに控えるアジアカップに備えて、
新しい布陣をテストする意図もあったんだろうけど、
試合後に入ってきた情報だと、どうも鎌田が腰を痛めたのだとか。

鎌田は、今季移籍したラツィオでも満足な出場機会を得られていないみたいだし、
ケガが長期化してクラブで居場所が無くなるなんてことにならないことを祈りたいね。

ただ、その鎌田に代わってピッチに入り、アンカーのポジションでプレーした佐野は、
代表初キャップとは思えない堂々としたプレーぶり。

中盤の底で粛々とピンチの芽を摘み取る姿を見て、代表チームの活動が終わっても鹿島に帰らず、
このままパナスタで青黒のユニフォームを着てプレーしてくれないかなと思ったものだ。

それにしても、僕が佐野を初めて見た時は、
米子北で背番号10をつけたクリエイティブな中盤の選手だったのに、
どういうタイミングでこんな職人肌のボランチになったんだろうか。

その後もミャンマー相手に一方的に攻め込むものの、追加点を奪えず、
4-0で勝っているわりにはどことなく物足りない感じもしていたのだけど、
後半も終盤に差し掛かった頃、
守田の浮き球のパスを受けた堂安が見事なコントロールで足下に収めると、
左足を一閃し、ゴールラッシュのトリを飾るゴールを決めてみせた。

これが堂安にとってパナスタで行われる代表戦での初ゴールとなったわけだけど、
そんなガンバユースの至宝の記念すべきゴールをアシストしたのが、
幼少時代からガンバサポーターの守田だったというのが、なんともエモーショナルやね。

8連勝で2023年を締めよ

ワールドカップ予選の初戦は苦戦を強いられることが多かった日本だけど、
今回は幸先良く大勝でスタートを切ることが出来た。

そんな日本の次の試合は、アウェイでのシリア戦だけど、
国内情勢が不安定な状態が続くシリア国内での試合は不可能とのことで、
開催地は中立地のサウジアラビア。

まあ、中立地ならアウェイ感を感じることもないだろうし、
そもそも普通に試合をしたら負けることもない相手だと思うので、
確実に勝って今年の代表チームの活動を締めくくって欲しいと思う。

おそらく、今回のミャンマー戦で出番が無かった久保や伊東あたりが出てくると思うので、
今度は彼らにゴールラッシュを楽しませてもらいたいね。

日本50ミャンマー
’11 上田綺世
’28 鎌田大地
’45+4 上田綺世
’50 上田綺世
’86 堂安律