【明治安田J1リーグ14節 ガンバ大阪vs湘南ベルマーレ】前半のゴールラッシュで大勢を決した大型連休の一戦
ゴールデンウィークの連戦を戦い極めろ
宇佐美、食野、そしてヒュメットと、これまで結果が出ていなかった選手たちの活躍により、
首位・京都を降したガンバ大阪は、中3日で湘南ベルマーレとのホームゲームを迎えた。
今季の序盤は首位に立つなど好スタートを見せた湘南だけど、
ここ最近は勝ち点を伸ばせなくなっているので、得意のホームで叩いて弾みをつけ、
次節の決戦の地、埼玉スタジアムに向かいたいところだ。
ゴールデンウィークの連戦は、見ている分にはたくさん試合があって楽しいのだけど、
プレーしている選手たちは大変なのは間違い無い。
ガンバの場合、歪な編成の煽りを受けて極端に層が薄いポジションがあり、
出突っ張りの選手も何人かいるので、
これ以上負傷者を増やさないためにも上手く選手をやりくりしながら戦って欲しいと思う。
前半だけで試合を決めてしまった青黒
前節、スタメンのチョイスでアッと言わせたポヤトスが、
憲法記念日の吹田のピッチに送り出した青黒の11人は以下の通り。
食野と山下に代わりファン・アラーノと岸本が入っただけで、
残りの9人は前節のスタメンと同じ顔ぶれ。
湘南との対戦は、4バックvs3バックで生じるギャップを使われて、
ボールを持たれる展開になることが多いけど、
さて、この試合ではどうなるかな？と思っていたら、試合はいきなり動く。
一森からのロングキックを岸本が頭で落とした流れからヒュメットにボールが渡ると、
ドリブルで運んだヒュメットが左足を一閃し、
名手・上福元でも防げないニア上の絶妙なコースに強烈なシュートを突き刺してみせた。
前節、ファン・ウィジョを彷彿とさせる斜め45度からの右足シュートを決めたかと思えば、
今度は名古屋のマテウス・カストロばりの左足でゴールを決めるという、
前々節までのもっさりした動きが嘘のようなチートぶりに驚きを隠せない。
前半2分で先制に成功したガンバは、
その後も湘南の3バックの脇のスペースをカウンターで攻略し、チャンスを量産。
アラーノのスルーパスに抜け出した宇佐美のシュートのこぼれ球を
岸本がスライディングで押し込んで前半13分に追加点を奪えば、
前半29分にはアラーノの左サイドからのクロスを逆サイドから詰めていた岸本が決め、
なんと岸本はこの試合でドッピエッタの大活躍。
オンザボールの動きは物足りないところがある岸本だけど、
走っていて欲しいところに走ってくれるオフザボールの動きは、まさに背番号15の真骨頂。
っていうか、岸本がこんなに調子良いんだったら、
町田戦と柏戦で菱形の中盤なんてよくわからん戦術を採用する必要無かったのでは？
と思うけど、まあ、今更言っても遅いか。
その後は、小野瀬が犯したファウルで得たFKから中谷のゴールまで飛び出し、
前半だけで4得点と今季ここまでのベストパフォーマンスと言っても良い試合展開。
一方の湘南は、大野に代えて藤井を投入した直後に小野瀬が負傷してしまい、
前半のうちに交代回数を2回使ってしまうなど、
山口監督にとっては泣きっ面に蜂のような試合展開だったね。
4点リードでアクセルを全開にする必要はない
4点リードでハーフタイムを迎えたポヤトスは、後半頭から満田に代えて倉田を投入。
開幕節の大阪ダービーと国立でのFC東京戦での大敗が響き、
得失点差で不利な状況にあるガンバにとって、
後半も得点を重ねて得失点差のマイナスを減らしたいところだったけど、
後半は前半と一転して速攻がハマらなくなり、湘南に攻め込まれる場面が増えてしまった。
これは、満田が倉田に代わったからと言うより、
前半の終盤に湘南が大野に代えて藤井を投入して4バックに変更したことで、
ガンバが狙っていた湘南の3バックの脇のスペースを
埋められてしまったことが原因だったかなと思う。
しかしながら、大量リードしてても集中を切らさない一森のセーブもあり、
湘南にゴールは許さない。
その後は、アラーノと宇佐美に代えて食野と南野、ヒュメットに代えてジェバリと、
中2日で迎える次節のアウェイ浦和戦に備えて選手を入れ替え。
最後は、半田に代えて中野を投入し、
今季公式戦フルタイム出場中の選手も休ませることに成功。
(と、言っても82分も出場しているからフル出場しているのと大して変わらないけど)
なかなか出場機会の無い中野だけど、
積極的に前に出て何度か湘南の選手からボールを奪うなど、
本職ではない右サイドでの起用ながら良いプレーを見せていたと思う。
結局、最後まで一森が守るゴールマウスを破られることなく、クリーンシートで2連勝。
山口監督になってから戦いにくい相手になった感のあった湘南だけど、
この試合はそんな意識を感じることなく勝利を収めることが出来たね。
いざ、スコルジャアレルギー克服へ
内容の伴った勝利を収めたガンバの次節の試合は、
中2日で埼玉スタジアムでの浦和レッズ戦。
スタートダッシュに失敗した浦和だけど、
故障離脱していた渡邊凌磨の戦線復帰以降絶好調で、9年ぶりの目下5連勝中だとか。
それに加え、ガンバはスコルジャ率いる浦和には一度も勝った事が無いなど、
今季初の3連勝に向けて難しい要素がいくつもあるけど、
この試合の前半に見せたようなパフォーマンスが発揮出来れば、
ゴールデンウィーク最終日に埼玉スタジアムを訪れた大観衆を黙らせる事ができるはず。
絶好調の渡邊は高校時代の盟友の鈴木徳真に抑えてもらって、
火曜日は対スコルジャレッズ相手の初勝利といきたいところやね。
ガンバ大阪４ー０湘南ベルマーレ
’2 デニス・ヒュメット
’13 岸本武流
’29 岸本武流
’35 中谷進之介
