【EAFF E-1 サッカー選手権 日本vs香港】中国戦の閉塞感を払拭した5発の花火

2023年1月1日

カンフーもテコンドーも使わなかった香港

普段であればE-1の参加国は、日本、韓国、中国、北朝鮮の4国なんだけど、
北朝鮮の国内情勢に鑑みてか、今回のE-1には北朝鮮に代わって香港が出場。

いくら今回の日本代表が急造チームとは言っても、
さすがに香港には難なく勝つだろうと思っていたけど、
そんな香港は先日の韓国戦で0-2と粘りの守備を見せていたので、
実際、大量得点は難しいのかなと思っていた。

ところが、蓋を開けてみると、先日の中国戦での閉塞感が嘘のようなゴールラッシュ。

中国戦の後のブログで、「このような試合をしていたら韓国には勝てない」と書いたけど、
この香港に2点しか取れない韓国相手だったら、
意外と勝機はあるんじゃないかと思ってきた。

また、中国戦では試合そのものよりも、
中国選手のカンフーキックの方が話題になってしまったところがあったけど、
香港の選手たちは点差が開いてもラフプレーに走らず、
冷静にフェアにプレーしてくれたことについては感謝したい。

まあ、香港の次戦相手は中国なので、最近の香港の国内情勢を考慮すれば、
この試合のように冷静にといくのは難しいのかもしれないけど。

NO MORE 未完の大器

この試合の日本のスタメンで注目だったのは、
何と言っても、Jリーグ得点王にしてMVPのマリノスの仲川輝人。

しかしながらその仲川は、要所で個人技の高さは見せていたものの、
目立った活躍は出来ず、ゴールラッシュに沸く日本の攻撃陣の中で1人蚊帳の外だった。

そんな仲川と対照的にこの日の主役になったのは、1トップで先発出場した小川航基。

U-20W杯の時に負った大怪我の影響が色濃く、今季も水戸にレンタルされるなど、
その才能に反してキャリアが軌道に乗っていない感はあるけど、
190cm近い長身とパンチ力のあるミドルシュートを見るとロマンを感じるFWである。

個人的には、今のA代表のエースである、
大迫勇也の後釜に収まることが出来るだけの器だと思っているので、
この試合のハットトリックを契機に才能を開花させて欲しいと思う。

ちなみに代表デビュー戦でのハットトリックというのは史上3人目ということで、
とんでもない偉業のようにも聞こえるけど、2人目の達成者が平山相太と聞くと、
あんまり大したことないように感じてしまうのは気のせいだろうか。

等々力と化した釜山陸上競技場

中国戦の時は連携の綻びが目立った日本だったけど、
どういうわけか、この試合では連携不足の場面はあまり見られなかった。

中国戦から中3日で急に連携が良くなるなんて、
もしかして森保監督はとても有能な指揮官なのでは?と思いたいところだけど、
実際は、この試合のダブルボランチが、
大島と田中碧の川崎コンビだったのが大きかったんじゃないかなと思う。

中国戦のダブルボランチは、プレースタイルが同じ井手口と橋本で、
所属クラブが異なる上に練習期間も無く、
役割分担も手探りでやっていたところがあったと推察するけど、
普段、麻生のグラウンドで一緒に練習している2人であれば、
コンビを機能させるのに時間は掛からない。

田中碧がボックストゥボックスでピッチを縦横無尽に走り回り、
大島がバランスを取りながらゲームを組み立てるという補完性も抜群で、
中盤を完全に支配することが出来た。

これにより、両サイドの菅と相馬も常に高い位置を取ることが出来たことが、
この試合の日本の前線の攻撃力を引き出すことに繋がった。

今の日本代表は柴崎の代わりがいないと言われているけど、
その柴崎のタスクをこなせるのは大島しかいないと思っている。

それだけに今回のE-1では、彼を苦しめてきたケガに苛まれることなく、
日本代表での活動を完遂して欲しいね。

森保一、手の平を返させてくれ

6年ぶりのE-1優勝を懸けて最後に対戦するのは開催国の韓国。

客観的に見て、今回の代表のメンバーで勝つのは厳しいかなと思っているのだけど、
勝っても負けても後味が悪くなる対戦相手なので、
ぐうの音も出ないほど打ちのめしてやりたいのが本音である。

中国戦に引き続き、またしても交代枠を余らせた采配には疑問符が付くけど、
中国戦と香港戦で良かった選手を融合させて、
ベストの布陣で次の水曜日の試合に臨んで欲しいね。

日本50香港
‘8 菅大輝
’14 田川享介
’26 小川航基
’45+1小川航基
’58小川航基