【明治安田生命J1リーグ24節 清水エスパルスvsガンバ大阪】山見大登、ようこそガンバ大阪へ
西京極や三ツ沢で残したものは幻ではない
月曜日の徳島戦の敗戦のショックの余韻もまだ残る水曜日の朝、
我々ガンバ大阪サポーターの耳に飛び込んできたのは、
その徳島に一美が完全移籍するというニュースだった。
今季は、本職でないシャドーでの起用がほとんどだったこともあってか、
18試合出場で1ゴールと結果を残せていなかった一美だけど、
攻撃の形に乏しい今のガンバでは、トップのポジションで起用されていても、
大して成績は変わらなかったかな。
ガンバに入団することが決まった一美という選手がどんなプレーをするのか見たくて、
選手権1回戦の大津vs前橋育英の試合を見にフクダ電子アリーナに行ったことが、
ついこの前のように思えて寂しい気持ちになるけど、鋭いターンで前を向き、
力強くゴールを目指すプレーで、今度は鳴門のファンを熱くさせてほしいね。
それにしても、京都、横浜FCで2年間武者修行をさせて、
満を辞してレンタル復帰させた選手を半年で完全移籍で放出するなんて、
ガンバのフロントは一体どんなチーム強化のロードマップを描いているんだろうか。
決定力不足は見るに耐えん
フライデーナイトに日本平に乗り込んだ青黒のスタメンは以下の11人。
2試合続けて布陣をいじった松波監督だけど、この試合では素直に3−4−2−1を採用。
スタメンの顔ぶれに関しては特に思うところは無かったけど、
2試合続けてパトリックがベンチ入りもしていないところを見ると、
ケガでもしたのだろうか。
今のガンバで一番得点を期待できるFWが離脱となるとかなりの痛手なので、
一日でも早く戦線復帰してくれることを願いたいね。
西日本を襲った荒天により雨風がピッチに吹き荒ぶ中、
試合が始まってまず主導権を握ったのはガンバ。
藤春から矢島、柳澤からレアンドロ・ペレイラと、
両翼から立て続けにチャンスボールが供給されるもゴールに結びつけられず。
そんなことをしているうちに試合の主導権は清水に移ってしまうのだけど、
こちらもチアゴ・サンタナ、ヴァウド、鈴木唯人に決定機が訪れるも無得点。
両チームが近い順位にいる理由がなんとなくわかるような前半だったね。
背番号37がもたらした土壇場での勝ち点3
前半から降り続いていた雨風がさらに強まった後半。
後半10分にチアゴ・サンタナがCKからゴールを決めて均衡が破れた
…かと、思いきや、VTRで見たら猫パンチでゴールを決めていてイエローカード。
対するガンバもレアンドロ・ペレイラがゴール前で強烈な反転シュートを放つも、
ヴァウドに当たってコースが変わリ、ゴールポストに弾かれてゴールならず。
そんな後半もお互いにゴールが遠い展開の中、
後半31分に倉田に代わってひっそりとピッチに入ったのが、
来季からのガンバ入団が内定している関学の山見。
パトリックがケガ、一美も移籍してFWがいなくなったから、
仕方なく遠征メンバーに帯同させていたのかと思っていたのだけど、
ピッチに入って早々、いきなり強烈な右足のシュートで名手・権田を強襲。
「ん?なんかすごいぞコイツ」と思っていたら、
今度は自陣からのロングフィードに右サイドを抜け出してカットインすると、
ファーサイドのサイドネットに左足でコントロールシュートを決め、
値千金の決勝点をもたらしてみせた。
プロデビュー戦でこんなプレーが出来るなら、来季からなんて悠長なこと言ってないで、
今すぐにでもFWの一角としてフル稼働してほしいぐらいだわ。
ただ、ちょっと気になったのが、清水は山見のデータが無かったのか、
びっくりするぐらいマークが甘かったね。
一昨年の吹田での大阪ダービーで、3−5−2の新布陣で奇襲を仕掛けた宮本前監督が、
ロティーナ率いるセレッソに勝利を収めたように、
相変わらずロティーナのチームはプランに無いことがピッチ上で起こると脆いよな。
元日のピッチを目指す真夏の戦い
次節はホームでのFC東京戦だけど、
その前にまだ消化出来ていない天皇杯の3回戦、松本戦があるね。
今季の松本は、一時はJ3降格もちらつくような低調なチーム状態だったけど、
監督が名波浩に代わり、直近の秋田戦では4点取って勝利しているし、
調子が上向きつつあるように見える。
本音を言えば調子が悪い時に対戦しておきたかったところではあるけど、
今更言ってもしょうがないので、次の水曜日までの中4日でいい準備をして、
天皇杯4回戦進出を決めてほしいと思います。
清水エスパルス0−1ガンバ大阪
’82 山見大登