【明治安田J1リーグ5節 サンフレッチェ広島vsガンバ大阪】今のところピースウイングで負けていないのはガンバだけ

無敗でエイプリルフールを迎えよう

終盤の猛攻を耐え凌ぎホーム2連勝を飾った磐田戦から2週間、我らがガンバ大阪は、
今季2度目となるピースウイングでサンフレッチェ広島とのアウェイゲームに臨んだ。

直近6週間で3試合目と、
まるで早々にカップ戦のタイトル争いから脱落したシーズン終盤のような試合間隔なので、
好調ムードに水を差されないか心配だけど、
食野や三浦、ファン・アラーノといったケガ人が戦列に復帰するなど、
ポジティブな要素もあるので、問題なく試合に臨めるだろう。
(まあ、松田陸や坂、岸本など入れ違いに負傷離脱した選手はいるけども・・・)

先月のこけら落としでは、岸本と倉田のゴールで逆転勝利を収めているとは言え、
その時の対戦で欠場していた大迫敬介が復帰しているから、
こけら落としでの勝利を再現するのは簡単ではないけど、
今のガンバであれば3月を無敗で終えることは可能なはずだ。

神が宿ったゴールポスト

広島との無敗対決に臨むガンバのスタメン11人は以下の通り。

前節の磐田戦から福岡と打撲で負傷離脱した岸本が外れ、
負傷から戦列に復帰した三浦とアラーノが入れ違いにスタメンに名を連ねた。

この試合でも1トップでスタメンを飾った宇佐美には、
クラブ記録となる開幕4試合連続ゴールの期待がかかる。

良い試合の入り方が出来たのはガンバの方で、
左ウイングに入ったウェルトンが塩谷との1対1を制して何度もチャンスメイクをすれば、
宇佐美はゴールまで25mはあろうかという距離からブレ球でゴールを狙うなど、
ガンバサポーターにゴールの期待を抱かせる。

ただ、この試合で宇佐美が輝いた場面は前半14分のこの時だけだったように思う。

宇佐美がサイドに開いても中盤に下がっても、
そこにはガンバの下部組織出身者でもある広島の背番号4・荒木がセットでついてきて、
宇佐美に自由を与えない。

黒川は大学の先輩である荒木とのマッチアップを楽しみにしていたようだけど、
どうもこの日の荒木の視野には宇佐美しかいないようだったね。

すると、前半の中盤から広島に流れが傾き始め、シュートを浴び続ける試合展開になるも、
三浦と中谷のCBコンビが体を張った守備を続け、ゴールを割らせない。

そんな2人の頑張りに共感したのか、アウェイゴール裏側のゴールポストもガンバに味方し、
ピンク時代に何度も辛酸を嘗めさせられた加藤陸次樹のシュートを、
左ポストと右ポストが共同作業で跳ね返すというスーパーディフェンスを見せ、
前半を無失点で終えることに貢献。

前半終了間際に山田に訪れた決定機が決まっていれば、
良い形でハーフタイムに入ることが出来ていたけど、
昨年までだったら前半で大勢が決してしまっていたような試合展開で、
スコアレスで前半を終えることが出来たのはチームの成長と考えて良いだろうね。

胸糞移籍劇の主役に帳消しにされたウェルトン砲

お互いに選手交代無く迎えた後半も広島攻勢の試合展開。

そんな状況を打破すべく、鈴木徳真と佐々木との1対1で完敗していたアラーノを下げ、
倉田とイスラエル代表帰りのネタ・ラヴィを投入。

磐田戦で倉田の右サイド起用が機能しなかったからなのか、
この日は倉田を左サイドに入れて、ウェルトンを右サイドに回したけど、
今度はウェルトンの右サイド起用があまり機能せずカウンターの迫力を失ってしまい、
広島にとって楽な試合展開にしてしまったように思う。
(両利きという触れ込みで入団したけど基本は左サイドの選手じゃないだろうか)

これを受けたポヤトスは、宇佐美に代えて坂本を投入するタイミングで、
倉田とウェルトンのサイドを入れ替えると、その効果はピッチ上で表れる。

ネタ・ラヴィがワールドクラスのターンを連発して広島のプレスを掻い潜り、
DFラインの裏へ走った坂本にスルーパスを供給すると、
坂本の低いクロスは飛び出した大迫に弾かれるも、
こぼれ球をウェルトンが詰め、後半31分にガンバが先制に成功。

6億という市場価値に違わぬクオリティを見せてくれたブラジリアンに、
Jリーグ初ゴールが生まれたけど、残念ながらその歓喜は長くは続かず。

アルビレックス新潟で定期的に発生する胸糞移籍劇の最新版で広島に入団した新井に、
ファーストプレーで強烈な左足ミドルを叩き込まれてしまい、
ガンバのリードは2分で消滅してしまった。

新井と言えば、2節の新潟戦でガンバの決勝点となるPKを献上してくれた選手なので、
この試合でベンチ入りしているのを見て、
「もう一度PKをプレゼントしてくれないかな」なんて思っていたのだけど、
そんな虫のいい話は無いってことね。

その後もお互いにチャンスを作るも、
ダワンに代わって投入された食野が決定的なチャンスを決めることが出来ず、ドロー決着。

マリノスのACLの日程の関係で消化試合が1試合少ないという注釈はつくけど、
スロースターターでお馴染みのガンバが無敗で3月を終えるなんていつ以来だろうか。

水曜日の夜の吹田にガンバクラップを響かせろ

勝ちたかったけど、優勝候補の広島相手にアウェイで勝ち点1だったら悪い結果ではないし、
どちらかと言うとこの試合展開で勝てなくて痛いと思っているのは広島の方だろうね。

お互いにゴール前の展開が多いスリリングな試合だったので、
見ている分には面白い試合だったけど、その分選手たちの消耗は大きいと思うので、
4日後の京都戦に向けてしっかりとリカバリして欲しいね。

京都は金曜日の夜にヴェルディと対戦しているので、日程面で不利な戦いになるけど、
京都を降してホーム3連勝といきたいところだ。

サンフレッチェ広島11ガンバ大阪
’76 ウェルトン
’78 新井直人