【北米ワールドカップ アジア最終予選 日本vs中国】7発の号砲とともに幕が開いた最終予選の戦い
人ではなくボールを蹴って白黒つけよう
ドイツとスペインを降して世界を驚かせたカタールワールドカップから2年、
前回大会以上の驚きを世界に与えるべく、
北米ワールドカップ行きの切符を掴みに行く我らが日本代表は、
アジア最終予選の初戦で中国とのホームゲームに臨んだ。
柏の関根や広島の中野といった実力者を差し置いてなぜか町田の望月が選出されたり、
ピッチ外でのトラブルで代表活動から離れていた伊東純也が代表に復帰したという2点が、
今回の日本代表選考のサプライズといったところか。
まあ、このメンバーであれば中国に負けることは考え難いけど、
5年前のE-1選手権で中国の選手が橋岡の後頭部に飛び蹴りを見舞ったなんてこともあったので、
試合に勝つことと同じぐらいケガ人が出ずに試合が終わることを願いたいところだ。
最初の45分で決した試合の趨勢
審判団が使用する無線機のハプニングで試合開始が遅れるという、
”何が起こるか分からない最終予選”を象徴するような出来事に見舞われた一戦で、
森保監督が埼玉スタジアムのピッチに送り出した日本代表のスタメン11人は以下の通り。
この試合に臨む日本代表が堂安と三笘をWBに置いた3-4-2-1の布陣を採用すると予想した人は
果たしてどれぐらいいただろうか?
6月に行われたアジア2次予選のミャンマーとの試合でも、
この試合と似たような布陣を採用していたけど、
その時は両WBが菅原と中村敬斗だったので、今回はさらに攻撃的に出たように見えるね。
おそらくこの布陣は、カタールワールドカップでのグループステージ2節で、
守備を固めたコスタリカを崩せずに敗れた反省から採用したものと思っているので、
コスタリカと同様に、日本相手に守備を固めてくるであろう中国と相対するには、
理に適っている布陣のように思えた。
しかしながら、この試合の中国は序盤から前に出てきたので、
日本としては予想外の部分はあったと思うけど、
経験のある選手たちはそんな些細なことに動ずることなく、
程なくハーフコートゲームに持ち込んでしまった。
すると、堂安とのポジションチェンジで右サイドに開いた久保のクロスを、
堂安がヘディングで合わせ、この日最初の決定的なチャンスを作り出す。
この堂安のシュートは中国のGK・ワン・ダーレイの好セーブに阻まれるも、
このプレーで得た久保のCKを遠藤が決め、前半12分に日本が先制に成功。
中国のセットプレーの守備がマンツーマンであることを踏まえて、
意図的に中国のディフェンダーを同じ場所に集め、
ニアサイドに作り出した広大なスペースに走り込んだ遠藤が、
楽々とフリーでヘディングシュートを決めたという作品だったね。
その後も、右サイドでは10番と20番が頻繁にポジションチェンジを繰り返せば、
左サイドはアイソレーションでスペースを与えられた三笘がドリブルで切り裂くという、
攻撃の作り方が異なる両サイドで中国のDF陣を撹乱するも、
中国のGKの孤軍奮闘の活躍によりなかなか追加点は奪えず。
ここまで危ない場面は無いとは言え、
ラッキーパンチを食らう可能性もなきにしもあらずなので、
1点リードだけだと心許ないなと思っていたら、
堂安が右サイドから左足であげたクロスに対し、
ファーに飛び込んだ三笘が合わせ、前半アディショナルタイムに追加点。
試合は残り45分あるけど、これまでの中国の戦いぶりを見る限り、
後半で3点取れるような力は無いように見えたので、
前半で勝負あったと言っても言い過ぎでは無いと思う。
ピッチに帰ってきたイナズマ
中国のイバンコヴィッチ監督は、
ハーフタイムで右のサイドハーフを務めていた20番の選手を下げ、
3番のDFの選手を投入して布陣を4-4-2から5-3-2へ変更してきた。
負けているチームの選手交代とは思えない采配だけど、
おそらくこの試合に勝つことはもう諦めて、
得失点で大きくマイナスにならないように、
ゴール前を固めてこれ以上の失点を防ごうという意図だったのかなと思う。
ただ、中国が中盤の人数を減らしたことで、
日本の中盤が余裕を持ってボールを動かせるようになったので、
却って日本を有利にしてしまう選手交代だったんじゃないだろうか。
すると、その効果は早速現れ、
三笘のパスを受けた南野が絶妙なタッチからゴールネットを揺らせば、
その6分後には上田のポストプレーからまたしても南野が決め、
あっという間に日本のリードは4点に。
勝利を確信した森保監督は、代表に復帰した伊東純也を三笘に代わって投入し、
埼玉スタジアムに詰めかけた観衆を沸かせれば、
今度は遠藤に代わって20歳の高井を投入するなど、将来を見据えた采配まで振るって見せた。
特に伊東に関しては、ピッチに登場して観客を沸かせただけでなく、
これまでの鬱憤を晴らすかのような1ゴール2アシストの大暴れで、
今なお日本代表のベストプレーヤーの1人であることを結果で証明してみせたね。
一方の中国は、前半こそ南野に足裏を見せたタックルを見舞ったり、
板倉の顔面にエルボーをかましたりと相変わらずな場面はあったけど、
後半になって点差が開くとすっかり意気消沈してしまったようで、
ラフプレーをする気力すら無くなったように見えたね。
中国に帰化したブラジリアン達が、中国の弱さに幻滅して母国に帰国しやしないかと、
余計な同情をしてしまったわ。
バーレーン相手ならGKにも仕事はあるはず
北米ワールドカップのアジア最終予選の初戦を対象で飾った日本代表の次の試合は、
アウェイでのバーレーン戦。
バーレーンとは1月に行われたアジアカップのラウンド16での対戦し、
その時は3-1で勝利することが出来たものの、
バーレーンもその時の試合を踏まえて対策をしてくるだろうし、
同じようにはいかないと思っておいたほうがいいかもね。
また、アジアカップでの1失点は鈴木彩艷のミス絡みからのものだったので、
もし来週のバーレーン戦でも鈴木彩艷がゴールマウスを守るのであれば、
1月に犯したミスを忘却の彼方に葬るような活躍に期待したいところだ。
日本7ー0中国
’12 遠藤航
’45+2 三笘薫
’52 南野拓実
’58 南野拓実
’77 伊東純也
’87 前田大然
’90+5 久保建英
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