【北米ワールドカップ アジア最終予選 インドネシアvs日本】帰化選手だけで勝てるほど最終予選は甘くないということ

ケガ人が出て改めて認識する日本の選手層の厚さ

10月に行われたホームでのオーストラリア戦はドローに終わるも、
依然として北米ワールドカップアジア最終予選のグループCで首位に立つ我らが日本代表。

今回対戦するインドネシアは帰化選手登用によるチーム強化が功奏し、
サウジアラビアやオーストラリアと引き分けるなど健闘しているけど、
さすがに本大会への出場権を獲得できるほどの力は無いだろうし、
今の日本代表であれば無難に勝利できる相手だと思う。

上田や谷口といったところがケガで今回の代表メンバーからは外れているけど、
代役を務める選手たちも経験は豊富なので、クリティカルな問題にはならないだろうしね。

苦しかったのは1点取るまでの話

雨の中、7万8千人という大観衆が見守る、
グロラ・ブン・カルノ・スタジアムのピッチに立った日本代表のスタメンは以下の11人。

谷口の負傷により3バックは右から橋岡、板倉、町田の並びとなり、
1トップの上田の代役は予想通り小川。

また、対戦相手により人選が変わることが多いシャドーのポジションは、
この日は鎌田と南野という組み合わせで来たね。

見るからにボールが転がらなさそうな鈍重なピッチは、
降りしきる雨によってかなりボールコントロールが難しくなっていて、
両チームとも適応に苦戦していた様子。

そんなピッチコンディションの最初の餌食となったのが板倉で、
ロングボールの処理を誤ってインドネシアの選手に入れ替わられてしまい、大ピンチ到来。

ここは鈴木彩艷が1対1を防いで難を逃れることが出来たけど、
もしこの場面で先制されていたらかなり難しい試合展開になっていただろうから、
この試合の行方を左右するビッグプレーだったと思う。

その後は、雨が弱まるのに比例するかのように試合展開が落ち着き、
5-4の守備ブロックを敷くインドネシアを攻略すべく、日本がポゼッションを高めていく。

先月のオーストラリア戦と似たような試合展開になったけど、
オーストラリアとインドネシアが決定的に違ったのは、
インドネシアは守備のラインは揃っているものの隙間が空きがちだったので、
狭いスペースで受けられる鎌田と南野であれば攻略可能だと思って見ていた。

その時が来たのは前半35分、町田の縦パスを受けた守田がワンタッチで鎌田に落とすと、
(狙ったパスなのかトラップミスなのかどっちなんだろうか?)
鎌田のクロスから元セレッソのハブナーのオウンゴールを誘発し、日本が先制。

先制ゴールの余韻も冷めやらぬ前半40分には、
鎌田のスルーパスに抜け出した三笘のクロスから南野がニアの狭いコースを射抜き、
2-0としたところで前半が終了。

先制点を挙げるのに少し時間がかかった感はあるけど、
2点リードしてハーフタイムを迎えることが出来たのは上出来だったと思う。

不本意にベンチを温めていた男の矜持

前半の戦いぶりに問題が無いように見えたので、
前半と同じ11人を後半のピッチに送り出すのかと思いきや、
森保監督は、南野に代えて前田大然を投入して左WBに配置し、
三笘のポジションをシャドーに上げるというポジション変更を敢行。

すると、インドネシアの後方でのビルドアップの過程で、
インドネシアのGKが守田にパスを送ってしまうと、
守田はペナルティエリア外からシュートを決め、
後半開始早々に思わぬ形で日本に追加点がもたらされることに。

インドネシアのGKのミスと言えばミスだけど、プレスの守備範囲が広い前田を投入したことで、
守田の敵ボール時の立ち位置が前に変わっていたことで生まれた得点だったので、
森保監督の狙い通りの形だったんじゃないだろうか。

3点リードしたことで余裕が出たのか、後半17分に堂安に代わって投入されたのは、
最終予選になってここまで一度も出場機会の無い菅原。

「WBにはSBではなく本来は2列目のプレーヤーを起用する」という、
最終予選に入ってから森保監督が採用した戦術の割りを食う格好で、
出場機会を無くしていた菅原だけど、
この試合ではその鬱憤を晴らすようなパフォーマンスを発揮。

伊東純也のスルーパスに菅原が抜け出すと、
角度のない場所からニアの天井をぶち抜くという、
ストライカー顔負けのシュートを叩き込んで日本に4点目をもたらせば、
ゴールにはならなかったけどCKのこぼれ球を拾ってミドルシュートを放ち、
あわやという場面を作るなど大暴れ。

菅原が3バックのWBにも適応可能だとわかったことで、
ますます森保監督はスタメンの人選に頭を悩ませることになるだろうね。

その後は、鎌田と小川に代わって、旗手と代表初キャップの大橋を投入し、
その大橋が初出場初ゴール・・・という都合の良いストーリーにはならず、
スコアは動かないまま試合終了。

ホームで引き分けに終わった先月のオーストラリア戦の不完全燃焼感は、
この試合で完全に払拭出来たと言ってもいいだろうね。

もう一度中国を奈落の底に突き落とせ

次戦は中3日でアウェイの中国戦。

9月に埼玉スタジアムで中国相手に7-0で勝利した時は、
このまま中国は1勝も出来ずに最終予選を終えるんじゃないかと思っていたけど、
その後インドネシアとバーレーンに勝利して勝ち点を6に伸ばし、
オーストラリアとサウジアラビアと勝ち点で並ぶという状況になっている。

北米行きの芽が出たことで、次の日本との試合では、
どんな汚い手を使ってでも勝ち点を取りに来るだろうから、
埼玉スタジアムで対戦した時と同じようにはいかないと思っておいたほうがいいかもね。

まあ、それでも今の日本であれば勝利してくれると思いますが。

インドネシア04日本
’35 オウンゴール
’40 南野拓実
’49 守田英正
’69 菅原由勢