【明治安田生命J1リーグ9節 ガンバ大阪vs横浜FC】ポストとクロスバーが決着を阻んだ裏天王山

不本意ながらここが前半戦の山場

我らがガンバ大阪の今季ここまでのリーグ戦の戦績は、1勝3分4敗の勝ち点6で、
この数字は、昨年の片野坂監督、一昨年の宮本監督時代よりも悪いものだ。

それにもかかわらず、ここまでポヤトス監督解任の声があまりあがっていないのは、
結果こそ伴っていないものの、
ピッチ上で繰り広げられているサッカーが明らかにポジティブな方向に変わりつつあることと、
今季はJ1からJ2への降格枠が1つだけという2つの理由からだろう。

そして、現在、8戦未勝利で1席しか無いJ2への降格枠に収まっているのが、
ガンバの今節の対戦相手である横浜FC。

流石にここを落とすようだと、
「今季はガンバのサッカーの土台を作る年だ」なんて悠長に構えていられなくなるので、
この試合だけは内容度外視で結果にこだわってプレーして欲しい。

7番の生かし方

シックスポインターズに臨む青黒のスタメン11人は以下の通り。

先日のルヴァンカップのFC東京戦でまずまずのパフォーマンスを見せた福岡が、
出場停止のクォン・ギョンウォンの代わりに最終ラインに入ったのは予想通りだったのだけど、
石毛がベンチにも入っておらず、宇佐美がスタメン出場したのには驚いた。

替えのきかない存在になっていた石毛だけに、もし負傷離脱となると相当痛手なのだが・・・

ホームゴール裏がエンターテイナーを歌っている間にCKを与え、
そのCKから失点しそうになるという、
先月何度も目にした光景に思わず頭を抱えそうになったけど、
その後はガンバが試合の主導権を握り、70%近いボール支配率を記録。

すると、横浜FCのスローインをカットした流れから、
アラーノが左サイドから低いクロスを送ると、ニアでジェバリがスルーし、
後ろにいた宇佐美がインサイドキックで空いているコースに流し込み、
前半13分にガンバが幸先良く先制。

見た目以上に難易度の高いシュートだったと思うけど、
これを簡単そうに決めてしまうあたり、宇佐美の技術の高さが垣間見えたね。

その後もジェバリのヘディングシュートがブローダーセンにセーブされるなど、
決定機を作っていたので、追加点が入るのも時間の問題のように思われた。

ところが、山下に左サイドを突破されて小川航基に反転シュートを放たれたあたりから、
徐々にアンカーのネタ・ラヴィの両脇のスペースをカバーできない場面が目につき始め、
ガンバのボール保持が長かった時間帯には気にならなかった宇佐美の守備の強度不足が、
ここに来て気になってくる。

その後も、小川航基にポスト直撃のミドルシュートを打たれるなど、
横浜FCにも決定機が増えてくると、CKからンドカ・ボニフェイスに決められ、
前半43分にスコアを振り出しに戻されてしまった。

宇佐美をインサイドハーフで起用するメリットとデメリットが、
はっきりと出た前半だったように思う。

伏兵?に阻まれた勝ち越しゴール

前半の最後の方は横浜FCに押し込まれてしまったガンバだけど、
後半に入ってダワンがいきなりブローダーセンとの1対1を迎えるなど、
良い後半の入り方が出来たように思う。

ただ、その後もCKからのサインプレーで、
ネタ・ラヴィがペナルティエリア外からミドルシュートを狙ったり、
三浦がヘディングシュートを放つ場面を作ったものの、
いずれもゴールネットを揺らすことが出来ず。

そんな膠着状態を打破すべく、ポヤトスは、杉山に代えて山見を投入して左ウイングに入れ、
左ウイングのアラーノを右ウイングへポジション変更すると、
さらに2枚目の交代カードで半田に代えて投入したのは、
先日のルヴァンカップ・FC東京戦の試合終了間際に幻の同点ゴールを挙げた髙尾。

DAZNで解説を務めていた橋本英郎がこの交代に疑問を呈していたように、
得点が欲しい状況でサイドバック同士を交代させる意味はあまり無いように思えたのだけど、
その髙尾は、昨季までは見たことがない華麗なドリブル突破で、
右サイドから何度もチャンスメイク。

宇佐美や倉田、食野といった、テクニックがあるとされていた選手たちが、
ポヤトスのサッカーへの適応に苦戦する中、
ポヤトスのサッカーに適用できないだろうと見られていた髙尾が、
半田にポジションを奪われている間に成長を遂げているところを見ると、
結局のところ新しいサッカーに適用できるかどうかは本人の意識次第なんだなと思えてくるね。

髙尾の投入後、さらに攻勢を強めたガンバに対し、横浜FCの四方田監督は、
エースの小川航基に代えてDFのマテウス・モラエスを投入し、
5バックにしてドロー決着を狙ってきた。

ところが、それ以前に、四方田監督は、
クロスバー選手とポスト選手という優秀なDFを同時に投入していたようで、
この2人にわずか10分の間に宇佐美のシュート2本と山見のシュート1本を弾き返されてしまい、
結局、横浜FCの狙い通りにドローで試合を終えることに。

まあ、GKがドイツの世代別の代表に選ばれたこともあるブローダーセンなので、
コースを狙いすぎた結果とも言えるけど、
結果が出ていない時は運も味方しないんだなと思わされたね。

清々しい連休の幕開けとなるか

ここで勝ち点3を取っておけば、1つしかないJ2降格枠の恐怖も和らいで、
ポヤトスサッカーの構築に専念出来ると思っていたけど、なかなか思うようにはいかないね。

そんな状況で迎える次節の試合は鹿島アントラーズとのアウェイゲーム。

今季の鹿島はあまり上手く行っていないようだけど、
最下位の横浜FCにホームで勝てなかったチームが、
アウェイの鹿島で楽に勝てるとは思えないので、
今日よりも1段階、2段階強度を高めて試合に臨んで欲しいね。

ゴールデンウィークの初日に、鹿島から負けて帰るのは気が重いので、
良い連休の幕開けを期待したいところやね。

ガンバ大阪11横浜FC
’13 宇佐美貴史
’43 ンドカ・ボニフェイス