【明治安田J1リーグ32節 ガンバ大阪vs東京ヴェルディ】トンネルの出口が見えたのは目の錯覚だったのか?

11番不在の緑を攻略せよ

我々の勝利を望まない誰かの不可抗力が働き、
亀岡の地で勝ち点2を落とした京都戦から中5日、
ガンバ大阪は東京ヴェルディとのホームゲームを迎えた。

京都に続き絶好調の相手との試合になるけど、
今季のヴェルディの躍進を支えている山見大登が、
ガンバからのレンタルという契約の都合でこの試合に出場出来ないのは朗報。
(山見と同じ立場にも関わらず嬉々として古巣との試合に出場していたGKとは大違いだ)

5月に味スタで対戦した時は、過密日程やアウェイゲームという条件に鑑みて、
のらりくらりとスコアレスドローに着地させたけど、
2か月以上リーグ戦で勝利から見放されている現状を考えると、
今回は絶対に勝ち点3を獲らなければいけない試合だ。

ボールを持たされウェルトンにダブルチームという見慣れた光景

秋の訪れを感じさせるパナソニックスタジアム吹田のピッチに、
ポヤトスが送り出した11人は以下の通り。

累積警告で前節の京都戦を欠場したダワンがスタメンに復帰し、鈴木徳真とダブルボランチ。

ベンチには故障で戦線離脱していたネタ・ラヴィと半田が名を連ねるなど、
徐々に戦力が戻ってきつつあるね。

序盤からボールを握ったのはガンバだったけど、
ボールを持っていると言うよりは持たされている感じで、
ガンバの前半のシュートはダワンの1本のみ。

福岡がDFラインから積極的にドリブルで前にボールを運ぶ場面は見られたものの、
ウェルトンは常に綱島と宮原の2枚にマークされて自由にプレーさせてもらえず、
中央では1トップの宇佐美とトップ下の山田康太が自由に動くものだから、
アタッキングサードに進入してもゴール前に誰もおらず「誰が点を取るの?」状態。

守っては強靭なフィジカルを誇るヴェルディの木村の対応に後手を踏み、
自陣の深い位置で何度もファウルを犯してしまう。

幸いこの日は山田楓喜のキック精度が珍しくイマイチだったので、
それらのファウルが失点に繋がる事は無かったけど、
どっちかと言うと狙い通りに試合を運べていたのはヴェルディだったと思う。

ただ、ヴェルディに何度か訪れる決定機も守備陣の奮闘と、
前線の選手たちの献身的なプレスバックで凌ぎ、スコアレスで試合はハーフタイムへ。

あと2分のところですり抜けた勝ち点2

前半の終盤に山田康太が脚を痛めた様子だったので、
ハーフタイムで交代があるかなと思っていたけど、
前半と同じ11人をピッチに送り出したポヤトス。

前半と比べれば敵陣で試合を進めることが出来ていたけど、
木村の強引に腰を捻ったシュートを中谷が掻き出す場面や、
ペナルティエリア内の1対1で一森が見木のシュートを防ぐ場面もあり、
依然として決定的なチャンスはヴェルディの方が多いという試合展開。

状況を変えるべく、ポヤトスは後半11分に山田康太と岸本に代えて坂本と半田、
後半25分に山下に代えてファン・アラーノを投入。

すると、後半29分についにガンバに歓喜の瞬間が訪れる。

福岡のパスを坂本が宇佐美に落とすと、
宇佐美のスルーパスに抜け出したダワンが左足でゴールネットを揺らし、ガンバが先制に成功。

ダワンのシュートや宇佐美のパスが上手かったのはもちろんだけど、
あの福岡のスピードのあるくさびのパスを、
ワンタッチで正確に宇佐美に繋げる技術と判断力を持った坂本が、
なぜ先発で起用されないのか不思議に思っているのは僕だけだろうか。

1点リードしたことでダワンとウェルトンに代えて美藤と福田を投入し、
試合をクロージングにかかるガンバと、
スコアを振り出しに戻すべく山田、松村、松橋と攻撃のカードを次々と切るヴェルディ。

コーナーキープで時間を使いながら時計の針を後半アディショナルタイムまで進め、
8試合ぶりの勝利まであと少しというところまで持ち込んだところで、
ヴェルディにFKを与えてしまう。

この見木のFKは中谷の腰に当たってクリアしたような形になるも、
こぼれ球を拾った森田にシュートを打たれると、
一森の正面に飛んだシュートは福岡が咄嗟に出した足に当たってコースが変わり、
無情にもゴールマウスに吸い込まれてしまった。

足だけでブロックに行った福岡のプレーは確かに軽率だったけど、
それ以上に、ヴェルディの連携が乱れていて全く危険ではない状況で、
齋藤のユニフォームを引っ張ってFKを与えた福田のプレーの方が、
言い訳の余地が無いレベルの痛恨のミスだったと思う。

結局、その後はスコアを動かすことが出来ず、ドロー決着。

広島が町田との首位攻防戦に勝利したことで優勝はさらに遠のいてしまったけど、
もはや優勝がどうのこうのと言うよりも、
すぐ下の順位にいるヴェルディ、名古屋、FC東京を気にした方がいい状況になってきたね。

この流れを変えるのはダービーという劇薬しかない

8月と9月はリーグ戦で1勝も出来なかったガンバの次の試合は、
本来8月31日に行われる予定だったところ台風の影響で延期になっていた大阪ダービー。

お互いに調子が上がらない状況ではあるけど、
どちらの順位が上とか、どちらのチーム状態が良いとか、
ダービーにそんなものは関係無いというのはあえて言うまでもない。

試合までの中3日で万全の準備を期して、シーズンダブルを成し遂げるだけだ。

平日開催になったことで現地には行けなくなってしまったけど、
ヨドコウで青黒のサポーターが凱歌をあげる様子をTVの前で見届けたいと思います。

ガンバ大阪11東京ヴェルディ
’74 ダワン
’90+4 森田晃樹