【明治安田J1リーグ29節 セレッソ大阪vsガンバ大阪】今年は小菊に土をつけられずに済むと思っていたのに・・・

ダービーに燃える水曜日の夜

後半アディショナルタイムの失点で勝ち点2を落とす結果となったヴェルディ戦から中3日、
我らがガンバ大阪は台風の影響で延期となっていた大阪ダービーの日を迎えた。

8試合勝ちなしのガンバと10試合で1勝のセレッソという、
お互いに調子が上がらない状態で迎える一戦だけど、
ダービーに最近のチーム状態や今の順位などは関係無い。

これまで散々痛い目に遭わせられた小菊の監督生活のはなむけに、
シーズンダブルをプレゼントしてやろうじゃないか。

良かったことは失点しなかったことぐらいな前半

60回目の大阪ダービーに臨む気高き青黒のスタメンは以下の11人。

戦線離脱していた半田が右SBのポジションに入り、
ウイングは右にウェルトン、左にアラーノという並び。

ヴェルディ戦でネタ・ラヴィを起用しなかったのは、
ダービーを想定したものだと思っていたのだけど、
この試合でベンチにも入っていないところを見ると思い違いだったみたいね。

試合の主導権を握ったのは、「こんなに飛ばして90分持つのか?」と思うような
高強度で試合に入ってきたセレッソ。

そんなセレッソに対しガンバは完全に受けに回ってしまい、
後方からのビルドアップを激しいプレスで乱されると、
苦し紛れに蹴らされたロングボールは宇佐美と山田の高さの無い前線で収められるわけもなく、
セカンドボールを回収されて延々とセレッソのターンが続く。

しかしながら、防戦一方の中でレオ・セアラに決定的なシュートを打たれる場面があるも、
これらのピンチを一森が好セーブで凌ぎ、先制点は許さない。

守備陣の奮闘に攻撃陣も応えたいところだったけど、
かろうじて可能性を感じるのはウェルトンの単騎突撃ぐらい。

宇佐美はほぼ自陣でのプレーを強いられ、アラーノに関しては、
なぜこの大一番で先発起用されたのか疑問に思うほど低調なパフォーマンスに終始し、
結局、ガンバは前半をシュート0本に抑えられてしまった。

まあ、後半に向けて無理やりポジティブな見方をすれば、
あれだけセレッソのワンサイドゲームだったにも関わらず1点も取られていないということと、
ガンバと同じ中3日のセレッソが最後までこの強度を保てるとは思えないので、
後半の運動量が落ちるタイミングで勝機を見出せればってことぐらいだろうか。

反撃ムードも時すでに遅し

ハーフタイムでポヤトスは何らかの修正をしたはずなんだろうけど、
後半もピッチの上で繰り広げられていたのは、前半と同じ光景。

そんな折にウェルトンの阪田へのアフターチャージでセレッソにFKを与えてしまうと、
ルーカス・フェルナンデスのFKの流れから西尾に決められてしまい、
先制点を献上してしまった。

試合後の西尾のインタビューを聞く限り、ルーカスのFKはキックミスだったみたいだけど、
ニアでコースを変えてフリーの西尾に落とした北野のアイデアにやられてしまったね。

1点ビハインドになったガンバは、後半15分にアラーノに代わって山下を投入するも、
山下のスピードを生かした裏への抜け出しはことごとく西尾に阻まれてしまい、
なかなか攻撃のギアが上がらない。

しかしながら、後半29分に山田とダワンに代えて坂本と美藤を投入すると、
前半から高強度で戦っていたセレッソの選手たちの運動量が落ち始めたことと相まって、
ようやくガンバが主導権を握る時間帯に突入。

すると、後半37分にドリブルで中央を持ち上がった坂本の左サイドへの展開から、
ウェルトンがインフロントでカーブをかけた見事なシュートでゴールネットを揺らし、
スコアを振り出しに戻す!!・・・と思ったら、
これは坂本のパスが出た時点でウェルトンがオフサイドだったとしてノーゴールの判定に。

ただ、流れは引き続きガンバだったので、
この勢いのまま何とか同点に追いつきたかったところだけど、
山崎、カピシャーバ、上門を投入して前線の運動量を補充した小菊采配により、
まんまと逃げ切られてしまい、憎き隣のピンクに痛恨の敗戦。

これで9試合勝ち無しと完全に泥沼にハマってしまい、
首位を窺おうとしていた6月頃の勢いは何処へやら、
優勝なんて口にするのも憚るような状況になってしまった。

また、小菊の顔を見るのはこの試合で最後になるかと思っていたけど、
今回のダービー勝利でセレッソのフロントからの評価は上がりそうだし、
来年もまたこいつの顔を見ないといけなさそうで今から頭が痛いわ。

札幌に勝ち点6も渡すほど気前は良くない

次戦は中2日で北海道コンサドーレ札幌戦。

一時はダントツ最下位だった札幌だけど、
はたから見ててパニックバイのような夏の大型補強が的中し、
ここに来てJ1残留の目が見えてくるなど、
シーズン前半とは完全に別のチームに変貌している。

現在のチーム状態や、日程、そして相手の勢いと、
札幌戦に臨むにあたりあまりポジティブな要素を見出せないけど、
昨季のようにズルズル失速したままシーズンを終えるのは御免なので、
ホームで10試合ぶりの勝利を挙げて悪い流れを食い止めて欲しいところだ。

セレッソ大阪10ガンバ大阪
’48 西尾隆矢