【明治安田J1リーグ33節 ガンバ大阪vs北海道コンサドーレ札幌】眩いばかりに煌いた青黒の至宝

札幌のJ1残留に貢献する義理は無い

ミッドウィークに行われた大阪ダービーで、
1-0というスコア以上の完敗を喫した我らがガンバ大阪は、
中2日で北海道コンサドーレ札幌とのホームゲームの日を迎えた。

ただでさえも9試合勝利無しとドン底のチーム状態にも関わらず、
日程面でも不利な状況で好調の札幌と対戦するということで、
ポジティブ要素を見つけるのが難しい試合ではある。

とは言え、4月にアウェイで札幌と対戦した時に、
気前良く札幌に今季初勝利をプレゼントしてあげたので、
札幌の選手たちがそのお返しを大阪に持ってきてくれていることに期待したい。

沖縄では恩返しし足りなかったようだ

今節の土曜日に行われるJリーグの試合で一番最後にキックオフの笛が鳴る一戦で、
ポヤトスがパナスタのピッチに送り出した11人は以下の通り。

過密日程ということでターンオーバーを実施し、
水曜日の大阪ダービーのスタメンから半田、鈴木徳真、ウェルトン、アラーノ、宇佐美が外れ、
岸本、美藤、山下、福田、坂本が入った。

一方の札幌は、どこかの日本代表GKと違って鈴木武蔵が契約上の理由、
(まあ、それでなくても累積警告で出場停止とのことだが・・・)
髙尾がケガと元ガンバ戦士の2人はそれぞれメンバー外となっていたけど、
今夏の移籍市場で琉球から加入した白井は1トップでスタメン出場。

試合は、前半をシュート0本に抑えられた大阪ダービーと比べて良い試合の入りが出来た
・・・と思っていたら、福岡がクリアにもたついているところを白井に掻っ攫われ、
前半8分という早い時間に先制点を献上してしまった。

まあ、完全に福岡のボーンヘッドだったけど、
4月のルヴァンカップに続いて白井に恩返しゴールを許すなんて、
ガンバはどれだけかつての所属選手に対してサービス精神旺盛なんだろうか。

1点ビハインドを背負ったと言っても、試合はまだ80分以上残っているので、
気を取り直して同点に追いつきたいところだったけど、
坂本と山田のシュートがクロスバーを叩けば、
山下のCKを中谷がフリーで合わせるも枠に飛ばすことが出来ず、
結局前半は1点ビハインドで折り返すことに。

山下の再三のDFラインの裏へのランニングや、坂本の間で受ける動き、
左サイドで積極的にドリブルを仕掛ける福田など、単発では良いプレーはあるのだけど、
いずれも連動しなくてチャンスに繋がらないのがもどかしい展開だったね。

10試合ぶりの勝利をもたらした万博劇場

ハーフタイムで荒野に代えてサンチェスを投入したペトロヴィッチに対し、
前半と同じ11人をピッチに送り出したポヤトス。

まあ、ハーフタイムで選手交代するのが必ずしも良いとは言わないけど、
ポヤトスは前半の出来が良くなくてもハーフタイムで動かないことが多いのが気になるんだよな。

案の定、前半と代わり映えの無い試合が繰り広げられる後半のピッチ。

後半20分になってようやく山下と福田に代えて宇佐美とウェルトンを投入したけど、
頻繁に中盤に降りてくる宇佐美を1トップに置いて坂本を左サイドに回したせいか、
追いかける展開にも関わらず札幌のゴール前に誰もいないという状況が増えてしまった。

その後、足首を痛めた黒川に代わって半田、
美藤に代わって倉田を投入するも流れを変えることが出来ず、
結局、中谷がパワープレーで前線に上がってようやくゴールの匂いがし始めるという、
いつもの展開になってしまう。

とは言え、札幌のディフェンスも大崎や岡村、馬場と高さのある選手が揃っているので、
単純な放り込みで得点を奪えるほど簡単ではない。

「ああ、これは詰んだかな」と思っていたら、
宇佐美のクロスをニアでダワンが触れずに抜けてきたボールが大崎の手に当たり、
OFRの結果ハンドの判定でPKを獲得。

棚から牡丹餅のような形で獲得したPKだったけど、
このPKを宇佐美がプレッシャーを感じながらも左隅へ蹴りこみ、
ガンバが後半アディショナルタイムにスコアを振り出しに戻すことに成功。

同点に追いついた勢いをそのままに逆転を狙うガンバだったけど、
中2日の疲れからかパスがズレる場面が続き、思うようにボールを前に運ぶことが出来ない。

それでも半田のパスを受けた山田が宇佐美にワンタッチで落とすと、
6月のホーム柏戦を彷彿とさせるような個人技でマークを外し、
次の瞬間にはスタジアムを歓喜の渦へ導く逆転ゴールが決まっていた。

ポヤトスが目指しているサッカーはこれなのか?と言われると多分違うんだろうけど、
これが宇佐美貴史という選手が持っているロマンであり、
サッカーというスポーツが持っている面白さの本質的な部分なんだと再認識させられたね。

試合後のインタビューで宇佐美が言っていたように、
この勝利で9試合勝利無しの期間や大阪ダービーでの敗北がチャラになったとは思わないけど、
今夜だけは我らが背番号7がもたらしてくれた勝利の美酒に酔いしれたいと思う。

ここから再浮上するための小休止

10試合ぶりの勝利をあげ、この勢いで連勝といきたいところだったけど、
インターナショナルマッチウィークにより小休止。

まあ、過密日程で札幌戦の後半の最後の方はかなりキツそうだったし、
2週間ゆっくり体を休めて金Jの川崎戦に向けて備えて欲しいと思う。

今夏の移籍市場で獲得した林がそろそろ戦線復帰出来るみたいなので、
遅れてきたビーストの咆哮に期待したいところやね。

ガンバ大阪21北海道コンサドーレ札幌
’8 白井陽斗
’90+4 宇佐美貴史
’90+8 宇佐美貴史