【明治安田J1リーグ36節 ジュビロ磐田vsガンバ大阪】天国の野呂さんに捧げた馬鹿試合
飛田給と同じ匂いがする御厨
延長後半アディショナルタイムの坂本一彩のゴールでマリノスを降し、
決勝進出を決めた天皇杯準決勝から2週間、
我らがガンバ大阪はジュビロ磐田とのアウェイゲームに臨んだ。
磐田を降して神戸との天皇杯決勝に向けて弾みをつけたいところだけど、
残留争い真っ只中にいる磐田は何がなんでも勝ち点を獲りに来るだろうし、
ましてやヤマハスタジアムで最後に勝ったのは13年も前の話なので、
簡単な戦いにはならないだろう。
ただ、鬼門だの相性だの言っていたらいつまで経っても勝てないので、
残留争い中のサックスブルーには悪いけど、
ここは青黒が勝ち点3を大阪に持ち帰らせてもらう。
一度殴られないと目が覚めないのはお互い様
先日亡くなられた元ガンバ大阪社長の野呂さんを悼み、
喪章をつけてこの試合に臨むガンバのスタメンは以下の11人。
2週間前のマリノス戦のスタメンから山田が外れ、坂本が入る形。
(マリノス戦の後半頭からの11人と言った方がわかりやすいか)
また、ベンチには一時は今季絶望かと思われたジェバリが戻ってきたね。
序盤、試合の主導権を握ったのはガンバで、
倉田がポスト直撃のシュートを放って川島が守るゴールマウスを脅かすと、
鈴木徳真のCKからファーサイドにいたダワンが右足で蹴り込み、ガンバが先制。
・・・と、思いきや、このダワンのシュートは、
オフサイドポジションにいた倉田に当たっていたとしてOFRの結果ゴールは取り消しに。
(奥様に捧げたと思われるダワンのセレブレーションは無駄になってしまったね)
まあ、気を取り直して引き続き磐田のゴールに迫りたいガンバだったけど、
どうやらダワンの一撃で磐田の選手たちの目が覚めたようで、
ここから磐田に攻め込まれる時間が増えていく。
ペナルティエリア内でボールが手に当たった半田のプレーは、
ノーハンドの判定で命拾いしたけど、
ジョルディ・クルークスの右足のクロスから渡邉りょうにゴールネットを揺らされてしまい、
前半23分に先制点を献上。
よりによって元セレッソの2人にやられるなんて気分が悪いけど、
この場面では、黒川に当たって不規則な回転がかかっていたクルークスのクロスを
見事なボレーでゴールネットに突き刺した渡邉のシュート技術を褒めるしかないね。
とは言え、10月に挙げた3勝は全て逆転勝利と、
ここのところ好調なガンバの攻撃陣の前では、1点ビハインドなんてあって無いようなもの。
(まあ、その反面守備の方が怪しくなっているが・・・)
鈴木徳真のCKの場面で、中谷と福岡にマークが集中する中、
注意が薄くなったニアポストに飛び込んだ半田がゴールネットを揺らしたのは、
渡邉のゴールから4分後の話。
さらに、2回のOFRの影響で9分という長いアディショナルタイムが取られた前半終盤には、
左サイドでボールキープした宇佐美のヒールパスを受けた黒川のクロスから、
山下のガンバ移籍後初ゴールがようやく飛び出し、前半のうちにガンバが逆転に成功。
ジュニアからユースまでを過ごした磐田が相手とあって、
山下はゴールセレブレーションを控え目にするのかと思っていたけど、
磐田に遠慮することなく喜びを爆発させて走り回っていたね。
(トップに昇格させてもらえなかったので何か思うところがあるんだろうか・・・)
後半も功を奏した長めのアディショナルタイム
前半と同じ11人を後半のピッチに送り出したガンバに、
思いも寄らないプレーで欲しかった追加点がもたらされる。
左サイドからカットインした宇佐美からのパスを受けた半田がシュートを放つと、
シュートブロックしたリカルド・グラッサが、
あろうことか自分の足元に転がったボールを手で払ってしまい、
当然のハンドの判定でガンバがPKを獲得。
磐田のゴール裏は川島が守るゴールの後ろにフラッグを集結させ、
宇佐美のPK失敗を誘発してきたけど、我らが青黒の至宝がそんなものに気を取られる訳もなく、
冷静に川島の逆へシュートを沈め、ガンバのリードは2点に。
この宇佐美のPKから5分後には半田のスルーパスに抜け出した山下が、
川島との1対1を制してゴールネットを揺らし、勝負はあったかのように思われたけど、
この山下のゴールはVARの結果、オフサイドで取り消されてしまう。
(この日の審判団はVARに頼らずに自分の目でオフサイドの判定できないのか?)
まあ、山下のゴールは取り消されたけど、まだ2点リードしている・・・と思っていたら、
トドメをさしそびれた磐田に猛攻を食らってしまうことに。
山下と倉田に代わって福田とファン・アラーノを投入して運動量を補充するも、
2人とも試合に入れずにいるガンバに対し、
ペイショット目掛けたパワープレーでシンプルにガンバのゴールに迫ってくる磐田
すると、ゴール前の混戦から上原に押し込まれ、後半42分に1点差とされると、
その4分後には鈴木海音に同点ゴールを許し、パワープレーにあっさりと屈してしまう形に。
ガンバとしてはこの上なく悪い流れだったけど、ここでも前半と同様に、
OFRの影響で11分と長めに取られたアディショナルタイムがガンバに味方をする。
ヤマハスタジアムが磐田の逆転ゴールを期待するイケイケムードの中、
ドリブルで前進した美藤が左サイドに開いたジェバリにスルーパスを送ると、
ジェバリからのパスを受けた坂本が左足でゴールネットを揺らし、再びガンバが勝ち越し。
宇佐美との交代でジェバリがピッチに入った直後は、
あまりのもっさりとした動きに頭を抱えそうになったけど、
試合の中で徐々に動き方を思い出したようで、最後はアシストを決めてくれてホッとしたわ。
試合の最終盤にはGKの川島まで前線に上がってきたけど、
さすがにGKにゴールを決められるなんていう失態は犯すことなく、
肝を冷やしつつも逃げ切りに成功。
まあ、2点ビハインドを追いつかれたのは反省材料だけど、
最後まで目が離せないシーソーゲームを天国で見ている野呂さんも楽しんでくれたことだろう。
俺らの胸に星を刻もうぜ
鹿島が名古屋と引き分けたことで、これでガンバは4位に浮上。
この調子で残り2試合も勝利を収め、
可能な限り上の順位でシーズンをフィニッシュしたいところだけど、
その前に神戸との天皇杯決勝があるので、
リーグのことは一旦頭から消して11月23日の国立での一戦にフォーカスしよう。
タイトルから遠ざかって9年、
さらにはここ3年は残留争いを強いられるという苦しい時間を過ごしてきた我々だけど、
雌伏の日々が終わる時がようやく来たようだ。
いざ、10個目の星を手にし、ガンバの新しい時代の幕が開けた年として、
2024年シーズンを後世に語り継がれる1年にしようじゃないか。
ジュビロ磐田3ー4ガンバ大阪
’23 渡邉りょう
’27 半田陸
’45+9 山下諒也
’62 宇佐美貴史
’87 上原力也
’90+1 鈴木海音
’90+3 坂本一彩